伝統工芸から芸術へ。越前和紙の“壮大な実験”が始まる。『漫画正倉院』展|越前和紙の里 紙の文化博物館

2023/06/09

墨を使って直筆の漫画が描かれた越前和紙。ちばてつやさんの「あしたのジョー」(原作:高森朝雄)をはじめ、アニメ「機動戦士ガンダム」のキャラクターデザインで知られる安彦良和さんや、代表作「JIN―仁―」の村上もとかさん、「テルマエ・ロマエ」のヤマザキマリさんらの貴重な作品を展示した『漫画正倉院』展が「越前和紙の里 紙の文化博物館」で開催されています。6月26日(月)まで。

「『和紙と漫画』の文化と保存を考える会」が開催。「(代表作である)『あしたのジョー』のラストシーンの原画が劣化していて心を痛めている」と、漫画家ちばてつやさんから相談をもちかけられたことをきっかけに実現した本展。越前和紙を用いた漫画原画の保存について考える中、奈良の正倉院に約1300年前の越前和紙の古文書が今なお残っていることから、越前和紙の高級品とされる雁皮紙の耐久性に着目し、作品制作を依頼することになった。



雁皮紙は、きめ細やかでやわらかな光沢があり、虫害に強く優れた耐久性を誇ります。この雁皮紙を使って、「越前和紙×墨」で漫画家の巨匠たちがオリジナル作品を書き下ろしました。日本が誇る2つの文化を1000年先の未来に残していく試みとして、また、伝統工芸品から美術作品へと新たな価値を生み出す壮大な実験の始まりとして、本展とともに今後の展開についても注目を集めています。

会場には、貴重な原画とともに最新技術の高精細デジタル印刷した複製原画が並んで展示されています。また、劣化状態も再現された「あしたのジョー」のラストシーンの複製原画やカラー作品もあり、見ごたえがあります。

和紙でつなぐ 時を超えた想い『漫画正倉院』展
【会場】越前和紙の里 紙の文化博物館(福井県越前市新在家町11-12)
【日程】4/29(土)~6/26(月)
【時間】9:30~17:00(入館は16:30まで)
【休日】火曜
【料金】300円、高校生以下無料
【問い合わせ】0778-42-0016






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#アート#丹南

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