【7/2~8/28】アラスカで見つめた「いのち」、星野道夫の写真展│福井市美術館

2022/07/02

アラスカの自然や動物、現地で暮らす人々を写真と文章で記録してきた写真家・星野道夫さん(1952-1996)の写真展が7月2日(土)から福井市美術館で始まります。本展では、初めて足を踏み入れたアラスカから亡くなる直前まで撮影していたロシアのカムチャツカ半島まで、約150点の写真を紹介。数々の出会いを通じて思索を深めた写真家・星野さんの終わることのない旅の足跡をたどります。

春は生命の誕生の季節 タテゴトアザラシの親子 カナダ、セントローレンス湾(撮影:星野道夫)

一年中、雪に覆われているような景色をイメージするアラスカにも、足早に過ぎ去る春や夏、秋が存在します。春になり出産を終えたアザラシの親が子を慈しむように見つめる表情を捉えた作品や、短い夏を楽しんでいるかのように過ごすグリズリーの親子の姿。何とも言えない表情を見せるホッキョクグマなど、星野さんが見つめた「生命」の生き生きとした姿は没後25年を経た今も多くの人々を魅了し続けています。

グリズリーの親子 冬ごもりの巣穴で生まれた子グマが初めての夏を迎える(撮影:星野道夫)
アラスカの自然や現地の人々の暮らしを、写真を通して表現できないかと考えていた星野さん

学生の頃から北の自然に憧れていたという星野さん。動物写真家の助手を務めた後、アラスカ大学野生動物管理学部に入学し、厳しい自然の中で生きる野生動物の姿に惹かれ、自然写真家の道を歩み始めるとともに、北極圏の「自然と人との関わり」を追い続けました。

また、現地の人々や動物との出会いなどを通じて思索を深めていました。自然と密接に関わりながら生きてきたエスキモーや、極北のインディアンの古老たちの話にも耳を傾け、アラスカの狩猟民のルーツを求めて取材を重ねた星野さん。本展のテーマでもある「出会い」について、写真以外にもカメラや取材ノート、アラスカの地へと向かうきっかけとなった本や、愛読書などの貴重な資料も展示してします。

エスキモーの伝説には、多くの人格化されたホッキョクグマの話が出てくる カナダ、ハドソン湾(撮影:星野道夫)

カリブーやグリズリーなど、さまざまな動物たちの表情と四季の移り変わり、そして現地で暮らす人々や暮らしぶりなど、見る人の心打つ作品約150点が並ぶ今回の写真展。数々の出会いを通じて思索を深めた星野さんの「終わることのない旅」の足跡をたどります。

会場ではトートバッグやマグカップ、オリジナルポストカードやクリアファイルなども販売

関連イベントでは、7月3日(日)に絵本の読み聞かせ会「星野さんの絵本を読もう」を開催(定員20名、予約不要)。そのほか、星野道夫事務所代表の星野直子さんによる講演会や、担当学芸員による作品解説会、子供向けのワークショップなどが予定されています。(イベント詳細は下記インフォメーションに掲載)。

会場には、星野さんの写真のタペストリーと一緒に写真を撮れる撮影スポットも設置予定。グッズや写真集などを購入できるショップコーナーもあるので、星野さんの作品をより身近に楽しむことができそうです。

PROFILE
星野道夫/1952年千葉県市川市生まれ。19歳の時に海外の写真集に掲載されたエスキモーの村「シシュマレフ」の航空写真に強く魅せられ、住所も分からない村の村長宛に手紙を書く。半年後に届いた返事をきっかけにエスキモーの一家とひと夏を過ごす。大学卒業後、写真家田中光常氏の助手を経て、78年アラスカ大学野生動物管理学部に入学。以後、アラスカの野生動物や自然、人々の暮らしを取材しながら、時代とともに変わりゆくアラスカを写真と文章で記録し、多くの国内誌をはじめ「National Geographic」「Audubon」などに作品を発表。86年第3回アニマ賞、90年第15回木村伊兵衛写真賞を受賞。96年8月、テレビ番組取材同行中にロシア・カムチャツカ半島クリル湖にてヒグマの事故により急逝。
急逝後も著作の一部は英語のほか、韓国語、中国語にも翻訳され、海外でも広く読まれ、国内でも小・中・高等学校の教科書に作品が掲載され、次世代へと読み継がれている。

 写真展「星野道夫悠久の時を旅する」
【会場】福井市美術館[アートラボふくい](福井県福井市下馬3-1111)
【日程】2022/7/2(土)~8/28(日)
【時間】9:00~17:15(入館は16:45まで)
【料金】一般1000円、高校・大学生800円、中・小学生500円
【お問い合わせ】0776-33-2990
【駐車】あり
【HP】あり
【SNS】Instagram

関連イベント
記念講演会「悠久の時を旅する 星野道夫が見続けた風景をたどって」
【講師】星野直子氏(星野道夫事務所代表)
【日程】2022/8/6(土)
【時間】14:00~15:30(13:30開場)
【会場】3階講堂(定員40名・要申込・定員を超える場合は抽選)
【申し込み方法】7/2(土)にホームページよりお知らせ
※参加費無料、要本展観覧券(半券可)

絵本読み聞かせ会「星野さんの絵本を読もう」
星野道夫さんの絵本の読み聞かせを行います。市立みどり図書館から出前図書館もやってきます。
【日程】2022/7/3(日)
【時間】13:00~、14:30~(各回約30分)
【会場】3階講堂(定員20名・予約不要・先着順)
※参加費無料、要本展観覧券(半券可)
※出前図書館は16:00まで

作品解説会
展覧会担当学芸員が作品解説を行います。
【日程】2022/7/18(月)、2022/8/20(土)
【時間】14:00~(約30分)
【会場】3階講堂(定員40名・予約不要・先着順)
※参加費無料、要本展観覧券(半券可)

読書会「星野道夫を読む会」
お気に入りの星野道夫さんの本を持ち寄って、自由に感想を話し合う会です。
【日程】2022/7/30(土)
【時間】14:00~15:00(13:30開場)
【会場】3階講堂(定員20名・予約不要・先着順)
※参加費無料、要本展観覧券(半券可)

アトリエチャレンジ「動物のお面をつくろう」
【日程】2022/7/2(土)~8/28(日)
【時間】9:00~16:45
【会場】1階エントランスホール
【料金】100円
※本展観覧券をお持ちの方は1回に限り無料



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#おでかけ#アート#イベント#エンタメ#福井市内

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