2019/10/19
初めてのハッカソン
初めての体験。
秋の福井はずっと津田寛治さん。今回、こんなに頻繁に福井を訪れたことはないだろうというくらい、9月から11月にかけて津田さんは福井三昧。
まず9月。津田さん自身がアイデアを提唱して始まった、“3日間で映画を撮る”プロジェクト「ふくいムービーハッカソン」に、今回初めて脚本・監督として参加してくれました。正直不安もあったでしょう。なにせ、参加する人は全員“素人”。さらに期限は3日。何が起こるかわからない、予定調和一切なしの、出たとこ勝負な現場は、さすがにプロの世界にはないでしょう。「不安をもって来てみたら、みんな笑顔。リハーサルも笑顔。その笑顔に救われました。それに、みんな予想以上に映画制作の現場について理解して臨んでいたんです。ストーリーの世界観もみんなの中でイメージが共有できているんです。プロならありますけど、全員素人のこの現場でできているのにはびっくりしました。それに、カメラが回っていないときも役に入ってるし、役作りのスピードが早い。プロの現場でもお目にかかれない、なんてレベルの高い現場なんだろうとビックリしました」。
不安が楽しみに変わり、最後は“ハッカソンロス”まで起きた津田さんは、今回の監督は一回きり。「こんなに楽しい現場を自分が奪ってはいけない、と思いましたよ。もっと映画制作をしたい人がすべきだと。これからも関わりたいですが、あくまでも自分はアドバイザー的にいたいと思います」。現場で近くにいたけれど、津田さんの演技指導は半端ない! ホントにその人がその役の人物に見えてくるくらい、演技力が高まっているのを感じてました。来年は演技指導に来てください!
福井弁全開で臨んだ
NHKドラマ
さて、ハッカソン熱冷めやらぬ間に、再び津田さんは福井へ。来年放映予定のNHK地域発ドラマ『シューカツ屋』の撮影に訪れました。今回は同じ事務所の若手俳優・篠田諒さんがメインの役割も務め、二人で福井を訪れていました。「ハッカソンの現場でも会った方や、福井で活動している俳優さんと一緒に現場にいられたのは良かったです。自分の福井弁は30年近く前のものだから(笑)、今回の役にはちょうど良かったみたいです。思いっきり福井弁でやりきりました(津田さん)」。
「福井を訪れるのは今回で2回目ですが、長期滞在は今回初めてで、地元の俳優さんと過ごせたのは新鮮でした。あと、空いた時間には、自分の興味の一つである神社巡りもしていて。福井って結構神社が多いな、と思いました。あと、古いものは古いままにするのが普通なのに、新しく改装していたり、古さと新しさを入り交ぜているのが特徴的でした(篠田さん)」。
『シューカツ屋』は水川あさみさん主演、就職率が12年連続1位という福井大学就職支援室をモデルにしたドラマで、実際に福井大学で撮影も行ないました。津田さんは地元企業の社長役、篠田さんは就職活動をする学生の役です。「支援室長役の橋本じゅんさんがとてもポップな感じで、若者が就職活動中ということでとてもリアルな空気。この対比が面白いな、と感じました。白石聖さんは以前映画で共演したこともあって、とてもやりやすい空気がありました。空いている時間もコミュニケーションを取っていて、その二人の“見えない同志感”が本番でも出ていたと思います(篠田さん)」。今回の作品の監督を務めたのはNHK福井放送局の20代社員。その若い感性が今回の現場でも出ているような気がします。放映は来年2月26日、BSプレミアムにて午後10時から。
受賞歴多数の映画が
福井でも公開!
さて、今回の津田さん、篠田さんが共演している映画があります。それぞれが国内外の映画祭で受賞しまくった、“何者にもなれなかった男たち”が織りなす3本の映画『追憶ダンス』、『VANISH』、『ACTOR』。それらをまとめて一気上映の『RUN! -3 films-』が、福井でも11月8日からテアトルサンクにて公開されることが決定! 東京を皮切りに、京都などでも順次公開されるなど、徐々に人気を博し始めているこのオムニバス映画、元々は一つひとつの単作でした。「別府映画祭に伺ったときに3本まとめたら、という提案をいただいて、試しにつないでみたら、見事にマッチして。すべて主人公が走っているんですよ。それぞれを制作しているときには感じていなかったのですが、まとめてみると疾走感が貫いていて、一体感ができたというか。だからタイトルも『RUN!』なんです(津田さん)」。
記憶のかけ違いが悲喜劇を生み出す『追憶ダンス』、まるで自伝的ドキュメントの即興劇『ACTOR』、国内で密かに失踪する人たちをモチーフにした『VANISH』。主人公たちは全員が“普通からはみ出してしまった者たち”。「彼らはきっと人生のどこかでつまづいてしまったんです。彼らを再起させる受け皿が実はこの国にはなくて。そういう人たちのドラマに一人でも『面白かった』、『救われた』という声をいただければ嬉しいな、と思っています。自分もその一人だったと思うし、18歳の頃は『追憶ダンス』の役のように世の中に不満ばっかりを持っていました。報われない現状の中、頑張っても意味があるのか、大人の考えもわからない、本当に自分とリンクする感じでした(篠田さん)」。事実、この作品に関しては監督の土屋哲彦さんが篠田さんをイメージして台本を書いたのだとか。現場も非常に熱がこもっていて、「ずっと役に入ってないときつい現場でした(篠田さん)」。そのくらいモチベーションの高い現場に、さらに熱い人が投入されます。津田さんでした。「もう一人の主役である木ノ本嶺浩さんと『津田さんという半端ない怪獣が来るから、津田さんの熱に負けないようにしよう』と言い合ってたくらいですから(篠田さん)」。その熱量に舞台となったコンビニオーナーも感化され、どんどん協力的になってくれたとか。映画作りという現場の熱は、確実に周りを巻き込むものを持っていそうです。
先述の「ふくいムービーハッカソン」に毎年参加している俳優・松林慎司さん主演の『VANISH』にしてみれば、予告編のようなパイロット版に過ぎないのに、映画祭で受賞するくらいのクオリティ。本編を作るならば数億円はかかると言われている内容だけに、パイロット版といえどもかなり手をかけた作品で、単体としても十分に楽しめる作品です。公開は11月8日から15日までテアトルサンクにてレイトショーですが、11月9日の18:30~の上映の前後、津田さん、松林さん、土屋監督、畑井監督が舞台挨拶を務めます。
審査委員長を務める
駅前短編映画祭も!
そしてそして、その11月9日の朝からテアトルサンクで何をしているかというと、津田さんが審査委員長を務める『福井駅前短編映画祭』です! 今年で5回目となった今回も、全国から150本以上が集まり、厳正な審査の結果、10数本が上映されます。「ふくいムービーハッカソン」作品も、この日に流れます!
「毎年映画のクオリティが上がってきているな、と感じています。どれも良質で甲乙つけがたいんです、本当は。だからノミネートされた時点で、福井に来てくれた時点で僕としては賞を渡している思いがあるんです。映画祭は監督や役者の交流の場でもありますし、福井の方にもこういった映画を通じての交流の場があるということを知ってほしいな、と思っています(津田さん)」。
本当に9月から11月まで、津田さんはドラマに映画に福井三昧! 特に11月9日は津田寛治Dayなので、テアトルサンクにGO!
映画『RUN! -3 films-』
11/8(金)~15(金)のレイトショーまで
※舞台挨拶は11月9日の福井駅前短編映画祭終了後、18:30~の上映前後
公式HP
第5回福井駅前短編映画祭
11/9(土) 9:00~18:00
公式HP
津田寛治
福井県福井市出身。趣味は絵画。愛称は「ツダカン」「ツダンジ」。「模倣犯」「トウキョウソナタ」「シン・ゴジラ」など多数の映画に出演。2016年から「福井市観光大使」に就任
公式HP
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