【気象予報士 二村千津子の風と雲】

沖縄が記録的に遅い梅雨入り 北陸も遅い? 今年の傾向を詳しく|気象予報士 二村千津子の風と雲

2024/06/01

こんにちは。
気象予報士の二村千津子です。

ことしは植物たちの芽吹きはいつもの年より早い気がします。東京のアジサイも早くも存在感を増しています。ただ、雨の季節の到来は遅れてスタートとなりました。

先月21日に、気象庁から沖縄・奄美地方で梅雨入りしたとみられるという発表がありました。特に、例年5月上旬に梅雨に入る沖縄地方は、統計が始まって5番目に遅い梅雨入りの発表でした。

沖縄地方の梅雨入りが遅かった順にみると、最も遅い梅雨入りが、1963年6月4日ごろ、そして、2018年、1976年、2008年と5月下旬や6月にずれこんだ年がこれまでに4回。ことしは5番目に遅い梅雨入りとなりました(速報値)

となると、そのほかの地域の梅雨入りもどんどん後ろ倒しされるか…というと、そういうわけでもありません。この4つの年の北陸地方の梅雨入りを調べてみると、

平年より遅かったのは2008年の1回のみで、そのほかは平年並みか平年より早く、1963年は沖縄地方より北陸地方のほうが先に梅雨入りしていました。この年は、沖縄地方は10日あまりで梅雨明けとなっているので、異例の年だったといえます。つまり、南の地域の梅雨入りが遅くても、北陸地方の梅雨入りも遅いとは限りません。

そして、梅雨入りが遅いからと言って、梅雨明けが遅いとも言えませんし、また梅雨入りの早い遅いや、長い短いによって、梅雨の時期の降水量の傾向が決まるわけでもありません。いつも通り、雨の季節がくると思って、雨への備えをそろそろ確認しておきましょう。

沖縄地方で記録的に遅い梅雨入りとなりましたが、もう一つ記録的に遅かったのが、台風1号の発生です。

5月26日の午前9時に台風1号が発生しました。赤い丸で囲まれているのが台風の雲です。台風は1月から発生することもありますが、5月26日の1号発生は、過去7番目に遅い記録です。台風1号発生の時期の遅さも梅雨入りの話と同様に、1号発生が遅かったからと言って、年間の発生数や接近数が少なくなるわけではありません。

では、ことしの北陸地方の梅雨~夏への傾向を、最新の3か月予報で見てみると、

まずは降水量の傾向は、どの階級も30、40と大きなばらつきがありません。ほぼ平年並みの傾向です。平年通りの梅雨入りだと、今月の中ごろまでには梅雨入りする可能性があります。
雨の降り方は梅雨の期間中、まんべんなく降るパターンもあれば、集中的に大雨が降って、一気に降水量が増えるパターンになるかはわかりません。繰り返しになりますが、大雨情報に慌てないように備えておきましょう。

気温は、おしなべて高温傾向。
日本に猛暑をもたらす傾向が強い「ラニーニャ現象」が夏から秋にかけて発生すると見られているので、記録的な暑さだった去年に匹敵するような暑さ(去年の暑さ、覚えていますか? 過去のコラムでも振り返れます!)になる恐れがあります。

ただ、ことしは梅雨入り前から、まるで梅雨明け直後のような暑さの日もありました。しかも、お気づきでしょうか? 週末に暑くなる傾向なんです。
4月からの曜日別の福井と敦賀の最高気温を合計してみると、福井、敦賀ともに土日が明らかに高いです。

春は周期的に天気が変わりやすい時期ですが、土日に晴れて週の前半に天気が崩れやすいという周期が続いたようです。

福井を離れて、恋しい気持ちになる日も多いですが、こうした気象データのヒントを与えてくれるのが、いまのテレビ局での仕事です。
毎日、視聴者の皆さんに関心を持ってもらえる内容を考え、どう見せるか…ということに全力で取り組んでいます。まだまだ戦力にはなっていませんが、日々頑張っています。
また、東京での生活もご紹介できればと思います。

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※回答の掲載時期は未定です。全てのご質問にお答えできるとは限りませんので、ご了承ください。


二村千津子(ふたむらちづこ)
福井県出身。気象予報士・防災士・気象防災アドバイザー 2017年から7年間NHK福井放送局「ニュースザウルスふくい」で 気象情報を担当。 この4月からはテレビ朝日の夕方の番組で気象ディレクターとして 気象コーナーを作る仕事に携わる。 アメブロ



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