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2023/10/18
学生で起業、なんて言葉も今や普通になったこれからの時代を作っていく、Z世代の福井の学生はどんな風に福井が見えているのでしょう。リレー形式で紹介する「学生の肖像」。
若原きなり 2002年鯖江市生まれ。藤島高校卒。福井大学医学部3年生。
みんなで、全力で、
彼女は福井大学医学部学生。彼女の両親もまた福井大学医学部卒業生。二人が学び、出会った場所に彼女は進学し、学び続けています。もちろんきっかけは両親の背中。医師という職業はとても身近な存在で、人を助けることを強く思い、医師の道へと進みました。「まだ実感はありませんし、目の前の試験で精一杯です」。それでも研修で小児科にある「子供のこころ研究センター」で見学し、小児科医への道を進もうとしています。「子供を相手にしたアルバイトのときにとても楽しくて。それ以降も子供に関わるバイトを選んでいるんです」。
彼女の世代は新型コロナの影響を大きく受けた世代の一つ。それでも3年生時の学校祭は自粛のさなかも敢行。それを教師に直談判した最前線に彼女はいました。彼女は当時、体育祭実行委員長でした。そしてそれはこのときだけでなく、中学校時代からこうした学校行事の中でリーダーを務めていたのです。「みんなで全力で何かをやるのが好きなんです。あのときは周りも全力でやる人たちが多くてとても盛り上がりました。一番勉強しないといけなかった時期なのに(笑)」。
生粋の負けず嫌い
3年生の秋だけに、受験勉強の追い込み期間だったはず。しかし、彼女にとって学校がなく自宅で自主的に勉強するスタイルはマッチしていたそうです。「あのとき二つに分かれたんです。勉強できた人、できなかった人に。学校って、変な意味じゃないですけど、ある意味強制的に通学させて学ばせる場所です。そのスタイルが合っている人にとってはつらかったと思います。自分にとっては自分の時間を持つことができた、と好きなタイミングで勉強できました。決して勉強が楽しい、というわけではありませんが、平均以上に学ぶことは楽しいと感じています」。
勉強するのは医師になる、という目標のため。そう、彼女は目標を持つことで、そこに向かうために全力を投入していく性格です。学校祭のときも同じこと。負けず嫌いの性格が、目標達成のために自分を発奮させてきました。中学からの陸上部もその一つ。マラソン大会で上位に付けたことから、陸上部を選びました。「球技の部活は既にスポ少などで経験をしてきた人たちがいるので敵いません。走ることはどのスポーツでも役に立つから中距離を選びました」。ここも負けず嫌いの性格が少し顔をのぞかせています。
負けず嫌い、でもみんなで何かをやるのは大好き、でも高みの目標を持ちたい。それらをすべて叶えたのがダンスともいえるでしょう。中学時代から始め、何かのイベントがあれば積極的に出場し、今では医学部のダンスサークルに入っているほか、近くにある福井県立大学のダンスサークルにも参加をしているそうです。今年は新入生勧誘の担当になり、通常5人程度の入会が、今年は15人入会と3倍に。人数は多くなればなるほど組織運営は大変になりますが、「ダンスを披露するときも、少人数よりも大人数のほうが見ている人にとっても楽しいと思いますし。みんなでやるのが好きな気持ちは、運営の大変さにも勝ります」。ダンスとはやはり人に見せて意味があるもの。だからそこは妥協しません。自分の中で納得するまで踊り続けるのもまた、負けず嫌いの証拠。
今できることは全部する
ところで。福井県ではアメリカの大学と連携して短期留学生を募る取り組みを行なっています。この狭き門に彼女は今挑んでいます。学校を休学しても留学したいと思うのは、やはり新型コロナがあったから。「これまで当たり前にあったものが突然無くなったような感じでした。学校祭にしても、これまでは何をするかしないか、と考えていたのが、できるのかできないのかという、根本的な二択にまで選ばざるを得なかったんです。当たり前が当たり前じゃない、それを強く認識しましたし、そのおかげでというか、それが子供に対しても同じように考えることができて」。
自分の生まれ育った境遇は当たり前じゃない。自分と違うのもまた普通なのだと、違いを受け入れる土壌ができたのと同時に、今しかできないことを経験したい、とも思うようになりました。英語圏で暮らし英語力を高めること、文化の違いを知ることで自分の器を大きくしていくこと、そして学生のうちにできること、すべてを網羅したのが海外留学なのです。「医師になる目標はぶれていません。これはこれで完遂します。でも、学生のうちにやれることをやらなかったらもったいないというか。新型コロナで”ありがたみ”の大切さを感じたからこそですね」。
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