【福井ラーメン探検隊】

『麺屋桔梗』の「豚骨和風出汁」。｜福井のラーメン調査・第48杯

2022/08/27

今回訪れたのは国道8号線・鯖江駅東口を西側に少し入ったところにあるラーメン店『麺屋桔梗』。

今月窪田ビルの1階に店を構え、看板や引き戸の外観からは昔ながらの老舗を彷彿させるが、それとは裏腹に内装はコンクリート打ちっぱなしでカジュアルな雰囲気。女性ひとりでも訪れるお客さんも多いという。

湯気が立ち上がる厨房には店主のみ。調理・トッピング・提供までをすべてひとりでこなす、いわゆる“ワンオペ営業”で味のためにあえてゆっくり丁寧に作るのもこだわりのひとつなのだとか。

雑味や苦みがなし！魚介の旨みと豚骨のコクが見事に調和

今回味わったラーメンは「豚骨和風出汁」。豚骨の深いコクと魚介系ダシの醸す旨みが見事に調和した一杯だ。
パンチの強い動物系（豚骨）を魚介ダシに合わせると完全に動物系の味が勝ってしまう。上手く調和ために魚介ダシの味を強くすると魚介の雑味や蘞味（えぐみ）、苦味が出るのでバランスを取るのはかなり難しいそうだ。

ダシには煮干しのほかにも昆布や鰹、椎茸などが使われているが、苦味などは一切感じさせず魚介の良いところのみを抽出。カエシは2種類の醤油をブレンドしたオリジナル。醤油と隠し味のフライドオニオンの香りがたち、風味も抜群だ。麺は『豚骨和風出汁』に合わせて細麺を使用する。

厚さ約1cmもある肉肉しいチャーシューは、外側がこんがりと焼かれており、実に香ばしく、中はトロトロでジューシー。口の中で肉汁の旨みとともに、とろけるように柔らかい。
魚介の旨みを前面に押し出しつつ、豚骨パンチを効かせた見事なダブルスープが腹を悦ばせる。気が付けばスープを飲み干して、完全に“まくってしまう”ことは不可避だろう。

斬新なグリーカレーラーメンやエスニックなラーメンも人気

今回味わった『豚骨和風出汁』は創業当時から販売していたストロングスタイルのラーメンだが、『桔梗』では斬新な「グリーンカレーラーメン」、八角やシナモン、カルダモンなどの独自のスパイスが効いたエスニック風「担々麺」などの一風変わったラーメンも好評だ。オリジナリティを加えつつ味わいにもこだわり抜いた一杯をぜひ。