【6/2まで】表現への飽くなき挑戦。日本画の巨匠「横山大観展」|福井県立美術館

2024/05/07

その生涯を通じて表現への挑戦を貫き、日本画の新境地を切り開いた巨匠、横山大観(1868-1958)の企画展が福井県立美術館で開催されています(会期は6月2日まで)。

「群青富士」(静岡県立美術館所蔵) 大正6~7年、絹本金地彩色

海外から帰国後の明治42年(1909)の作品で出世作とされる「流燈(りゅうとう)」や、発想の斬新さがうかがえる大正期の「瀟湘八景(しょうしょうはっけい)」、琳派を研究した大観の大正期の彩色作品を代表する「群青富士」などを紹介。日本美術の近代化や発展に尽力した足跡をうかがい知ることができます。

重要文化財の「瀟湘八景(しょうしょうはっけい)」(東京国立博物館所蔵) 大正元年、絹本彩色 ※5月9日までの展示

北陸新幹線福井・敦賀開業記念として福井県立美術館が開催。4月26日のオープニングには『横山大観記念館』の代表理事で館長の横山浩一氏も会場を訪れ、福井県立美術館の特別館長を務める手塚雄二氏とのトークセッションなどを行いました。

「絵に対するデザイン性など、大観のいろいろな側面を知ることができます」と話す横山浩一氏

横山さんは本展について「画風がないと言われている大観の作品には時代ごとに連続して、表現への挑戦が続いています。今回はその成果物が一堂に会しているので、それぞれの時代において『何を狙っていたのだろう』ということを楽しんでいただける展覧会になっています」と、見どころを説明。

また、大正末から昭和初期にかけて、絹本から紙本への転換に大きな影響を与えたことも大観の功績のひとつ。「大観は頭の中で絵の画面だけでなく、道具や炭、筆などその周囲をどんどん広げていった。深めるところと広げるところの両方を時代ごとに感じられるのが面白さだと思います」と横山さん。

会場では、越前紙漉き職人・岩野平三郎とのやりとりを記した書簡や実際の作品なども展示。越前和紙の産地である福井との深い関係性が浮かび上がってきます。

写真左/「流燈(りゅうとう)」(茨城県近代美術館所蔵) 明治42年、絹本彩色
 

会期中は、親子鑑賞会(5月11日午前10時から11時)や、担当学芸員によるギャラリートーク(5月11日、18日、各回午後2時から)、パネルディスカッション「横山大観と越前和紙の深すぎる関係」(5月25日午後2時から3時半)も予定しています。

5月16日から始まる後期展示では、大観の水墨表現の集大成ともされる、大正12年(1923)の「生々流転」(重要文化財)が登場。全長40メートルに及ぶ長巻のうち、36メートルを一挙公開します。

初期から晩年までの代表作を展望する「横山大観展」

横山大観展
【日程】2024/4/26(金)~2024/6/2(日)
【会場】福井県立美術館(福井県福井市文京3-16-1)
【電話】0776-25-0452
【時間】9:00~17:00(最終入館16:30)
【休館日】5/13(月)~5/15(水)
【料金】一般1400円、高校生900円、小中学生600円、未就学児無料
【HP】あり







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#アート#イベント#福井市内

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