【かずのすけの美容塾】
2021/12/10
Q:肌に合わなくなってきた? 基礎化粧品の切り替え時とは。
よく「年齢を重ねると、年齢に合わせて化粧品も変えていかなければならない」という意見を耳にします。これはなぜかと言うと、年齢を重ねるとお肌本来の保湿成分の産生量が低下し、これまでの長年の生活で蓄積された紫外線ダメージなどがシワやシミとして表層に現れてくるのには長いタイムラグがあり、30代前後から徐々に顕在化してくるからです。20代までは保湿力がそこまで高くなくても十分保湿できていたものが、30歳を超えて40代、50代と年齢を重ねると肌そのものの保湿成分が少なくなっているため、十分な保湿力と感じなくなってしまうというわけですね。そういう意味で、加齢に応じてより保湿力の高い化粧品に切り替えた方が良いというのは確かです。
加齢に応じて低下していくことが確実なものが「皮脂」と「セラミド」です。特に女性は、加齢に応じる皮脂の低下量が男性に比べてかなり多いことが分かっており、皮脂の代用となる油分の成分が豊富な化粧品が求められるようになります。エイジングケアの化粧品では油分が豊富なクリームが好まれるのはそのためです。また、セラミドも低下してしまうため、セラミドが配合された化粧品もおススメです。若い頃は皮脂量が豊富なので油分量が少ない化粧品の方が好まれるのですが、30歳前後を境に乾燥を感じる時は、油分量の多いクリームも取り入れると良いでしょう。
若いうちは皮脂量なども豊富なので、ある程度さっぱり洗える洗顔料やボディソープが適していますが、加齢に伴ってよりマイルドな洗浄力のものを用いたほうが適しています。これも洗浄後の乾燥を強く感じるようになったら見直すと良いでしょう。
ちなみに、エイジングケアというとシワ改善や美白ケアなどもよく取り上げられますね。ただシワ改善化粧品や美白化粧品などについては、僕は年齢問わず若いうちから極力取り入れていく方が良いと考えています。シワ改善化粧品は「シワ改善」とは言ってもシワの予防効果の方が主であり、できたシワを一気に治せるものではありません。「美白」も同じく、シミなどを予防する効果であって、シミを消すものではありません。10代20代のうちから取り入れて、シミやシワが発生することを予防しておくのが最も重要なスキンケアです。これについては年齢問わず、切り替え時などはありません。
以上、基礎化粧品の切り替え時についてですが、保湿化粧品に関しては、加齢に伴い油分量や保湿成分の多いものを徐々に取り入れていくことが大切です。一方シワ改善や美白ケアについては若いうちから積極的に取り入れていきましょう。
かずのすけ
美容化学者。横浜国立大学大学院修了。化学で美容を解説するブログが人気で月間500万PV、Twitterフォロワー16万人超。著書は『オトナ女子のための美肌図鑑』(ワニブックス)、最新刊『美肌成分事典』(主婦の友社)ほか9冊。坂井市丸岡町出身。本名:西 一総(かずさ)
Blog Twitter
日々URALAからのお知らせをLINEで受け取れます!