【7/2~8/28】「玉田多紀展 呼吸するダンボール」。身近な素材を造形作品に。│金津創作の森美術館

2022/07/01

プラスチックのごみが浮かぶ海に顔を出すクジラの作品「his problems 2020」

造形作家・玉田多紀さんの作品展が『金津創作の森美術館』で7月2日から開催されます。玉田さんは、ダンボールという身近な素材を使いながら、迫力ある生き物たちの造形作品を作り上げています。今回は80点の作品を展示予定。ダンボールの強度や柔軟性を生かした独自の技法で表現される、生き物たちの造形美や特徴を捉えたユニークな立体作品に注目です。

体長3mの大型作品「Sea dragon 2016」。世の中の毒素を全て飲み込み、眠りについた伝説の海の守り神シードラゴンを作品化

身近なダンボールが木彫りや粘土のような不思議な質感の生き物に生まれ変わる面白さに魅了されているという玉田さん。最近では、10メートル前後にもなる大きさのクジラの周りにプラスチックのゴミが漂流して環境問題を表現した作品「クジラ」や、タイトルが「祈り」で新型コロナを退散する願いを込めた作品「アマビエ」など、絶滅危惧種や生態系の環境問題、現代社会の問題を生き物たちの視点から捉えた作品も発表しています。

作家の玉田さん。古紙ダンボールのみを使用して、生き物の立体作品を制作しています。©Taki Tamada

玉田さんは使用済みのダンボールをパルプにまで還元して、「新たな再生」というコンセプトのもと、魂を吹き込むように作品を制作しています。大まかな計画しか立てずに手探りで偶然から作り上げる造形法にこだわり、そこには「物事をシステム化することに対する警鐘と無意識に自分を拘束している常識や価値観から抜け出したい」という作者の想いが込められているそうです。

2011年から続くシリーズで動物のお尻をモチーフにした作品「go to the wall 2011」

躍動感あふれる生き物たちの姿に、子どもも大人も夢中になって楽しむことができそう。また関連イベントとして、初日の7月2日(土)と8月20日(土)には「玉田多紀のミュージアムクルーズ」(14:00~、展覧会観覧券が必要)が開催予定となっています。詳しくは『金津創作の森美術館』のHPやSNSで確認してくださいね。

造形作家・玉田多紀
たまだたき/1983年兵庫県生まれ。2007年多摩美術大学造形表現学部造形学科卒。古紙ダンボールのみを使用し、生き物の造形美や性質をユニークに捉えた立体作品を制作。国内外の展覧会、ウィンドウディスプレイ、TVメディアやワークショップでも精力的に活動。ダンボールの強度と柔軟性を生かした独自の技法を美術教育の現場でも広めている。HP Instagram

玉田多紀展 呼吸するダンボール
【会場】金津創作の森美術館 アートコア(福井県あわら市宮谷57-2-19)
【電話】0776-73-7800
【時間】9:00~17:00 ※企画展は10:00~(最終入場16:30)
【休日】月曜(祝日の場合は開館、翌平日休) ※8月15日(月)は開館
【料金】一般800円、中・高校生600円、小学生400円 ※未就学児無料
【HP】あり
【SNS】Facebook Instagram Twitter



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#あわら#アート#イベント

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