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【気象予報士 二村千津子の風と雲】
2022/05/01
こんにちは。
気象予報士の二村千津子です。
皆さん、今年のサクラは楽しめましたか?
今年は開花してから、「花冷え」と言われるようなヒンヤリした日がなかったので、ぱーっと咲いてパーッと散った、そんな印象でした。でもその分、勢いも感じられたような気がします。
この4月、気温の変化が大変でした。
4月24日までの福井市の気温(最高・平均・最低)の変化をみてみると、4月のスタートは寒の戻りで内陸では雪が混じるほどの冷え込み。ところが、7日には最高気温が24.1度まで上がって春を通り越して初夏のような暑さに。その後はさらに季節を先取り、4月10日から12日までは3日連続で27度以上。過去のデータを振り返ってみたら、4月の中旬までに27度以上が3日も続いたことは、これまでありませんでした。このまま一気に季節が進むのかと思いきや、半ば過ぎには福井市朝の気温が3度台、内陸では0度近くまで気温が下がりました。
先月も少し触れましたが、4月は、確かに寒暖の変化が激しくなりやすい月ではあるものの、それにしても、体がついていくのが大変な気温変化でした。
このグラフの変化をみると、まるでジェットコースターのよう。私の周りの記者さんも夏日が続いて「なんか疲れません?」とつぶやいていました。皆さん、疲れなど出ていないですか?
疲れを引きずることなく5月を迎えたいところです。というのも、5月5日は二十四節気の立夏で、暦の上では夏がスタートします。一段と太陽が力強さを増してきます。
そして、最高気温が30度以上の真夏日が顔を出すようになります。毎年、いつごろから真夏日が観測されるようになるか、ご存じでしょうか。福井市と敦賀市の過去30年間の初真夏日を振り返ると、年によって、もちろんばらつきはありますが、福井市は平均すると5月28日、敦賀市は6月9日です。ただ、福井市は過去10年分を平均すると5月17日なので、年々、初真夏日が観測される日が早まっている印象です。
5月は急な暑さに注意が必要です。
そうなると、そろそろ気を付けたくなるのが熱中症です。”暑熱順化”という言葉を聞いたことはありますか?体を暑さに慣れさせる、という意味合いですが、暑くなり始めの頃は、この暑熱順化がきちんとできないために急な暑さで体調を崩す人が多くなりやすいのです。今月も先月のように、突然、ひと月もふた月も先の暑さがやってこないとは言い切れません。
今年はぜひ、積極的に暑さになれて、夏本番の暑さに備えましょう。具体的には何をしておくといいか。適度に汗をかくことに慣れることです。ウォーキングや入浴でもいいです。福井の方は車を使われる方が多いと思いますが、駅までを歩いてみるとか、できるだけ階段を使うとか、暑くなる前に汗ばむ程度、体を動かしてみましょう。
ただし、屋外で運動するときは万全の紫外線対策をお願いします。私は、休みの日には、汗をかくまで気の向くままに歩いたり、自転車をこいだりしていますが、最近のスタイルはこんな感じです(笑)
1か月予報によると、5月の気温は平年並みか平年よりも高い見通しです。まずは2週間ほど、せっせと体を動かしてみませんか?きちんと暑熱順化ができる頃には、体が軽くなったり、コリがほぐれたりという、うれしいおまけもついてくるかもしれません。5月は暑さを乗り切る体を作るチャンスです!
※回答の掲載時期は未定です。全てのご質問にお答えできるとは限りませんので、ご了承ください。
二村千津子(ふたむらちづこ)
福井市出身。気象予報士、防災士、健康気象アドバイザー。2008年7月から2009年9月まで、中京テレビ「おめざめワイド」「ズームイン!SUPER!!」お天気キャスター。2014年4月から2017年3月までテレビ朝日「モーニングバード」(現在は「羽鳥慎一モーニングショー」)にて「ふた天」を担当。同年4月からNHK福井放送局「ニュースザウルスふくい」に出演中。アメブロ
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