【~4/21】「建築家・内藤廣 赤鬼と青鬼の果てしなき戦い」北陸編|一乗谷朝倉氏遺跡博物館で企画展

2024/04/12

福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館や福井県年縞博物館の設計を手掛けた建築家、内藤廣氏の企画展「建築家・内藤廣 赤鬼と青鬼の果てしなき戦い」が福井市の一乗谷朝倉氏遺跡博物館で開かれています。内藤氏が北陸三県で手がけた建物の模型や図面、写真などを展示。4月21日(日)まで。

北陸とゆかりが深い内藤氏と建築物の興味深いエピソードに触れる企画展

展示内容を案内するのは、内藤氏が創作活動をするうえで心の中に飼っているという「赤鬼」と「青鬼」、時折登場する「亡霊」たちというユニークな設定。タフで自己主張の強い性格、情熱的でロマンティストな「赤鬼」と、控えめで禁欲的な性格、冷静なリアリストの「青鬼」が対話形式で建物にまつわるさまざまなエピソードを紹介しています。

昨年、島根県立石見美術館で開催された企画展の内容から「北陸編」として再構成。北陸三県ですでに建設されている建物の「Built」3点と、現在進行中の建物の「Ongoing」1点を抜粋し、新たに「Built」4点を取り上げています。

記念講演会で石川、富山とは異なる福井の魅力について「時間」と語った内藤氏

また3月21日には内藤氏が一乗谷朝倉氏遺跡博物館を訪れ、記念講演会を行いました。同博物館のコンペでは、夕暮れ時に外から見た時、建物の中にある復元館が浮かび上がることで来館者の想像力をかき立てる『幻の館』を提案。実際に完成した建物について、「(屋根に設置した)雪止めのディテールが意外にも建物に重厚さを与えている」と内藤氏。質実剛健な雰囲気が「福井らしくて気に入っている」などと語りました。

遠くから見た時の印象から「福井らしさ」を感じるという、一乗谷朝倉氏遺跡博物館

「建設業のあるべき姿はこの建物の中にある」と語ったのが、福井県年縞博物館です。「この建物のコンクリートには気泡や乾燥収縮によるひび割れなどがひとつもなく、日本一の美しさ。訪れた際にはぜひ触ってみてください。」(内藤氏)。現場監督を中心とした地元のチームワークの良さを要因にあげて、「建物を造るというのは、地元で造り、必要があれば地元で直し、100年、200年使い続けるのが本来の姿だと思う」と語りました。

内藤氏が「年縞の素晴らしさに恥じない建築を目指した」と振り返る福井県年縞博物館

現在開催中の企画展でも、2つの博物館の模型や図面、そして「赤鬼」と「青鬼」によるエピソード解説など、貴重な資料の数々を展示しています。

北陸新幹線福井・敦賀開業を記念して福井県が企画した本展。「新幹線がくると、街の空気が変わる」と内藤氏。「これから10年という時間をかけて、街は変化していくことになる。その空気を地域の人が上手く受け止められるかが、これからの問題」だと言います。

その上で、一乗谷朝倉氏遺跡や大本山永平寺、年縞博物館や恐竜博物館などを有している福井について「時間が積み重なって、奥行きが深いというのが福井の印象。東京から見るとそれは貴重。福井の先にある歴史や時間の中に思い起こさなくてはいけないものがたくさん詰まっているような気がしています」などと、語りかけていました。

内藤廣氏のプロフィール
Hiroshi Naito 1950年生まれ。早稲田大学大学院にて吉阪隆正氏に師事、修士課程修了。フェルナンド・イゲーラス建築設計事務所(スペイン)、菊竹清訓建築設計事務所勤務を経て、1981年内藤廣建築設計事務所を設立。2001~2011年東京大学大学院にて教授、同大学副学長を歴任。2011年~同大学名誉教授。2023年~多摩美術大学学長を務める。


北陸新幹線 福井・敦賀開業記念展示
建築家・内藤廣 赤鬼と青鬼の果てしなき戦い 北陸編
【日程】2024/3/9(土)~4/21(日)
【会場】福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館 本館1階 情報発信コーナー(福井県福井市安波賀中島町8-10)
【問合せ】0776-20-0580(福井県文化課) ※平日のみ
【料金】無料(博物館への入館料が必要)
【休館日】4月15日(月)







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