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【かずのすけの美容塾】
2022/05/10
Q:お肌の五月病に要注意! 不調の原因と対策は?
最近、5月付近に肌の調子が崩れると実感している人が増えているそうですね。いくつかのメディアではそれを“肌の五月病”と呼んで対策を呼びかけています。ちなみに、この「肌の五月病」には医学的な定義はなく、5月に肌荒れが悪化しやすいという十分な科学的エビデンスも、私が調査した限りでは存在しません。ただし、肌の五月病自体は最近注目されたばかりのものだということを考慮すると、多くの人が実感しているならば今後研究されて科学的に証明される可能性もあります。今回はこの事象が事実であると仮定して、5月に肌荒れしやすくなる要因について考えてみましょう。
まずひとつ大きな要因として考えられるのは、「急激な気候の変化」です。5月は肌寒さの残る春から、暑さを感じる夏のちょうど中間に位置するような季節です。人の身体は一定の環境に順応するとその状態を保つようにする性質があるため、このような急激な環境変化が起こると、その変化に順応するまでに体内ではさまざまなバランスの調整が行なわれます。変化が大きすぎるとそれに対応できず、内分泌系や交感神経などに影響を与えると考えられています。これが精神的な方向に影響すると、一般にいう「五月病」となるわけですが、体質によってはそれが「お肌」に影響する人が居ても不思議はありません。
「気圧変化」が肌に影響する点についても近年指摘されているのですが、5月は気圧の変動も大きい月として知られています。僕自身気圧変化による体調不良をよく実感しているのですが、それに伴って肌荒れしてしまうこともあります。またその他にも「花粉」の影響も考えられます。一般には花粉症は3~4月がピークとされていますが、花粉カレンダーをチェックすると、「イネ」の花粉は5月が最もピークです。3~4月が最も飛散量が多いスギやヒノキの花粉などもまだ残っており、年間を通した空気中の花粉量自体は5月も春に引けを取りません。
その他にも4月に新生活が始まり、生活のスタイルが大きく変わる人も多い時期です。そういったさまざまなストレスがお肌に影響してしまうことも考えられるでしょう。
以上、考えられる要因を挙げていくと、一般に言われている五月病の原因とほとんどがリンクしていくように感じました。肌はストレスや体調と非常に密接に関わっているので、それらのケアを怠らないことが間接的にお肌の調子も良くしていきます。もし一時的にこの季節にお肌が荒れてしまったとしても、それは一過性のものの可能性が高いので、無理にスキンケアを大きく変えることは推奨しません。あまり攻めたケアはせずに普段どおりのスキンケアを続けていれば、次第と治まっていくはずです。
かずのすけ
美容化学者。横浜国立大学大学院修了。化学で美容を解説するブログが人気で月間500万PV、Twitterフォロワー18万人超。著書は『コスパ厳選!感動美肌ベストコスメ』(扶桑社ムック)、『美肌成分事典』(主婦の友社)など全10冊。坂井市丸岡町出身。本名:西 一総(かずさ)
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2022/06/10
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