【かずのすけの美容塾】

教えて! かずのすけ先生! “甘いもの”は肌荒れする? 上手に選び、食べるコツ。

2022/02/10

Q:“甘いもの”は肌荒れする? 上手に選び、食べるコツ。

イラスト/サキザキ ナリ

甘いものと肌荒れの関係については、実は科学的には因果関係がはっきりしていません。世界中でさまざまな研究が行なわれてはいるものの、「関係がある」とする意見と「関係がない」とする意見がまばらに存在しており、専門家でもよく分かっていない謎のひとつなのです。ただ私の経験に基づくと、「甘いもの」=砂糖などの直接的に甘さに関与する「糖質」はあまり目に見える肌荒れには直結しないものの、甘いお菓子の多くに含まれている「トランス脂肪酸」という物質は肌荒れに関与している可能性が高いと考えています。

トランス脂肪酸とは加工された油脂類に微量に発生する自然界にはほとんど存在しない形の脂質で、世界中でのさまざまな研究の結果、日常的に摂取を続けると生活習慣病などのリスクを有意に上昇させることが明らかになっている物質です。我々の身の回りでは加工されたお菓子の多くに「ショートニング」や「マーガリン」「植物油脂」などの添加物として含まれています。特に日本ではコンビニやスーパーで売られている一般的なチョコレートやクッキーなどの甘いものや、その他のお菓子の原材料表示を見てみるとこれらの表示を目にしない方が稀という状況です(海外では規制されて使えない国もあります)。



実は僕自身がこれらを含むお菓子や食品を摂取するとニキビのような吹き出物が翌日には発生する体質なのです。かつては問題なく食べられていたのですが、過去に体調不良で病院にかかって以降このような体質になりました。トランス脂肪酸が肌荒れを引き起こすメカニズムは判然としていませんが、摂取したその日のうちに肌荒れすることもある即効性から恐らくこの特殊な構造の脂質を体内で代謝する際に消化器官に多く負荷がかかるからではないか?と私は考えています。

現在では必ず原材料を確認して「ショートニング」や「マーガリン」、「植物油脂」などを回避して食べるものを選んでいるのですが、このルールを守りさえすれば、甘いものを食べても肌荒れを起こすことはほとんどありません。原材料のチェックの際に注意したいのは「植物油脂」という表示で、一見体に良さそうな油脂の名称ですがこれはトランス脂肪酸を含む加工油脂などを一括して表記したものの可能性が高いです。お菓子に含まれる脂質は「オリーブ油」や「カカオ脂」など成分名をそのまま表記したものを選ぶと良いでしょう。チョコレートなども植物油脂やショートニングを含まない製品が最近では市販されているので、よくチェックして探してみましょう。



かずのすけ
美容化学者。横浜国立大学大学院修了。化学で美容を解説するブログが人気で月間500万PV、Twitterフォロワー16万人超。昨年12月、10作目となる最新刊『コスパ厳選!感動美肌ベストコスメ』(扶桑社ムック)を発売。坂井市丸岡町出身。本名:西 一総(かずさ)
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