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【~6/30】10年にわたり“蛍”をテーマに撮り続けてきた作品を紹介。『前田宏写真展 螢火の小径』|ポエット モンタニョーラ

福井市照手に5月27日、ギャラリー「ポエット モンタニョーラ」がオープンしました。手がけたのは、ステンドグラス作家として活動する永田美保子さんと増子幹さん。工房「すてんどぐらす・オリビエ」の西隣にある住居スペースを改装し、新たな表現の場としてひらいたギャラリーです。

日本家屋ならではの佇まいを残しながら、多様な作品を受け止められる場に整えられたギャラリーには8畳の和室が2室と4畳半の茶室を備え、玄関や廊下も展示空間として活用。展覧会やイベントは、毎月下旬を中心に不定期で開催していく予定です。

そんな新しいギャラリーで現在開かれているのが、パリ在住で福井市出身の写真家・前田宏さんによる写真展『前田宏写真展 螢火の小径』です。


前田宏さんが、2015年から10年にわたり“蛍”をテーマに撮り続けてきた作品を紹介する写真展『螢火の小径』。最初に観ると闇にしか見えない風景をじっと眺めていると、だんだんと蛍の光の背後に風景が浮かび上がり、まるでその場にいるような臨場感があります。闇の質感を極限まで表現するため、9色の墨インクを用いる特殊プリント「ピエゾグラフィー」という手法を使ってます。

蛍を撮影するきっかけとなったのは、ジョルジュ・デイディ=ユベルマン著『蛍の残存』との出会い。前半では、パゾリーニの論考「蛍の消滅」で、近代社会が失った“小さな光”について語られます。しかし、後半で著者は「蛍の光は消えていない。彼らは遠くに隠れて生き残っている」と、その言葉に触れた瞬間、前田さんの脳裏にまっさきに浮かんだのは、幼少時代を過ごした大野の風景。田んぼの畔道から見た、無数に飛び交う蛍の光でした。

その感動を写真で表現したいと考え、大野市から撮影を始めました。「あの微かな光を残したい」と仕事の合い間をみて、蛍のシーズンになるとパリから帰国。福井だけでなく国内各地の風景を丹念に撮影し続けてきたそう。今回の写真展開催にあたり「蛍は水のきれいな川や田んぼに生息します。お世話になった農家の方々に作品を観て頂けるのがとても嬉しいですね」と語ります。



また、個展の作品はこの秋、パリのクレアフィス出版より写真集として刊行される予定で、福井で出版前の作品を観ることができるまたとない機会です。「出版したいと声を掛けてくださった方は、くしくも、30数年前にパリで私が出版社にまで購入に行った書籍の編集者の方でした」。

さまざまな出会いのなかで紡がれてきた、前田さんの作品たち。会期中は前田さんも在廊しており、蛍のことや撮影中のエピソード、年々減ってきている蛍を取り巻く環境についてなど、今も蛍を撮り続ける前田さんだからこそ語れる話を気軽に聞くこともできます。

写真家・前田宏さん

闇の中にふわりと浮かび上がる原風景と蛍の光。その景色は、静かな力強さと、心がすっと落ち着いていくようなひとときを運んでくれます。



前田 宏(まえだ ひろし)
1956年福井市生まれ。1976年に渡仏し、パリ国立高等装飾美術学校絵画・壁画科を卒業。 建築家・デザイナーとの協働を続けながら、1995年より同校で教鞭をとる(2024年末退職)。2023年には文化人類学者オクタヴ=ドゥバリーのキュレーションにより、パリ医学歴史博物館で蛍シリーズの展覧会を開催。 2026年秋には、デイディ=ユベルマン、ドゥバリーとの共著による写真作品集がクレアフィス出版より刊行予定。



前田宏写真展 螢火の小径
【日程】2026/6/24(水)〜6/30(火)
【時間】12:00〜18:00
【会場】ポエット モンタニョーラ(福井県福井市照手4-4-2)
【入場料】無料
【SNS】Instagram



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