【~9/20】『COCONOアートプレイス』。“対話”から生まれた美術家 浅野桃子さんのインスタレーション作品。

2021/09/02

大野のインスピレーションをもとにオブジェを制作した浅野桃子さん

大野市のアートギャラリー『COCONOアートプレイス』が開催している企画展「ドス ト ス(扉図と棲)」。築120年の町屋を会場に、美術家でアーティストの浅野桃子さん(福井市)が手がけたインスタレーション作品が新たな風景を生み出している。「空間との対話から生まれた作品を見て、そこから生まれる心の動きを大切にしてほしい」と、浅野さんは話す。9月20日(月・祝)まで。

自然光が梁や柱の陰影を生み、オブジェや空間と一体化する

会場の奥に位置する「蔵ギャラリー」に差し込む外からの光。ほのかに浮かび上がる浅野さんのオブジェが空間と一体化した雰囲気を生み出し、訪れた人の想像力をかき立てる。目を引くのは、全長8メートルになるサンドペーパーのオブジェ。その表面を鉛筆でドローイングして、イメージした色合いや質感を形にした。







2017年以来となる福井での作品発表。「アーティストとして試されている感じがします」と、浅野さん

これまでにもモノクロームの作品を多く手掛けてきた浅野さん。自然光での展示にこだわり、「光と影に身を置くと、蔵の中はヒンヤリとしていて、まるで水の中にいるよう」と、言う。今回の制作にあたって大野を訪れる際に乗った越美北線の電車から見える風景や、会場となる建物だけでなく、大野の町並みを繰り返し歩き、町の人と会話する中で感じていた「いつも頭の上の方で水が流れている感覚」。そこから沸き起こった創作意欲と記憶の断片をかき集めた形が作品となった。

インスタレーション作品との向き合い方、感じ方は自由

もっとも「制作者の意図とは違った捉え方であっても間違いではありません。まずは思い込みを持たずに作品や空間と向き合ってもらいたいですね」(浅野さん)。長い年月を重ねてきた蔵に寄り添うように展示したオブジェの数々。紙粘土で作った石のような形状のものや木片など、建物の素材や構造体に組み込まれた記憶が表現されているようにも見える。







中庭に張り巡らされているオブジェ。大野らしい水の流れを想起させる

中庭には、白く細長いメッシュ状の繊維を頭上ほどの高さに張り巡らせた作品。豊かな水に恵まれた大野の風景と重なった瞬間、目の前に見える景色に川のせせらぎが重なる。それぞれの場所や土地の歴史、人々の営みから生み出されるインスタレーション作品の魅力に触れると、あらためて大野の町に繰り出してみたくなる。







会場では、9月3日(金) 18時~19時30分と、9月4日(土) 15時~16時30分の二回、ギャラリートーク「大野漂流記 COCONOアートプレイスのココ」を開催(観覧料が必要)。9月4日(土) 10時~正午には、ワークショップ「大野漂流記 まちでスケッチハイキング」が開催される(参加料500円、保険料込み)。問合わせ・申込みは『COCONOアートプレイス』まで。

「小コレクター運動」によって市民が所有した貴重な絵画を展示する、オモヤギャラリーとハナレギャラリーも観覧できる
建物内の『カフェ紫おん』では、大野の地酒のパウンドケーキなどを使ったスイーツも味わえる



浅野桃子展「ドス ト ス(扉図と棲)」
【会場】COCONOアートプレイス
【住所】大野市元町12-2
【電話】0779-64-4848
【日程】開催中~9/20(月・祝)
【時間】9:00~17:00
【休館】月曜日(祝日をのぞく)
【観覧料】大人300円、中学生以下無料
【HP】あり



浅野桃子(あさの・ももこ)
1978年岐阜県生まれ、福井市在住。2009 年、東京藝術大学大学院 美術研究科 博士後期課程 美術専攻 研究領域油画 修了、博士号取得。インスタレーション作品を中心にギャラリーや廃校や空き家などで発表を続けている。主な展覧会に、2019年「ONLY CONNECT OSAKA」(CCCクリエイティブセンター大阪、大阪)、2017年「沼世、ここ世 Swamp, Here」(E&C gallery、福井)など。



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#人物#おでかけ#アート#奥越

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