月刊ウララ2月号特集『ココロときめく文房具』よりこだわりアイテムをご紹介。

2021/02/09

文房具売り場に行くと「こんなの欲しかった!」と思える出会いがないかワクワクする。
服と同じようにその人の個性やアイデンティティまでもが現れ、ちょっとした値段で心を満たしてくれる、文房具。
福井ならではの逸品から気軽に楽しめるものまでこだわりアイテムの中から
心がときめく、お気に入りを見つけてみよう。


紙の沼へようこそ。
女子の心を鷲掴みする麗しのペーパーアイテム。


カラフルでレトロポップ。
乙女が胸キュンする紙たち。

モダンなアイコンが規則的に並び、その色鮮やかさに思わず目を奪われてしまう、『ウィギーカンパニー』の紙ものたち。そのすべてを手掛けるのが“図案家”という一風変わった肩書を持つ、黒田美恵さんだ。
「私が“図案家”と名乗るのは、私が感化されてきた大正時代や明治時代のデザイナーがそう呼ばれてきたから。絵を仕事にすると決めた時に“イラストレーター”や“デザイナー”というには違和感があって」。
父が着物の仕事をしていたこもあり、おのずと小さい頃から着物や図案書に囲まれて育ってきた黒田さん。幼心にその影響を深く受けてきた。彼女が描くモチーフは、日本の伝統的な古典模様からインスパイアされたものも多いが、そのレトロな独自の世界観にはもう一つのルーツがある。
それは、旅先でふらっと立ち寄ったお土産物屋の包装紙やお菓子のパッケージなど、レトロで可愛い紙を収集した彼女の「紙コレクション」。少しシュールでかわいい、古き良き昔のデザインを眺めては、その味わい深さを図案に昇華させていくという。

【上右】(左)レターパッド800円、(右、中)一筆箋1000円。
【上左】万葉集を題材にしたポストカード200円。
【下】『ウィギーカンパニー』のメインアイコンともいえる「オミアシ」アイテム。(左)アンヨのステッカー200円、(中)オミアシボールペン200円、(右)オミアシのテープ400円。(すべて税別)

そんな黒田さんが手がけるオリジナル図案の真骨頂は、マルチペーパー。図案の愛らしさもさることながら、日本ならではの色彩は、眺めているだけでもうっとりしてしまう。「このアイテムを作り始めたのは、自分が使いたいからというのが一番強い想いかもしれません。紙のアイテムを作り始めたのは、欲しいと思うものが売っていなかったというのも理由のひとつです」
日頃から友人や誰かに会う際にはちょっとしたものを贈る習慣があるという黒田さん。お土産をラッピングしたり、手紙や葉書を添えるためにメッセージを書くのは、心ときめく瞬間だという。そしてそれが可愛いデザインであればあるほど、なおさら。
誰かに想いを伝える場面で、紙がもたらしてくれる胸の高鳴りを日々実感している黒田さんだからこそ、多くの女性を虜にするような図案が生み出せるのかもしれない。

Profile

ウィギーカンパニー
図案家・黒田美恵さん。福井市生まれ。オリジナル図案をもとに、包装紙などの紙雑貨を中心に幅広く作品を製作。
https://wiggiecompany.tumblr.com/

│取扱店│
福井県立美術館ミュージアムショップ
【住所】福井県福井市文京3-16-1 福井県立美術館内

gecko cafe
【住所】福井県越前市芝原3-6-30 師田ビル
【電話】0778-21-2787

カフェと雑貨と猫 古民家35
【住所】福井県福井市順化2-9-17

GENOME REAL STORE
【住所】福井県南条郡南越前町長沢25-2
【電話】0778-45-1836

和紙処えちぜん
【住所】福井県越前市新在家町8-44パピルス館内
【電話】0778-42-1363
※店舗によって取扱商品が異なるため、お買い求めの際は要問合せ





海外からやって来た
今、気になるビンテージペーパー。

汚れやくすみが味わい深い、外国生まれのビンテージペーパー。
日本にはない独特の紙文化や洗練されたデザインは、一味違った“沼”を見せてくれる。


小さな古い紙に詰まった
フランスの広告デザインの世界

自然に囲まれた、野坂岳の麓にあるコーヒー豆焙煎所。店を営むのは、ふんわり笑顔が素敵な京都出身の久永香代子さん。店内にはコーヒー豆とともに、紙もの好きの久永さんがセレクトした、デザイン性の高い欧州の古い紙がセンス良くディスプレーされている。
万年筆が主流だった1950~60年代のフランスでは、企業や商店等が、自社広告を印刷した「ビュバー」と呼ばれるインク吸い取り紙をノベルティとして配布していた。万年筆で書いた文字のインクが乾く前でも、画用紙のようなふんわりした質感のビュバーを挟めば、すぐにノートを閉じることができ、その時代の子どもたちにとって、マストアイテムだった。
表面に描かれているイラストは、当時活躍していた、ポスター画家のサヴィニャックやモルバンなどの有名作家の作品はもちろんだが、無名アーティストによる作品も見ごたえ充分。
「独特の色合いにヌケ感のあるタイポグラフィー、手ざわりや匂い。眺めているだけでわくわくしますし、経年変化による変色やシミ、印刷のズレすらも愛おしいです」と久永さん。定期的にお店で開かれる小さな市「marQet」では、店頭には並べきれていないアイテムがお目見えする。
手帳やノートに挟んで使ってみるもよし、部屋のインテリアとして飾ってみるもよし、テーマを決めてコレクションするもよし。当時の文化やモードを映し出した貴重なフレンチビュバーの世界を楽しんでみよう。




コーヒー豆自家焙煎専門店 marQ coffee(マルクコーヒー)
【住所】福井県敦賀市野坂69-25-1
【電話】0770-36-4047
【時間】13:00~16:00
【休日】火曜、祝日、日曜不定休
【駐車場】7台
【HP】あり
【SNS】Instagram

berkarte(ベルカルテ)
【住所】福井県福井市開発2-105 開発ガーデンスクウェア103
【電話】0776-53-2344
【時間】10:00〜18:00
【休日】水曜、第2火曜
【駐車場】3台
【HP】あり
【SNS】Instagram


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#エンタメ#月刊ウララ

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