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【気象予報士 二村千津子の風と雲】
2024/07/01
皆さん、こんにちは。
気象予報士の二村千津子です。
6月も暑かったですね…
中でも12日は福井県内の気温を観測しているすべての地点で30度以上の真夏日になりました。その日は北海道から九州、沖縄まで軒並み30℃という日で、私が働いているテレビ朝日の夕方の番組でも全国326地点で真夏日、というニュースが取り上げられました。
ことしの6月は福井が暑い地点として、何度も取り上げられていた気がします。
さて、今回は、こちらのお写真から。
この連載をご覧いただいている方は、NHK福井の「ニュースザウルスふくい」をご覧いただいている方も多いと思いますが、番組をともにしていた太田実穂キャスターが上京してわたしにギフトを届けてくれました。
それが、わたしと太田キャスターに挟まれている「はぴりゅう」です。
福井の方にはなじみも深い、キャラクターです。
わたしはなんせ、はぴりゅうが大好きでスマホの待ち受け画面もはぴりゅうです(笑)
そんなわたしに、NHK福井局の仲間の皆さんがお餞別に選んでくれたのがこのぬいぐるみです。
福井にゆかりのない方はご存じない方も多いと思いますが、実はこのはぴりゅう、県内では絶大な人気をほこっていてこのぬいぐるみも、まさに3か月の入荷待ちだったのです。
これまでの41回の連載で、自身を含めて人間の写真を載せたことは1度もありませんが、嬉しかったので、今回太田さんの許可もいただいたうえで、記念写真を掲載させていただきます。
撮影場所は、現在、私が勤務しているテレビ朝日の前です。離れても案じてくれる仲間の存在は本当にありがたいですね…がんばろうという活力をもらいました。しばらくは、つらいことがあったら、はぴりゅうに聞いてもらおうと思います(笑)
さて、先月のコラムで沖縄の梅雨入りが遅かったからと言って、そのほかの梅雨入りが遅いとは限らないというお話をしましたが、ことしの梅雨入りは結果的に全国的に平年よりも遅いスタートとなりました。
九州南部と四国が6月上旬。さらに九州北部は6月17日ごろと中旬にずれこみ、そのほか、中国地方から東北にかけては6月下旬に入って続々と梅雨入り。北陸地方は6月22日と、7年ぶりの6月下旬の梅雨入りでした。
そして記録的に遅い梅雨入りだった沖縄地方は、平年と大きく変わらず、20日ごろに梅雨明けしたとみられる、という発表がありました。平年だと40日ほどある梅雨の期間が30日間にとどまりました。
でも、沖縄のこの梅雨のシーズンの雨の量は沖縄本島地方では1,000ミリを超えるなど平年の3倍以上となる地点が複数ありました。
梅雨の長さと梅雨に降る雨の量は関係がないということを物語っています。
今回は、そんな梅雨に関する質問を2ついただきました。一つは福井市の方、もう一つはなんと大分県の方からのご質問です!
大分県の方に日々ウララを読んでいただけるのはうれしいですね!ありがとうございます。
大分県の孝哉さん より
「ことしの梅雨の傾向を知りたいです」
孝哉さんが住んでいらっしゃる大分県は梅雨の傾向は、もしかすると、東日本に住んでいる私たちより気になるところかもしれません。
というのも九州は北部・南部とわず、梅雨の時期になると必ずと言っていいほど、どこかで集中的な豪雨に見舞われることがあります。
ことしの九州北部の梅雨入りの発表は平年より13日遅い6月17日にありました。
では、梅雨明けも遅いのか…最新の3か月予報では、九州北部の7月は前半は平年と同様に曇りや雨の日が多く、後半は平年と同様、晴れの日が多い見通しとなっています。
そして降水量は平年並みか平年より多い見込みとのこと。
つまり、梅雨の期間は短いけれど、それなりの雨量は見込まれるということになるので、例年同様、短期間に大雨となるタイミングがあると思って備えておく必要があります。
この梅雨の大雨は、私たち人間の命を脅かしますし、家や畑などに大きな爪痕を残すことがあるとても恐ろしいものです。
でも、一方で、この梅雨の期間にもたらす雨が、農作物や自然にとっての大切な水資源であることも間違いありません。正しく恐れてきちんと備えて、ことしの雨のシーズンを安全に過ごしていきましょう。
福井市のOKDさん より
「私が子供のころは夏休みまでに梅雨明けしていました。ここ何年も7月末まで梅雨明けしないように感じられます。 梅雨明けが遅くなっているのはどうしてですか?」
OKDさんの梅雨明けが遅くなっている印象、について、データで見てましょう。
まず、北陸地方の梅雨入りの平年は6月11日ごろ、梅雨明けは7月23日ごろです。
なので、夏休みが明ける、ちょうど海の日のころには本格的な夏が到来!という傾向です。
では、北陸地方のここ10年の梅雨入りと梅雨明けは
梅雨明けが8月にずれこんだのは2020年と2017年の2回、そのほかはほぼ平年並みか早い状況です。ただ、記憶に新しい、2022年はいったん6月28日に史上最早で梅雨明けの発表があった後、7月がずーっと、雨が降りやすかったうえに、8月上旬に奥越や南越前町を中心に記録的な豪雨になった年で、最終的に「梅雨明けを特定しない」という風に修正されました。この年こそ、「梅雨明けしたのに?8月なのになぜ?」という気持ちになった方も多かったかもしれません。
昔からよく梅雨明け10日と言われます。梅雨が明けた直後は夏の高気圧がどーんと居座り、10日ほどは夏空が広がることを表しています。
この過去10年はどうだったでしょう?
去年は梅雨の終わりに大雨になり、梅雨明け直後は連日夏空&猛暑日という日が一気にやってきました。まさに梅雨明け10日。2022年にはお伝えした通り、梅雨明けが決められないほど晴れが続きませんでした。というように振り返っていくと梅雨明けの日から連続10日晴れた年は…なんと2023年のみ。
30年ほど前の梅雨明けの状況も比較してみないと一概には言えませんが、OKDさんの「梅雨明けモードになりにくい年」が、ここ数年続いているのは確かなようです。
ただ、ことしの8月は、平年と同様に晴れの日が多くなる見通しなので、梅雨明け10日の夏空&猛暑がやってくるかもしれない…と心づもりをしておきましょう。
そしてもちろん、梅雨明けの前には北陸地方も短期集中型の大雨への備えも必要です。
ここ1年で気象庁や自治体から発表される情報が新しくなったりしています。
また、おいおいお話していきますが、いずれも、その出される情報が、「自分の家のまわり」で起きるかもしれないという危機感を持ってもらうためのものです。
気象情報も進化します。皆さんの防災意識もさらに高めて、どんな時も慌てずに的確に行動ができるようにアップデートしていきましょう。
※回答の掲載時期は未定です。全てのご質問にお答えできるとは限りませんので、ご了承ください。
二村千津子(ふたむらちづこ)
福井県出身。気象予報士・防災士・気象防災アドバイザー
2017年から7年間NHK福井放送局「ニュースザウルスふくい」で
気象情報を担当。
この4月からはテレビ朝日の夕方の番組で気象ディレクターとして
気象コーナーを作る仕事に携わる。 アメブロ
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