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2025/02/04
1月18日(土)、福井県大野市でスノーアートイベントが開催された。このイベントは、映画『雪の花 ―ともに在りて―』が1月24日(金)に全国公開を迎えるにあたり、その記念として開催されたもので、雪の花をイメージした美しい幾何学模様が真っ白な雪のキャンパスに描かれた。
このイベントは、福井県と県フィルムコミッションが企画。青森県を拠点に活動するスノーアーティスト集団「It’s OK.」のメンバーが指導役を務め、地元の高校生たちを中心に、県職員等も参加して制作された。
デザインのテーマは、映画のタイトルをモチーフとした「雪の花」。参加者は2つのグループに分かれ、コンパスを用いて正確な角度を測りながら雪原に模様を描く――。雪の上を慎重に歩き、一歩一歩丁寧に作り上げられた結晶模様は、完成時には圧巻の美しさを放ち、見る人を魅了した。
制作は午前中から開始し、オリエンテーションの後に、スノーシューを履いて歩く練習やコンパスの使い方を教わり、いざ体験! 最初は履きなれないスノーシューに戸惑いながらも、徐々に輪郭が浮かび上がってくる。スノーアートは雪の上を歩いて足跡をつけることで作られるもので、この日は特に午前中は雪が硬く、いつもより踏む力が必要だったと語る、「It’s OK.」の田澤代表。「スノーアートは雪さえあればどこでもできます。初めての人が多くて時間はかかりましたが、参加してくれた人が一生懸命やってくれたので、すごく良い作品に仕上がったと思います」。
スノーアートとは、イギリス人のスノーアーティストであるサイモン・ベック氏が始めた新しいアートで、広大な雪原にスノーシューの足跡だけで幾何学模様などを描くもの。日本では、平成28年2月に青森県田舎館村で初めて制作された。北陸では今回が初開催となる。
踏んだ場所に日の光が入ることで影ができることで光と影のコントラストによるアートが生まれること。また、一度作っても雪が降れば消えてしまうという儚さもスノーアートの魅力だという。
午後は気温も上がり、踏みやすくなったことで、参加した高校生たちもペースアップ。出来上がった輪郭となる六角形の内側を等間隔に模様を描いていく。「最初は歩くだけだと思っていたけど、午前中は雪が硬くて思った以上に力が必要でした」と話すのは、今回映画のPRに協力したいと参加した大野市の奥越明成高校ビジネス情報科の生徒たち。「コンパスも見る角度によって変わるし、自分と行く方向と地図を照らし合わせて見るのが難しかったけど、すごく楽しくて、良い経験になりました」。
午後3時過ぎ、ついにスノーアートが完成した。奥越ふれあい公園陸上競技場の中に描き出された直径72mの雪の花模様。途中段階を知らずに最後まで頑張った生徒たちも完成したスノーアートに感激! 何もない雪原から参加者全員で創り出した一日限りのアート作品。このイベントを通じて、地域の魅力や雪の芸術性を再発見すると同時に、映画のメッセージがたくさんの人に広がり、新たな交流と感動を生み出した貴重な一日となった。
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