【mago note】

富裕国と貧困国のはざまにて。

2019/11/07

「アグボグブロシーに棲む牛。」
9月24日から3日間行われた公開制作、「新宿クリエータズ・フェスタ」より

日本に帰国し数週間が経ちました。この2カ月弱のガーナは、まるで自分ですら遠い別の国に行っていたかのように感じられます。先進国と発展途上国、大きく分けるとこの2つがこの世界に存在していて、不景気と叫ばれながらも我々は今日も先進国民の一員です。僕は不思議に思うのです。なぜ同じ時空を生きながら、富裕国と貧困国が存在するのか、と。我々が2カ月間滞在したスラム街は、舗装された道はなく、野焼きされた電子機器のプラスチック臭が空を覆い被さり、もちろん人権の保障も、健康保険制度も何ない不平等な世界。これは100年前の話ではありません、現在なのです。 

地球の奥深くに蓄えられた資源、石油が我々人類の発展に最も反映されていると行っても過言ではありません。ただ、石油製品の歴史はたった50年です、50年前はほとんど石油製品を使っていなかったことになります。その時代からもちろん貧富の差はあったでしょうが、今日ほどの極度な差はあったのでしょうか? 

我々の発展はどうしても、貧富の差を作り上げなければいけなかったのです。何でも作り上げる万能な魔法の石油は完璧な資源で、これを元に経済を発展させるためには、大量生産をするしかなく、そのためには高コストな多くの労働力が必要になりました。これを打破するために作り上げたのが貧富ではないか? 僕はそう考えているのです。1日5ドルで働いてくれる労働力があれば、我々先進国は簡単に大量に安価に沢山の物を作り上げることができます。この経済発展のために昔は奴隷制度すらあったのですから、信じられません。ですが国際社会的に奴隷撤廃の運動が進んだことにより、我々はますます貧困国と富裕国の価格差を一気に広げ、見えない奴隷制度を作り上げたのではないでしょうか?  

2つの世界を見ていたたまれない気持ちになるのです。一言で言うとこの世界に存在する「不条理」でしょうか? 

僕はこの真実を伝え、この事実を変えたいと絵描きとして強く感じています。この混沌とした苦しい心模様を、一枚の絵に描き留めました。僕はこのアグボグブロシーの貧困地をアートで正常化する事によって、この不条理な世界を変える一つの指標になればと、我が人生をかけて、全力で挑戦してきます。

美術家 長坂真護
MAGO CREATION㈱代表取締役兼美術家 /MAGO Art & Study Institute Founder。サスティナブルを合言葉に、ガーナのスラム街に先進国が不法投棄した電子廃棄物を再利用し、美術品を制作販売。その利益をスラム街での新規雇用や完全無料の学校運営に。
公式HP  Instagram



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#コラム#アート#連載

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