【~9/12】『ONOメモリアル』で美術作家、雑賀通浩さん個展。偶発的な“顔”たちが並ぶ空間作品。

2021/08/28

偶発的な創作から生まれた“顔”がインスタレーション作品を構成

さまざまな素材や形で生み出された無数の“顔”によって生み出されたインスタレーション作品。ジャンクアートの鬼才と呼ばれた小野忠弘の作品が並ぶ『ONO MEMORIAL』(坂井市)を会場に、坂井市出身の美術作家・雑賀通浩さんの個展「あなたに会うための失敗する制作方法を魔法と呼んでみる」が開催されている。(9月12日までの会期中の金・土・日のみ開館)


小野作品のジャンクアートが展示された空間が会場となっているのも見どころ
さまざまな素材や色、形で作られた“顔”を150点~200点近く展示している

雑賀さんは六年前から1日1枚(1作品)、顔をモチーフとしたドローイングや粘土などさまざまな素材を扱いながら立体作品を創作してきた。

最初はモチーフを考える時間を省くために「顔」を選び、色や形を遊ぶような感覚で始めたという。しかし、そこには「意味のない色や形」であっても、目や口、鼻、耳といった「図」を付加することで顔としての認知が生まれ、最終的には表情や人格、雰囲気や情緒が表現される。

雑賀さんは、手指から生み出される偶発的形態と情緒について考察を続けてきた。


雑賀さんにとって思い入れのある『ONO MEMORIAL』での初めての個展。
地元・三国でも約十年ぶりの企画展となる

会場にも近い、坂井市三国町出身の雑賀さんが高校生の時、『ONO MEMORIAL』が開館。

福井市内の画塾に通うため三国駅へと向かう途中、毎回ここに立ち寄り、小野作品と対峙。小野さんが画塾の恩師の先生だったこともあり、その存在は自身にとっても特別なものとなっていた。

それから十五年以上の時を経て今回、自身の三年間の集大成ともいえる展示を企画。あらためて小野作品の存在感に圧倒されながらも、これまでの創作活動と向き合っている。雑賀さんは、展示タイトルにある“失敗”に「二度と出会えない奇跡の瞬間がある」として、失敗へのアプローチを制作方法として追求してきた。今回のインスタレーション作品では、会場を訪れた人もそれぞれの感覚や解釈から想像力を膨らませてほしい。


圧倒的な存在感を放つ小野作品のジャンクアートと同じ空間で対峙する

「あなたに会うための失敗する制作方法を魔法と呼んでみる」
【会場】ONO MEMORIAL
【住所】坂井市三国町緑ケ丘3-6-13
【日程】8/20(木)~9/12(日)の会期中の金・土・日のみ開館
【時間】10:00~16:00
【料金】入館無料
【お問合せ先】0776-82-5666(みくに龍翔館仮事務所)

雑賀通浩(さいか・みちひろ)
1988年福井県坂井市出身、京都府在住。2014年京都市立芸術大学修士課程彫刻専攻 修了。主な展覧会に、2020年「SPR」(FINCH ARTS、京都)、2018年「small painting,painting small:」(FINCH ARTS、京都)、「毎日が良い日々-鯨のように深く呼吸する」(崇仁ギャラリー、京都)など。






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#おでかけ#アート#イベント#坂井

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