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【長坂真護のMAGO NOTE】
2021/07/11
10億年後の人間はどこへ行くのか?その答えは10億年後の未来に尋ねるしかありません。ですが、私たちは700万年前から人類として誕生したと推測されています。人類が文化や経済資源などを手にしたのは起源50万年前の、火を使い始めた頃。僕はこのときから、現在の社会の原型が始まっていったのではないかと思い始めました。そして武力の象徴である剣が発明されたのは3000年前。このあたりから武力制圧が始まり、軍事国家が根付いていきます。日本も150年前までは刀を振り回していましたし、それから銃刀法でそれらの武力を保持することを禁じられ、やがて1945年8月9日、核戦争が起きます。
武力行使は国際的に非難されるように変貌していき、高度経済成長を遂げ、民主主義、資本主義が始まり、お金を持った人が一番強いとされ、この半世紀で石油製品が世の中にはびこり、いかに地球資源を使いまくる大量消費社会で経済のてっぺんが取れるかの競争力ばかりが問われるようになりました。私たち日本人の“もったいない”という精神も忘れ、いつの間にか大量消費社会の渦の中、圧倒的に進化したテクノロジーが支配します。インターネットおよび、スマートフォンなど光の速さで情報交換して仕事を行なうようになり、現在のパンデミックで私たちは直接お辞儀をするのをやめ、インターネットの中で見ず知らずの人間と、仕事を最初から最後まで行なうまでになりました。
テクノロジーは私たちの情報共有欲のために、ものすごい加速度で進化し続けています。切手を貼って送ったハガキもEmailに形を変え、今では請求書もEmailで送付、契約書も電子サインでOK。世の中は24時間という有限の時間を圧縮するべく、テクノロジーを使い応戦しているようにも僕の目からは見えるのです。なぜ人間は時間の圧縮を試みるのだろうか、何に私たちは急かされているのだろうか、僕はそう考えるようになりました。この視点から見れば、私たちは何のために生き、何のために成長し発展するか、10億年後の人間像のディテールが見え始めていきます。(月刊ウララ8月号へ続く)
美術家 長坂真護
MAGO CREATION(株)代表取締役兼美術家 /MAGO Art & Study Institute Founder。サスティナブルを合言葉に、ガーナのスラム街に先進国が不法投棄した電子廃棄物を再利用し、美術品を制作販売。その利益をスラム街での新規雇用や完全無料の学校運営に。
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