タグを指定
2021/10/14
『福井市美術館』で開催中の「生誕65周年記念 ミッフィー展」。会場では原画やスケッチなど250点以上を展示していて、ミッフィー(うさこちゃん)と生みの親である絵本作家ディック・ブルーナさん(1927-2017)の軌跡をたどっています。
一見シンプルに見えるキャラクターや作品ですが、その大きな魅力となっている「ブルーナカラー」の独特の色使いやタッチを間近で鑑賞できる貴重な機会。会期は11月7日(日)まで。
2020年、ミッフィーは誕生から65周年を迎えました。これまでに刊行された絵本は120タイトル以上。約50か国語に翻訳され、8500万部以上のロングセラーとなっています。
そして本展の会場入り口では、ミッフィーの絵本の表紙が来場者をお出迎え。よく見ると、タイトルは日本語だけでなく、母国オランダなどさまざまな国の言葉で書かれていて、世界中で愛されているミッフィーの存在を感じることができます。
ディック・ブルーナさんはオランダ・ユトレヒト生まれ。絵本作家としてミッフィーを描き始める数年前から父の出版社「A・W・ブルーナ・ズーン社」でデザイナーとして働き始め、数多くの本の装丁やポスターなどを手掛けていました。
会場内には、ユトレヒトの映像が流れていたり、現地で撮影した写真のタペストリーも飾られていたり、ミッフィーが生まれた街の雰囲気が再現されています。
今回、ブルーナさんがデザインしたポスターなどの制作物を展示しているのも見どころのひとつです。シンプルな構図や色使い、見る人の感性に訴えかける表現力は絵本の世界につながっています。
そしてミッフィー絵本初期4部作のひとつ、『ゆきのひの うさこちゃん』(1963年)の原画の数々が初来日。物語は冬のある日、窓の外はすっかり雪景色でミッフィーは雪遊びを楽しんだり、小鳥のためにおうちを作ってあげたり。まだ手書きでミッフィーを描いていた時代の作品からは、温もり溢れるキャラクターや世界観、ブルーナさんの制作当時の息づかいが伝わってくるようです。
そのほかにも、今回初来日となった『うさこちゃん おばけになる』(2001年)や『うさこちゃんは じょおうさま』(2007年)などの原画や資料、絵本には採用されなかった原画や印刷原稿など本展ならではの展示作品も並びます。
ミッフィーは日本でもすっかりおなじみにキャラクターとなっていますが、実は日本はオランダ以外でいちはやく出版された国のひとつ。
1964年にミッフィーの初期4部作を翻訳した児童文学者、石井桃子さんらゆかりの日本人を紹介するコーナーもあり、ますますミッフィーを身近に感じることができそうですね。
誕生65周年記念 ミッフィー展
【会場】福井市美術館(アートラボふくい) 福井県福井市下馬3-1111
【会期】開催中~11/7(日)
【時間】9:00~17:15(入館は16:40まで)
【休館】月曜
【料金】一般1100円、高校・大学生800円、小・中学生500円 ※未就学児、無料
【お問い合わせ】0776-33-2990(福井市美術館)
【HP】あり
【SNS】Twitter
日々URALAからのお知らせをLINEで受け取れます!