2019/09/01
鯖江市中野町の中河郵便局に、日替わりで帽子をかぶっているとってもおしゃれな“ポストさん”がいることをご存知ですか?
噂のポストさんは郵便局入り口にいます。そのかわいらしさで、郵便局前の交差点で信号待ちをしているドライバーの視線も集めてしまいます。
こちらのポストさんは昔懐かしい丸型。現在鯖江市内に残る丸型のポストはもう数えるほどで、貴重な存在です。
ポストさんが帽子をかぶり始めたのは2015年の冬。屋根からの落雪の影響で、てっぺんの塗装が剥がれてしまったのです。それに気づいた郵便局の高野局長が「かわいそうやで帽子作ってあげてや」と妻の明見さんに毛糸の帽子の製作を依頼。
そこで明見さんは、古くなった局長のセーターを使ってニット帽を作り、ポストさんにプレゼント。今となっては町の人気者の“帽子のポストさん”はこうして誕生しました。
数カ月後に塗装業者さんの手によってポストさんの“剥げ”はなくなりましたが、郵便局では「次どんな帽子作るんや?」と聞かれることが日常となっていました。帽子をかぶせていない日には「今日なんで帽子かぶってないの?」と聞かれることも。さらには「今日帽子かぶってなかったけど、風で飛ばされたんでないの?」と心配する電話まで。
周りの人が楽しみにしているため、やめるにやめられなくなり、現在に至ります。
キャップやハット、さらには雨用のものと、帽子はどんどん増えていき、多いときは80~90種類ほどあったそうです。保管場所となっている局長夫妻の自宅2階の部屋は帽子でいっぱいで、その中から毎日の帽子をセレクトするのは高野局長。
「毎日天候に合わせて帽子をかぶせるのが仕事よりも楽しくなっています。冗談やけどね(笑)。」
帽子は元々あるものをリサイクルして製作。発泡スチロールやビニール紐、針金などを使って局長が型を作り、それに合わせて明見さんが使えなくなったシーツや洋服、壊れた傘などを使い帽子を作ります。不要になった郵便局のポスターで三角錐型を作り、フエルト生地をはりつけて作られたものもあります。
たくさんの帽子は、2人の試行錯誤の賜物です。
なかには季節限定の帽子もあり、その時期にしか見られない姿は要チェックです!
台風など、強風の日は帽子をかぶっていませんが、たまに風で帽子が飛ばされてしまうこともあるそう。しかし、そんな時は拾った人が届けてくれます。もちろんイタズラされることもないそうです。地域の人はみんな優しいですね!
昭和の戦後間もない頃に誕生し、平成、そして令和と時代を超えて愛されるポストさん。今日はどんな帽子をかぶっているのでしょうか? きっと素敵な帽子をかぶって迎えてくれますよ!
中河郵便局
【住所】福井県鯖江市中野町6-13
【電話】0778-51-4270
【時間】9:00~17:00
【休日】土・日曜、祝日
【駐車場】1台
【HP】あり (日本郵政)