2022/09/01
学生で起業、なんて言葉も今や普通になったこれからの時代を作っていく、Z世代の福井の学生はどんな風に福井が見えているのでしょう。リレー形式で紹介する「学生の肖像」。
2001年滋賀県彦根市生まれ 福井大学工学部機械システム工学科3年 HOMEYメンバー
大人と会話する小学生
北村さんは彦根市で代々整骨院を営む一家に生まれます。自営業を営んでいるからか、家庭のルールは「ごはんは家族全員で食べる」。つまり、両親との会話をよくしていた家庭に育ったことで、親世代に流行したモノ、コトを良く知るようになります。「家ではテレビで野球が流れていましたから、必然的に野球の話もできるようになっていったんです」。親世代の流行の歌、マンガなどは、同世代と話をしても成立しません。必然的に友達の親との会話が生まれてきます。「今の時代の歌ももちろん聞きますが、当時流行った歌というか、親が聞いていた歌にも興味があったんです。長渕剛とか安全地帯とか。それにマンガも『キン肉マン』や『聖闘士星矢』とかも好きで、それがわかるのって親世代じゃないですか(笑)」。
プログラミングも“ものづくり”
それに加えて絵を描いたり粘土で作ったりと、“ものづくり”への興味が湧いてきます。その一つが建築でした。「確かギネスブックだったと思うんですが、そこに巨大な建築物が載っていて。人間がこんな巨大なものを作ることができるんだ、と、そのダイナミックさに憧れました」。父親からは「継がなくてもいい、好きなことをすればいい」と言われ、建築系の大学を受験するも不合格。滑り止めで受けた福井大学工学部に進学します。「建築ではないですが、ロボット工学やAIなど、PC一つでプログラミングできる世界が、“ものづくり”の精神と似ていて興味を持っていきました」。そこで友人から誘われて始めたプログラミングのアルバイト。ただ、「自分でスタートさせた方がより多く稼げるのではないか、と思うようになって、友人と一緒に会社を立ち上げたんです」。入学した時点で既にリモート授業、人に出会う機会もない、時間は有り余るほどある。「こういう環境だったから、何か始めないと、この時間がもったいなく感じる、と思ったんです。人と同じことをしても面白くないですし、やるならとことんやろう、と」。
人を受け入れ、つながる街
そうして生まれた会社『HOMEY』は、“仲間”、“家庭的”という意味を持っています。それはクライアントにとっても温かい場所でありたいとの思いから付けられました。「大企業は“早く、安く”ですけど、量より質を重視したくて、お客様にはじっくりと会話をして聞き取る方法を取っています。もちろんスピード感は出しながら」。今は学生と企業のマッチング事業も考えているとか。学生の視点だからできる採用ビジネスも楽しみです。
第一志望ではなかった福井でしたが、住むようになってすぐに「面白い」と感じるようになったそうです。「とにかくざわざわしていないから住みやすいんです。人と会うと誰かが誰かをつないでくれるし、その輪の作られ方がとても早いんです。相手も自分を信頼して紹介してくれますし、その分自分たちが活躍できる場を作ってくれるというか。あと、いろんな意見があっても受け入れてくれる、という環境が素晴らしいと思います。大学生だから、というのではなく、一人の人間として扱ってくれる環境が、福井にはあると思います。それに行政も応援してくれる補助金の枠もありますし、それは地元ではあまり聞かなかったです。起業しやすい環境なんだと思います」。
HOMEY
【HP】あり
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