日々URALA(ウララ)

つい最近まで「猛暑」「猛暑」って言ってたけど、「雪の見通し」話します|気象予報士 二村千津子の風と雲

こんにちは。気象予報士の二村千津子です。9月も何かと天気の話題が盛りだくさんでした。

まず、9月1日。気象庁からは夏のまとめとともに梅雨入り・梅雨明けの確定値が発表されました。記録的な暑さもニュースになりましたが、それ以上に、梅雨入り・梅雨明けの時期が、速報値から大幅に修正されたことが大きく取り上げられました。

北陸地方は、当初は梅雨入り、明けともに平年とそこまで大きく変わらず(梅雨明けはちょっと早かった)でしたが、確定値では、梅雨入り、明けともに、大幅に前倒しとなり、5月中の梅雨入り、6月中の梅雨明けという、過去にない早さで梅雨に入り、過去にない早さで梅雨が明けたと修正しました。

確かに7月は記録的に雨が少なく「まだ梅雨明けしてないの?」と何度も聞かれるくらいでした。とは言え、毎日、一時的な雨は観測していて、実際にザ・夏空が広がったのは、当初の梅雨明けの発表があった7月18日以降だったのですが、梅雨前線の影響…という意味では、6月に明けていたという判断に至ったのかもしれません。

そして、9月は秋雨前線が度々猛威を振るいました。静岡や茨城、そのほか、高知県などで突風被害、また線状降水帯が発生したり、記録的短時間大雨情報の発表が相次ぎ、東京都心でも川のはん濫が発生したりしました。

さらに、猛烈な残暑が続いたことも、連日ニュースになりましたね。
そこで各県庁所在地47地点の猛暑日日数をまとめてみたところ…、「まじで?」というランキングになりました。

県庁所在地で最も多かったのは京都の61日でした。
すべてのアメダス地点で最も多かったのは、大分県の日田というところで62日を数えました。年間猛暑日日数の最多タイの記録だったのですが、京都は日田に次ぐ記録でした。
そして、甲府、前橋…と続きます。福井は37日をカウントして、16番目の多さでした。

驚いたのは多さだけではありません。沖縄・那覇はなんと0日。ゼロだったのです。
といっても、那覇は、もともと猛暑日にはめったにならない所なので、1年を通して猛暑日がゼロでも驚くことではないのですが(むしろ猛暑日になることの方がニュースだと思う)、
それでも、記録的な暑さだった去年は8回観測されているので、今年の、全国各地で40℃の地点が激増した暑さの中、ゼロというのは驚きでした。さすが那覇。
ちなみに、沖縄県には那覇がある本島地方のほか、宮古島や石垣島などの島々を合わせて25の観測地点があるのですが、今年は猛暑日になった地点は1つもありませんでした。
海風が吹き抜け、そこまで高い山もない島国は、熱が蓄積されにくく、フェーン現象なども起こりにくいので、ガツンと上がることがほとんどないんですよね。
ところが、30℃以上の真夏日の数は那覇が、47地点中ダントツの1位です。

そして真夏日の数を調べていて、ある地点の記録に目を奪われました。
宮古島地方の下地島の、真夏日の日数の多さもさることながら、その連続日数です。
なんと、6月7日から、この原稿を書いている9月25日までの111日ずーっと真夏日が続いているんですよね。下地島の平年の年間真夏日日数が113日ほどなので、島の人にとってはもしかしたら、そんなに驚くことではないのかもしれませんが、4か月近く真夏日が続くなんて…と思ってしまいます。写真は宮古島が好き過ぎて、東京と宮古島で2拠点生活をしている友人から送ってもらいました。「やばい」美しさだそうです。

さてさて、このまま暑さの話で終わるところでした(笑)

今回は、タイトルの通り、今年の冬の見通しについてお話します。
結論から言うと…
秋の深まりはゆっくりで冬は急にくる!

9月22日に発表された3か月予報をみると、10月は、平年より高い確率が60%。
これは先月の予報と大きく変わっていません。これまでの残暑が猛烈すぎた分、だいぶ秋らしくなったな…と感じるかと思いますが、気温だけ見ると、まだまだ昼間は半袖の出番はありそう(私のような暑がりは特に)で、季節の歩みはゆっくり…と言えそうです。

11月は平年並みか平年よりも高い確率がともに40%。天気も11月らしく、曇りや雨の日が多くなる見通しなので、気温はやや高めながらも、晩秋の福井らしい天気の日が増えてきそうです。

そして、気になるのが12月。
気温は平年並みか平年より低い確率がともに40%、天気は平年よりも曇りや雨または雪の日が多いと予想されました。
12月ごろに、冬型の気圧配置が強まる時期がありそう…という見通しです。
ようやく秋の深まりを実感したかと思ったら、「え、雪マーク?」なんてことになるかもしれません。

さらに、その先の1月、2月にむけての長期予報でも、気温はほぼ平年並み、降雪量もほぼ平年並み、降水量は平年並みか多い見込みとなっています。
現在、日本海の海面水温も平年より高い状態が続いているので、大陸から強い寒気が流れ込むと、一気に雨雲・雪雲が発達する可能性があります。
夏が記録的に暑かったからと言って、冬も暖かい、とは限りません。

長期予報はなかなか一筋縄ではいかない側面もあるので、いまから、大雪に備えなきゃ!と、構えるというよりは、雪の情報は気にしつつも、ゆっくりなペースの中でも秋を感じて、食を楽しむもよし、おしゃれを楽しむもよし、スポーツを楽しむのもよし!と、元気に過ごしたいですよね。

私も10月はせっせと低山に足を運びたいな…文珠山が中心になるとは思いますが(笑)

さて、今年度も下半期に入りました。4月に福井に帰ってきて、半年を迎えますが、
現在、福井市のコミュニティラジオ「福井街角放送」で気象情報をお伝えしています。
9月までは午前中のみでしたが、10月からは夕方も月曜日から木曜日までお話しする予定です。朝は午前9時40分ごろ、夕方は午後5時10分ごろ登場します。
電波が届く範囲は限られていますが、お天気を自分の言葉で伝えられる機会をいただけて
幸せをかみしめています。
言葉だけで伝える難しさを実感しながらも、今までと変わらず、伝わる天気を心がけて頑張ります。機会があれば、聴いていただけると嬉しいです。

↑画像をタップ!

※回答の掲載時期は未定です。全てのご質問にお答えできるとは限りませんので、ご了承ください。


二村千津子(ふたむらちづこ)
福井県出身。気象予報士・防災士・気象防災アドバイザー 2017年から7年間NHK福井放送局「ニュースザウルスふくい」で気象情報を担当。 アメブロ



日々URALAからのお知らせをLINEで受け取れます!




モバイルバージョンを終了