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【気象予報士 二村千津子の風と雲】
2023/06/01
こんにちは。
気象予報士の二村です。
もう6月。。
2023年が半分終わる??信じられません。
毎日、何かに追われて、余裕なく過ごしていると、1年があっという間に終わってしまいますね。新年度がスタートして2カ月が過ぎて、疲れが出るのもこの時期です。
読者の方からも少し前に「五月病」についての質問が届きました。
鯖江市のニックネーム「つじこ」さんより
5月が近づき早めの五月病か体がだるくやる気がでません。気候の問題もあるかと思うのですが、この季節に身体がだるくなる原因や解消法などあれば教えてほしいです。
五月病は気候的なことが原因というよりは、環境や人間関係の変化が原因になることが大きいようで、正式な病名ではありません。
つじこさんが、この春から環境や関わる人たちに変化があり、すごくストレスを感じたり、何かをするのがおっくうになったり…という状況がもし続いているなら、きちんと専門の先生に相談をされたりした方がいいかもしれません。
一方で、春先の3月から5月は気候的にも体に負担がかかる時期とも言えるんです。それによって体に不調が現れることがあります。最近では「気象病」という言葉も浸透してきました。
2000年以降の福井市の最高気温を振り返り、前日よりも気温が10度以上高くなったり、低くなったりした日を調べてみたら、45回ありました。そのうちの3月と5月が12回、4月が11回。つまり、45回のうち、35回が3~5月に現れていて、2月、9月、11月、12月がそれぞれ2回、6月と10月がそれぞれ1回、1月と7月、8月は0回でした。
朝と昼間の気温差が大きいことが春の天気の特徴に挙げられますが、日ごとの気温差が大きくなりやすいのも春の天気の特徴です。この急激な気温変化が原因で、自律神経が乱れて体のバランスを崩し、不調を感じるようになります。
去年の7月のコラムで「気象病」について少し触れているので、よかったら参考にしてください。気象病かな…と感じたら、気温や気圧の変化が大きくなりそうな予報の時には、しっかりと睡眠をとったり、ゆっくりとお風呂に入ったり、など、頑張り過ぎずにリラックスを心掛けてみてください。
そして、6月は雨の季節を迎えます。
5月23日発表の3か月予報によると、
6月の前半の天気は周期変化、後半は平年と同様に曇りや雨の日が多い予想。
7月は平年と同様に曇りや雨の日が多い見込み。
8月は平年と同様に晴れの日が多い予想とあります。
これでいくと、梅雨入りも梅雨明けも平年と大きく変わらない予想となるので、6月中頃までには(平年は6月11日ごろ)梅雨入りして、7月下旬に梅雨明け(平年は7月23日ごろ)となりそうです。
降水量も少ない・平年並・多いの確率に大きな偏りがなく、ほぼ平年並みの見通しです。
去年の梅雨は6月の終わりに、いったん記録的に早い梅雨明けの発表があったものの、8月に豪雨に見舞われ、そのご8月下旬まで雨が降りやすい天気が続いたため、秋の見直しで梅雨明けは「特定せず」と修正されました。ことし、気になるのが、気温の傾向です。
6月は、ほぼ平年並み、7月、8月は平年並みか高い確率がそれぞれ40%。平年並み以上の暑さになる可能性が高いので、それだけ暖かい空気が流れ込みやすいパターンになると、雨雲が発達するきっかけにもなりかねません。ことしも暑さと大雨にはしっかりと向き合っていきましょう。
体調面の影響で考えると、最近は「六月病」という言葉や「梅雨だる」なんていう言葉もよく聞くようになりました。
六月病は五月病と同様、正式な病名ではありませんが、五月病と同じような症状です。そして「梅雨だる」は気象病の一つともいえる症状で、居座る低気圧や日照時間の減少、高い湿度によって現れる体の不調です。
大切なのは自律神経を整えること。簡単そうで難しいかもしれませんが、朝起きたら、曇りや雨の日でもまずはカーテンを開けて太陽の光を浴びる。ストレッチするのも効果的と言われます。雨の季節はおよそ1か月半あります。不調を感じる前に、また「あれ不調かな」と感じた時は早めに、できる対策をして、少しでも快適に過ごしたいですね。
※回答の掲載時期は未定です。全てのご質問にお答えできるとは限りませんので、ご了承ください。
二村千津子(ふたむらちづこ)
福井市出身。気象予報士、防災士、健康気象アドバイザー。2008年7月から2009年9月まで、中京テレビ「おめざめワイド」「ズームイン!SUPER!!」お天気キャスター。2014年4月から2017年3月までテレビ朝日「モーニングバード」(現在は「羽鳥慎一モーニングショー」)にて「ふた天」を担当。同年4月からNHK福井放送局「ニュースザウルスふくい」に出演中。アメブロ
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