2022/07/15
昨年リリースした、デビュー20周年記念シングル『プラハの橋』が、第63回日本レコード大賞にて日本作曲家協会選奨を受賞した竹島 宏さん。
6月15日にリリースした27枚目となるシングル『一枚の切符』は『プラハの橋』と同じく、作詞に山田ひろし氏、作曲に幸 耕平氏、編曲に坂本昌之氏を迎えた大人のラブソング。
――『一枚の切符』は『プラハの橋』を手がけられた先生方による作品になりますね。
実は『プラハの橋』から、竹島 宏のサウンドプロデュースを作曲家の幸 耕平先生が担当してくださっています。先生の中で「竹島にヨーロッパを舞台にした大人の物語…“ドラマティック歌謡曲”を3部作で歌わせよう」というお考えがあったようなんです。その流れもあり、今作にも同じ先生方が参加してくださいました。具体的な地名は出ていませんが、歌詞にフランス・パリの名所である「マロニエ並木」も登場し、ヨーロッパの香りを感じられる作品になっています。
――新曲を聴いたファンのコメントに、『一枚の切符』と『プラハの橋』はつながった歌なのでは?という感想が多く書かれていましたが。
みなさんの想像通りです。設定としては『プラハの橋』の前の物語になります。パリから電車に乗り、プラハに辿り着く…という。『プラハの橋』をリリースした時には、『一枚の切符』はまだ生まれていなかったのですが、作詞家の山田先生が「『プラハの橋』につながるような物語を書きましょう」とおっしゃってくださり、登場する主人公は同じです。ただ、次回作も同じ主人公たちの物語になるのかというと、それは山田先生が書いてみないとわからないという(笑)。
――発売日に行なわれたYouTubeのライブ配信で、山田先生にわがままを言って歌詞を書き換えていただいたとお話されていましたね。
『一枚の切符』はメロディ先行の作品で、「『プラハの橋』に関連のある作品にしてほしい」ということだけ、幸先生が山田先生にお伝えしていたようです。仕上がってきた歌詞を拝見して、僕が個人的に「ちょっとなにかが違う」と感じ、無理を承知で歌詞の書き換えをお願いしました。
――すでに完成している歌詞を、書き直していただくって、とても勇気がいると思うのですが。
「もうちょっと違う切り口から書いていただきたいんです」と、わがままを言わせていただきました。実は1~2日で書き上げていただかないと発売が延期になってしまう。そういうギリギリの状況だったので、よくぞこの完成品を届けてくださったなと、本当にありがとうございますという気持ちでいっぱいでした。レコーディングで山田先生にお会いした時には、恐縮しっぱなしだったんですが、ところが先生は「あ、なんか楽しかったね」って。それは先生なりの気を使ったパフォーマンスだったのかもしれませんね。
――今回、他に候補曲はあったのでしょうか?
他の候補曲はなかったですね。最初から「この曲でいく」という、そういうスタンスでした。ただ実は『一枚の切符』という作品は先ほどもお話させていただきましたがメロディ先行の曲で、当初はリード曲(A面)ではなかったんです。カップリング用に幸先生がお作りになった作品を聴いたレコード会社のディレクターが、「このメロディは売れ専のメロディになると思うので、先生ちょっと僕に預からせてください」と。幸先生の中ではもうちょっと違うメロディを竹島に歌わせたかったみたいなんですが、ただ今作からレコード会社の担当ディレクターが変わり、彼が熱心にカップリング用に書いた作品を勧めてくるので、その熱意に押されるかたちで、幸先生が「そこまで言うなら」とメロディを少し変えたのが『一枚の切符』です。
――担当ディレクターが変わるといのは、アーティストにとってとても重要なことですよね。
そうですね。言ってみれば船頭が変わるわけなので、舵取りひとつで船の行き先がまったく変わります。沈むのか、目的地にたどり着くのか…。ディレクター次第といっても過言ではないくらい、すごく大きな存在ですし、とても頼りにしています。極端なことをいうと親が変わったというか。過去に先輩方がヒット曲を出したタイミングでも、そういうことがおありだったと思います。さまざまな変化の中での作品作りでもあったので、今回チームが新しくなったことは僕にとって、非常に大きな出来事でしたね。
――7月24日でデビュー21年目に入りますが、そう意味で言うと、良い転機になったのかもしれませんね。
そうですね。去年、デビュー20周年記念シングルとして『プラハの橋』をリリースして、思いがけずレコード大賞のステージで歌わせていただくなど、すごくいい状況をまわりの人たちに作っていただきました。『プラハの橋』をきっかけに大きく飛躍していかなきゃいけないというタイミングで、『一枚の切符』で新しい風を僕の中に入れてくださり、すごくキーとなる作品だと思っています。
――Aタイプのカップリング『こころ花』についてお聞かせください。
僕の中で『一枚の切符』は勝負曲で、『こころ花』は自分の気持ちを素直にのせることができる、人間竹島 宏に近い状態で歌うことができる作品だと思っています。コロナ禍でまだ直接お会いできないファンの方もいらっしゃって、それでも竹島 宏の歌を待ち続けていてくださっている。そういう現実を知って、待ってくださっているみなさんに向けて、気持ちを込めて歌を歌っていきたい。静かな決意表明的な歌になりました。
――なぜそう思われたのでしょうか?
正直に言いますと、『一枚の切符』を発売する1カ月くらい前から、ものすごく不安な気持ちに襲われていたんです。これはなんて言っていいのかわからないんですが、とにかく結果を出さなきゃいけない、前を向いて生きていかなきゃいけない、でも世界情勢はなかなか落ち着ける状況じゃない、そしてコロナ禍が少しずつ明けたといっても、前のように十分な状況ではない。これから先、自分の人生もどうなっていくのかも分からないというようなことを、一気に抱え込んでしまって。そういう悩みを抱えながらも新曲発売に向けて、幸先生にレッスンをしていただいたり、新曲のプロモーション活動をさせていただいたりするなかで、先生やスタッフのみなさん、ファンのみなさんの空気を感じながら過ごさせていただいているうちに、「とにかく歌わないことには前に進まない、勇気をもって一歩踏み出そう」そんな気持ちになれました。この経験は無駄ではなかったと今は思っています。
――Bタイプのカップリング『また会える』はアップテンポなナンバーに仕上がっていますね。
この曲は先にメロディが完成していまして、この夏もいくつかコンサートを控えていることもあり、またこれもわがままというか、エンディングで歌う曲だとしたら「“また会いましょう”みたいな歌がいいかな」という感じで、山田先生に歌詞を書いていただきました。編曲をしてくださった坂本昌之さんには「今までの竹島 宏にはなかったタイプの派手な感じで作ってください」とお願いしたところ、アップテンポなナンバーが仕上がってきました。理想としては声が出せる状況になったときに、お客様と一緒にアカペラで合唱ができたらというのが僕の夢ですね。特に「また会える」というフレーズを(笑)。いつかそういう風になるといいなと思っています。
――7月31日には「ハーモニーホールふくい」でコンサートが開催されます。福井でのコンサートには、毎回、県外からも多くのファンがいらっしゃるようですね。
故郷でのコンサートだからと心がけていることはあまりなくて、時々福井弁を入れることくらいですかね(笑)。基本的にどの会場も同じスタンスでやっているんですけど…。ただ、やっぱりなんでしょう、故郷のお客様の顔を見ると、自然に僕が歌手・竹島 宏というよりも、福井県人・竹島 宏になっちゃうときが結構あります。多分その微妙な表情や歌の変化を、ずっと僕のライブを観てくださっている方は敏感に察知してくださって、そこを感じ取ってくださるから「福井での宏は特別だ」っておっしゃってくださるんだと思うんです。
――1年前の状況と比べるとコンサートの本数も増え、ファンの方との触れ合いも多くなったと思うのですが。
まだ、いろんなことを慎重に考えながら行動しているお客様はいっぱいいらっしゃいます。とあるファンの方は「宏の魔法がとけないうちに、早くコロナが収束して、ライブにみんなが行けるようになってくれないと困る」と…。要はこのまま離れたままだと、それが当たり前になってしまい、みんながコンサートに来なくなってしまうと心配してくださっていて…。あ、なるほど上手い事言ってくださるな~って思いましたね(笑)。多分ファンの方としては20周年迎えて、さらに頑張っていかないといけない時に、今でこそファンの力が多分竹島宏は必要だろうだから、そいう時にみんなで応援するっている体制を整えてやりたいって。ライブの動員数やCDの売り上げは大丈夫かとか、有線は何位になってるとか、僕以上に敏感にみなさんが情報を収集して、なんか見張ってくれているというか、巡回してくれているんですよね竹島 宏の状況を。本当に改めてファンのみなさんが、コロナ中もずっと僕のことを思って、なんかしてあげないとって思ってくださったんだろなと。特に最近ひしひしと感じます。ファンのみなさんの応援に応えられるよう、これからもしっかり歌い続けていきたいと思います。
PROFILE
竹島 宏(たけしま・ひろし)/1978年8月28日生まれ、福井市出身。作詞家の久仁京介に師事。2002年7月24日、シングル『いいもんだ いいもんだ』でデビュー。2021年8月25日にリリースしたデビュー20周年を記念した26枚目のシングル『プラハの橋』が、第63回日本レコード大賞にて日本作曲家協会選奨を受賞。大きな話題を呼び、『プラハの橋』が縁となり、チェコ親善アンバサダー2022に就任。Official Hp Twitter Instagram youtube
竹島 宏 コンサート La~La~La ♪
【日程】2022/7/31(日)
【時間】①開場12:30、開演13:00 ②開場15:30、開演16:00
【会場】ハーモニーホールふくい 大ホール
【料金】全席指定/S席6500円、2階A席5000円 ※当日はプラス500円
【お問い合わせ】株式会社オフィスK(03-6416-8867)
【チケット販売サイト】イープラス
【プレイガイド】ショッピングシティ・ベル / アルプラザ・鯖江 / アルプラザ・アミ
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