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【気象予報士 二村千津子の風と雲】
2023/12/01
こんにちは。
気象予報士の二村千津子です。
なんと、2023年も残すところ1か月だなんて、いささか信じがたいくらい、1年があっという間に感じられます。充実している、と言えば聞こえはいいですが、何も成長できないまま、1年が終わってしまう危機感の方が大きい気がします。年頭の目標を改めて振り返り、少しでも気持ちよく2024年を迎えるようにしたいと思います。
のっけから、天気と全く関係のない話をしてしまいました。失礼しました。
さて、12月のスタートは冬らしい寒さとなりそうですが、11月に発表された3か月予報によると、
12月~2月の冬の期間は、平年よりも気温は高い確率が60%。それぞれの月ごとの見通しも特に1月、2月は平年より高い確率が50%です。降水量は大きなばらつきはなく、ほぼ平年並みですが、降雪量は平年より少ない確率が50%です。
先月お話したスーパーエルニーニョの影響で暖冬傾向に変わりはないようです。
ただ、一時的な寒気の流れ込みによる雪の強まりに注意も呼びかけられています。
福井の11月も、11月とは思えないような暖かい日があったかと思えば、11月とは思えないような寒い日もあったりと、気温変化のジグザグが激しくて、服装に迷う1か月だったと思います。
11月26日までの福井市の気温のグラフをみると、ジェットコースターのようなジグザグ感。赤線が最高気温、黒線が平均気温、青線が最低気温を表しています。
11月3日の最高気温は28度と11月としては観測史上最も高い気温を更新しました。
11月18日の最高気温は10.8度。乱高下の1か月でした。中でも9日から13日にかけての急降下は季節にして2か月以上、18日から23日までの急上昇は、季節にして、1か月以上の開きがありました。
ところが、これを平均すると、11月上旬の記録的な高温の影響で、平年と比べるとまだ高い状況なんです(11月26日現在)。「11月は平年よりも気温が高かったんですよ」と言われても、私たちの肌感覚とはちょっと違うかもしれません。
12月に入っても、11月同様、ジグザグの気温変化になると、一時的に真冬のような寒さになり、そうすると雨ではなく、雪で降る日が出てくる可能性があります。
暖冬傾向なので、もしかしたら骨折り損かもしれませんが、大雪への備えを改めて確認しておきましょう。車の中での備えとおうちの中での備えが大切です。
備えあれば憂いなし。急な大雪にも慌てない準備をしておきましょう。
さて、福井の冬と言えば、雪への心配はもちろんですが、楽しみもありますよね。冬の風物詩「水ようかん(でっちようかん)」です。先日、番組の取材で大野の和菓子屋さんを訪ね、その様子をご紹介させてもらいました。
そのお店は、ご家族3人で営んでおられて、一箱一箱手作りのお店でした。何十年も変わらぬ味を守り続けるために、きちんと計量したり、糖度をはかったりとても気を使っていらっしゃる様子で、その日の気温でも、砂糖の量を変えたり、鍋を上げるタイミングを変えたりもするそうです。だからこそ、いつ食べても変わらぬおいしさを味わえるんだなと、より、ありがたみを感じました。
福井県内には水ようかんを作るお店がたくさんあります。
それぞれのお店のこだわりを感じながら、この冬はいつも以上に味わいたいなと思っています。
これを書いているのはまだ11月中なので、少し気が早い気がしますが、この1年間、「風と雲」にお付き合いいただき、ありがとうございました。
中でも、時々お寄せいただく質問にハッとしたり、なるほどと納得したり、お答えすることで、私自身の学びの機会でもありました。その後の放送ネタにさせていただくこともありました(笑)
また来年も、お付き合いいただけると幸いです。よいお年をお迎えください。
※回答の掲載時期は未定です。全てのご質問にお答えできるとは限りませんので、ご了承ください。
二村千津子(ふたむらちづこ)
福井市出身。気象予報士、防災士、健康気象アドバイザー。2008年7月から2009年9月まで、中京テレビ「おめざめワイド」「ズームイン!SUPER!!」お天気キャスター。2014年4月から2017年3月までテレビ朝日「モーニングバード」(現在は「羽鳥慎一モーニングショー」)にて「ふた天」を担当。同年4月からNHK福井放送局「ニュースザウルスふくい」に出演中。アメブロ
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2024/01/01
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