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2022/03/29
福井は言わずもがな繊維産業が発達している街です。あまり知られていませんが、福井の技術は最高レベルなので、世界中の洋服やユニフォームなどにも携わっているんです。
そうした繊維の中でも、和装である「着物」という分野は、より歴史があって高度な技術でありながら効率的な服。でも、皆さんがまとうときといえば成人式や結婚式など、特別なときくらい。あまり日常使いがされないのが寂しくもあります。「着物の価値が下がっているのを感じます。何故高価なのか、蚕から糸を挽いて紡いでいく作業について知られていないことが多く、その世界を知ってほしい思いから映画を作ろうと決意しました」。
県内で演劇や映画に出演してきた、あまつりかさんは、同時に和裁の先生でもあります。自身の体験を重ね合わせたとき、映画製作という活動に行きつきました。これまでも作品を製作し、今回で3作目となります。「今感じたことを形にしなきゃ、という思いがあったんです」。かつて子育てが終わってから演劇の世界に戻ろうと思っていた矢先、尊敬する劇団員の方が急逝し、「やりたいと思ったことは今やらないといけない、後回しはできない」と感じたそうです。その頃にあわらで映画製作を行なっている「ハウンドプロジェクト」や、福井市で行なっている「ふくいムービーハッカソン」にも参画し、作品製作に着手します。
「脚本しか書いたことがなかったのですが、『ハウンドプロジェクト』や『福井映画クラブ』の方々との応援があって、1作目の『流』が完成しました。でもこのときは製作したというより学んだ、という思いの方が強かったですね」。2作目『だれ』の製作時も、ちょうどコロナ禍。来年のことを話していた人が亡くなるという経験もしたからこそ、今感じたものを撮ろうと行動しました。「そのときに強烈に感じたのが『プロとアマの違いとは何だろう』ということでした」。良く見せる手法、役者たちのモチベーション、さまざまなことが監督に押し寄せ、孤独感を抱いたときもあったそうです。「でも自分が言い出したことでもあるし撮らなきゃ、という思いが自分を突き動かしました」。
そして今回の3作目『時の道』。着物をモチーフにしたヒューマンドラマに仕立てています。さらに現場の世界観も含めた映像美を追求する作品にしていくそうです。そのクラウドファンドが先日見事クリア、ネクストゴールに向けて進んでいます。「きっと一人では出来なかったと思います。いろんな方が支えてくれているから前に進めるのだと思います」。今回のクラウドファンドではロケ地に関わる方の商品が返礼品となっています。映画と商品、二つの“繊維”で福井を感じてみてください。
福井発!人と着物と自然の織りなす
映画「時の道」制作プロジェクト
支援募集は4/16(土)23:00まで
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