【気象予報士 二村千津子の風と雲】

3月は音で春を感じます。雪どけ、鳥のさえずり、そして「ハクション」|気象予報士 二村千津子の風と雲

2023/03/01

こんにちは。
気象予報士のふたむらです。3月です。

新年度に向けてあわただしくなる時期ですね。暦の上では2月4日の立春から春になりますが、気象の世界では3月から5月が春になります。
そして3月は“音の春”と言われます。春は3つの段階で進むといわれていて、2月が“光の春”、3月が“音の春”、そして4月が“気温の春”です。

3月が音の春と言われるのは、雪解けが進み、ぽたぽたと屋根から雪解け水が落ちる音や、川の音がより聞こえるようになることや、鳥のさえずりがにぎやかになるのもこの頃です。
現在は、福井地方気象台での観測は行われていませんが、2020年までは「ひばり」と「うぐいす」の「初鳴日」が発表されていました。平年はウグイスが3月17日、ひばりが3月19日です。ウグイスの「ホーホケキョ」。鳴き始めはちょっとたどたどしい鳥もいてほんわかした気持ちになります。鳥は声がしてもその姿を見つけるのはなかなか難しいですが、耳で春を感じる楽しみ方の一つかもしれません。

2月21日に発表の3か月予報によると、3月からの3か月は気温は平年並みか平年より高くなる見込みで、いつもの年より暖かい春になりそうです。3月は一気にスギ花粉がピークになりそうです。今シーズンのスギ花粉は昨シーズンと同じくらい飛ぶと予測している気象会社もあります。去年、つらい思いをされた方は、ピークの今月、そして来月にかけて何とか乗り切っていきましょう。

先日、番組でご紹介した「インナーマスク」が視聴者の方から「参考になった」というお声をいただいたので、こちらでもご紹介します。環境省でも推奨されているもので、ガーゼ、コットン、不織布のマスクで簡単に作ることができます。

①10センチ四方のガーゼを2枚準備します。

②コットンをくるくる丸めて、1枚のガーゼでくるくる巻きます
これがインナーマスクになります。

③もう1枚のガーゼを4つ折りにしてマスクの真ん中にあてます

④インナーマスクを鼻の下に置きます。
コツは、上唇と鼻で挟むような感じです。実践した方がわかりやすいかと思って、勇気をふり絞って写真を載せました(笑)

⑤最後に顔にフィットするようにマスクをつけます。

もし、とっても息苦しいという場合は、コットンの厚みを半分にしてみてください。はじめは違和感があるかもしれませんが、慣れてくると、ほどよく鼻にフィットするようにセットすることができます。毎日でなくても、花粉の飛ぶ量が非常に多いと予想される日だけでもトライしてみてください。

花粉症は、突然発症するとも言われますし、最近は若い人たちも増えていると聞きます。
体の中に花粉を入れないことが一番の対策です。
①マスクや眼鏡、帽子などで髪や皮膚に花粉がつかないようにする。
②花粉がつきにくい素材の上着を選ぶ(ウール素材は綿素材の約10倍くっつきやすいというデータも)
③外出先から帰った時は上着や帽子などについた花粉を払い落とす(私は、小さいコロコロの粘着テープで払います)
④うがい、手洗い、顔を洗う(しっかり洗わないと逆に体内に入るので注意)

日々の花粉情報も参考に、少しでも症状がひどくならないように対策をしましょう。3月は花粉で外に出歩くのがブルーになる日があるものの、厚手のコートからスプリングコートに変わり、サクラのつぼみも日に日に大きくなって、胸ふくらむ季節でもあります。そんな春の兆しについて質問をいただきました。

東京都の世田谷区 りんりん 45〜54歳 男性

“二村さん、こんにちは。福井生まれ東京暮らしですが、NHK福井のホームページはよく見ています。もうすぐニュースザウルスの見逃し配信も始まるようで、そうなったら毎日見ようと思います。さて、寒い日が続くとそのぶん春が待ち遠しくなります。で、冬と春の境い目って何だろうってふと思いました。梅が咲いた時とか、空気が変わったとか、いろいろあると思いますが、二村さんは何を感じて「今日から春だ!」と分かりますか?予報士さんは雲や太陽が違ってみえるのかな?教えてください。では。”

ありがとうございます!
冬と春の境目。じっくり考えてみるとなかなか難しい質問です。季節は行きつ戻りつして、本番を迎えます。「きょうから春だ」という瞬間を決めるのは困難ですが、「春みっけ!」という、春が顔を出し始めたな~と感じることはあります。まずは植物。私の場合は「ふきのとう」と「つくし」です。

毎年チェックするポイントがあるのですが、まだまだ空気が冷たくても大地では春への準備が着々と進んでいるんだなと感じます。そして、福井城址のお堀に「カメ」の姿を見かけるようになると「おっ、春っぽくなってきたな」と感じます。
予報士目線でいうと、やはり風でしょうか。冬の間は北西の風が主役ですが、北西の風がだんだん続かなくなり、時々南風が吹いて、「あ、なんか、きょう寒くない」と思える日が増えてきます。立春以降に、その南風がはじめて強まった時に「春一番」の発表があります。この南風が幅を利かせるようになると、季節が進んできたな~と実感します。
ズバッとお答えできずにすみません。これを機に「きょうから春だ」宣言、自分なりに考えてみようかな。
例えば、最高気温が15度以上の日が3日続いた、その初日、とかかな。おもしろい質問、ありがとうございました。りんりんさんのように福井を離れて暮らしている方にも福井の季節感を味わっていただけるようなお話を今後も発信できたらなと思います。

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※回答の掲載時期は未定です。全てのご質問にお答えできるとは限りませんので、ご了承ください。


二村千津子(ふたむらちづこ)
福井市出身。気象予報士、防災士、健康気象アドバイザー。2008年7月から2009年9月まで、中京テレビ「おめざめワイド」「ズームイン!SUPER!!」お天気キャスター。2014年4月から2017年3月までテレビ朝日「モーニングバード」(現在は「羽鳥慎一モーニングショー」)にて「ふた天」を担当。同年4月からNHK福井放送局「ニュースザウルスふくい」に出演中。アメブロ



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