2022年9月30日、福井駅前の電車通りに豚生ホルモンの専門店『炭と肉。』がオープンしました。オーナーの山本亜矢さんは神奈川県厚木市在住で、飲食店やエステサロン、建設会社など、複数の会社を経営する女性実業家です。福井には縁もゆかりもなかった山本さんがなぜ福井に店を出したのか、その背景にあるストーリーをうかがいました。

山本さんは大のカニ好きで、約8年前から越前がにのシーズン中は、ほぼ月イチで福井に足を運んでいたそう。最初の頃は「福井は越前がにを食べに行くだけの場所だった」という山本さんでしたが、知人から紹介された居酒屋が気に入り、福井に通う目的に好きな店や人が加わるようになりました。居酒屋を拠点に福井の友人が増えていき、福井市が主催する「福井のPin!」ワークショップに参加したことで、まちづくりに取り組む人たちとのつながりも生まれました。
「福井の人って最初は素っ気ないけれど、一度認知されたら10年前から知っているみたいに人懐っこくなるんですよね」。そんな福井人のギャップのある気質に惹かれ、福井がどんどん好きになっていった山本さん。いろいろな人と話をするなかで、福井の人が問いかけた「なんでそんなに福井に来るの?」という言葉にはっとして、自分と福井を結ぶ「理由」を作ろうと思い立ちました。
そこで着目したのが、山本さんの地元・厚木市のソウルフードであるホルモンです。厚木といえばB級グルメの定番「シロコロホルモン」の本場。福井で味わえるところがなく、福井の友人へのお土産で一番喜ばれたものだったことから、ホルモン専門店の出店を決意しました。
「福井では豚の生ホルモンは珍しいので、新鮮なホルモンならではの美味しさを気軽に楽しめる場所があったらいいんじゃないかと思って。厚木のホルモンを広めたいというよりも、福井にないものを提供して、みんなに喜んでほしいという気持ちが出発点でしたね」。
『炭と肉。』で提供しているのは、本場・厚木の卸会社から直接仕入れている、鮮度抜群の上質なホルモン。自信があるからこそ下味を一切つけず、素材そのままの味を炭火焼きで楽しむスタイルです。
「福井の人は美味しいものをいっぱい知っているから、安さのために質を下げることはしたくありませんでした。福井の人が好きで敬意を払っているからこそ、鮮度も質も本当にいいものにこだわって仕入れています」。
『炭と肉。』のホルモンは全18種類あり、焼くとプリッと丸く膨れ上がる「シロコロ」をはじめとした定番から、ぷりぷり系、お肉系、コリコリ系と、部位ごとに異なる風味や食感をいろいろ楽しめるのが魅力。すべてのホルモンを食べ比べできる「全種盛り」もあり、現地でしか食べられない味を福井にいながら堪能することができます。
さらに、福井で出会った美味しい地元食材も積極的にメニューに取り入れて発信。池田町にある長尾農園のコシヒカリや谷口屋の油揚げ、麻王伝兵衛の野菜、小西農園の白ネギ「べっぴんねぶか」などを使ったサイドメニューがホルモンと一緒に味わえます。
美味しく食べるコツは、鮮度がいいので火を通し過ぎないことと、一度に網に乗せず、おしゃべりを楽しみながら必要な分だけを焼くことだそう。「福井の人を喜ばせたい」という想いから生まれた豚生ホルモンの専門店。今までに味わったことのないホルモンを食べたくなったら、ぜひこちらに足を運んでみてください。
炭と肉。(すみとにく)
【住所】福井県福井市中央1-9-24 2F
【電話】0776-97-8062
【時間】17:00~深夜2:00(深夜1:00LO) ※土・日曜は11:30~15:00(14:00LO)、17:00~深夜2:00(深夜1:00LO)
【休日】年末年始 ※年始は1/6から営業
【席数】30席
【駐車】なし
【HP】あり
【SNS】Instagram
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