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【暮らしを豊かにする私の巣づくり。】
2021/11/19
連載「暮らしを豊かにする私の巣づくり」では、自然素材のカーテンやそのハギレで布雑貨を製作する福井のファブリックブランド『KURASIKU』とコラボレーションして、福井で購入できる“暮らしに取り入れたい”とっておきのアイテムたちをご紹介します。
ふと手に取りたくなる、あたたかみを感じる色合いや素朴な形の器たち。どんなシーンで使おうか、なにを盛りつけようかと想像するだけで楽しいですよね。実はこちらに並ぶ品々は、手仕事によって作られる「民藝品」と呼ばれるものたち。
約80年の時を経て、“民藝”の捉え方は人それぞれに。食器として作られた器も、小物入れにしたり、インテリアにしたり。手仕事ならではの豊かな表情や使いやすさはそのままに、いまや民藝は使う人の感性で自由に楽しむことができます。
現在、日本各地で、その土地の暮らしに根付く「民藝品」が作られていますが、ここ福井でも各地の民藝品に出会えるお店があります。それが、福井市・呉服町商店街の入り口に小さなお店を構える『HERE&NOW』。こちらには店主の金牧さんがセレクトする、県内外の美しい手仕事の品と長く着ていたい大人の日常着が並びます。
こちらには、食卓を彩る器が多いですが、瀬戸本業一里塚窯/瀬戸焼(愛知県)、太田哲三・圭窯/小石原焼(福岡県)、湯町窯/布志名焼(島根県)、出西窯/出西焼(島根県)など、窯も産地もばらばら。
また、器以外にも、新潟県佐渡島で作られる「角盆ざる」や、岡山の民藝品で「倉敷ノッティング」と呼ばれる椅子敷きなど、津々浦々の品々が揃います。
商品のセレクトは「実際に暮らしの中で使ってみて、使い心地がよかったものやこれからもずっと使い続けたいものを選んでいます」と話す金牧さんですが、元々民藝に強いこだわりがあったわけではないのだそう。
「民藝を学んでいたわけではないんです。日々の暮らしの中で出会った自分の好きなものを普段の生活に取り入れていました。そうしているうちに自分がよく使っているものや道具を見返してみると、工藝・民藝の品、ひとつひとつ手仕事で作られているものが多いことに気付いて」
なかでも民藝に触れるきっかけになったものが、島根県の湯町窯で作られているコーヒーカップだったそう。「あたたかみを感じる優しい風合いで、なおかつ取っ手の持ちやすさなど、使い心地もすごくいいんです。気になって調べてみたら、湯町窯の民藝品でした」と金牧さん。
島根県の『玉造温泉』近くにある「湯町窯」は大正11年開窯。現在は3代目福間 琇士さんと、4代目福間 庸介さん親子による器づくりが行なわれています。地元で産出される土や釉薬を使って生み出される素朴な器は、大皿やコーヒーカップ、花器などスタイルもさまざま。
民藝運動に携わっていたイギリス人陶芸家のバーナード・リーチ氏が訪れていたこともあり、「スリップウェア」という独特の模様や洋風の雰囲気が感じられる点も特徴です。 手仕事で作られているので、スリップウェアの形や入り方なども微妙に異なります。その違いが楽しめるのも、ひとつずつ丁寧に作られているからこそ。
また、こちらも同じく島根県の出西窯の器。湯町窯同様、民藝運動のメンバーの指導を受け、日常の食器類の制作を始めました。郷土の素材を大切にしながらも、その見た目や装いからはモダンさも感じます。「この深い青色は“出西ブルー”とも呼ばれる特徴的な色合いです。派手さはありませんが、サラダやパスタなど、どんな料理でも受け止めてくれて、使い勝手がいいですよ」と金牧さんもお気に入り。
「用の美」が誕生した80年前には少なかったであろう洋風の料理やカトラリーを添えても合わせることができ、現代の私たちの暮らしにもすっと溶け込んでくれます。
大量生産のものがありふれる現代だからこそ、民藝品を暮らしに取り入れて、自由な感性で今の時代の「用の美」を探し求めてみてはいかがでしょうか。
KURASIKU(クラシク)
【住所】福井県福井市羽水1-611 カーテンのカズマ内
【電話】0776-97-9066
【SNS】Instagram
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HERE & NOW
【住所】福井県福井市春山2-23-12
【電話】090-2837-3179
【時間】10:00~16:00
【休日】木・日曜、祝日(その他、不定休あり)
【駐車】4台
【HP】あり
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