月刊ウララ11月号特集『ふくいのお餅。』から、“あの町の餅屋”をご紹介します!

2019/11/06

あの町の餅屋

足羽山、旧武生、三国湊……歴史深い町には多くの餅屋が栄えた。そんな名残ある界隈にひっそりと佇む老舗の餅屋を訪ねてみた。



━ 足羽山界隈 ━

足羽山の東麓は北国街道が通るかつての大通りで、福井城下に入る南の玄関口だった。『毛谷黒龍神社』のあたりに関所が設けられたことから、この足羽山界隈には商店や寺院が多く立ち並び、旅人や参拝客でにぎわったという。餅は腹持ちがよく、力がつく食べ物として好まれたため、街道沿いには多くの餅屋が店を構えた。昔は店内で餅菓子を提供していた店もあり、旅の疲れを癒すありがたい休憩処でもあったのだ。今でもこの界隈には数軒の餅専門店が残り、毎朝搗きたての餅を提供している。


季節を表す餅菓子を丁寧に作り続ける。

くるみ大餅福 120円(税込)

原料には特にこだわる他、県内では数軒しか持ち合わせていないという手返し胴搗きで餅を作る。代々季節を大切にした餅菓子を提供しており、11月には看板商品の一つであるとぼ餅が登場。1月になると冷たい水で作られる寒餅も店先に並ぶ。シャキッとした歯切れの良い人気の品だ。


ひげ餅舗
【住所】福井県福井市足羽1-16-1
【電話】0776-36-3351
【時間】9:00~19:00
【休日】水曜(祝日の場合は営業)
【駐車場】4台



滑らかにねばる、杵搗きならではの餅。

くるみ大福 110円(税込)

搗きたてを求めて朝一番から地元っ子が訪れる創業130年の餅屋。看板商品の「くるみ大福」は、密度の高いぽってりとした餅と香ばしいくるみの相性が絶妙だ。一つひとつ手割りするくるみはごろごろと粒が大きく、食べ応えもしっかり。甘さを控えて素材を生かすシンプルな味わいが長く愛されている。


かわせ餅
【住所】福井県福井市毛矢3-8-20
【電話】0776-36-1391
【時間】7:00~18:00
【休日】水曜
【駐車場】なし



餅の歯ごたえと伸びの良さが信条。

えんどう大福・よもぎ大福 130円(税込)

契約農家が生産する奥越産餅米「かぐら餅」を使用。ぷっくりとした形が愛らしい大福は、あんこを包む餅が肉厚でむっちり。弾力と柔らかさのバランスが心地良く、餅本来の風味を感じながらあんことの調和を楽しめる。インターネット販売も行なっており、県外にもファンが多い。


林餅店
【住所】福井県福井市西木田3-4-16
【電話】0776-35-3576
【時間】8:00~18:00
【休日】月曜
【駐車場】3台
【HP】あり



素材の自然な味わいが伝わる手づくり餅。

黒豆大福 120円(税込)

今から約50年前に創業。福井県産の餅米「かぐら餅」と北海道産の大粒の黒豆、自家炊きのあんこのホクホク、もちもちのハーモニーが楽しい「黒豆大福」が人気だ。秋季限定の「とみつ大福」は、あわら市産とみつ金時をたっぷり散らした旬を味わう一品。こちらは11月末まで販売中。


牛若餅 松永家
【住所】福井県福井市福町31-1-38
【電話】0776-36-0424
【時間】8:30~19:30
【休日】月曜(祝日の場合は翌日)
【駐車場】8台




━ 三国湊界隈 ━

かつては北前船を所有する廻船問屋や商家、遊郭などが軒を並べ、派手な暮らしぶりの富裕層も多く、「毎日が三国まつりのように人が溢れていた」とは『木村餅店』の話。
嫁入りがあると、嫁や子どもの節句餅の用意のために餅米の作付けを増やしたり、嫁は遠慮してお代わりができないだろうと正月用の丸餅をわざと大きく作る(ちぎる)といった、餅屋ならではの逸話も面白い。
また、各町内で歳徳神を祀る初寄り合いでは鏡餅を飾るのが常識で過去には5升分を飾る地区もあったとか。


今もなお冠婚葬祭時の餅の入り用が多い老舗。

大福餅 120円(税込)

県内屈指の米どころ坂井市にある餅専門店。江戸末期に創業以来、現在の主人で5代目となる。屋台に餅を積んで、三国駅前まで売りに歩いていた当時から今日まで、素材にこだわった餅や季節ごとの餅菓子、団子を作り、変わらぬ味を届けている。餅米を持参して注文する常連客や冠婚祭にはまとまった数を注文する地元客など、贔屓客も多い。


はんしょの下 木村餅店
【住所】福井県坂井市三国町覚善8-58-4
【電話】0776-82-0318
【時間】9:00~17:00
【休日】水曜
【駐車場】8台




━ 府中の城下町 ━

江戸時代に越前府中城主・本多富正によって整備された城下町は、中央を北国街道が貫き、商店や町家は街道沿いに集められた。中心部にある寺町を筆頭に寺社仏閣も密集して建てられており、人々の暮らしと信仰が深く結びつくなかで、伝統を大切にする気質が育まれた。その精神は打ち刃物の関係者でおはぎを贈り合う「鍛冶屋まつり」などの独特の風習や根強い祝餅の習慣にも息づいている。


やさしい甘みが広がる、素朴な味わい。

大福 100円(税別)

改装した店内は、店主こだわりの木製ショーケースがお出迎え。情緒豊かな竹皮包みのあべかわ餅が有名だが、大福や赤飯を目当てに通う人も多い。代々受け継がれている分量を守りながら作られる餅はやさしい味わい。『あめ小』という名は、創業時に飴屋だったことに由来しているそう。


たけふ四季の餅 あめ小
【住所】福井県越前市国府1-6-5
【電話】0778-22-1272
【時間】8:00~16:00
【休日】火曜、月2回不定休
【駐車場】2台



店構えと餅の味で感じる100年の歴史。

おはぎ 80円(税別)

『ちひろが生まれた家』と壁を共有している長屋造りの店は、1902年には建っていたという年代物だ。9月(お彼岸)~・2月上旬までは大福やおはぎ、あん餅の季節。未精白の北海道小豆・ザラメ糖にこだわった伝統のあんこは、しつこさのない上品な甘みが自慢。米の旨味がつまった無添加の餅との相性も申し分なし。


ふく家餅舗
【住所】福井県越前市天王町4-14(大門通り)
【電話】0778-24-3619
【時間】8:00~18:00
【休日】月曜不定休
【駐車場】2台



素朴さと安全・安心な餅作り。

戦後よりせんべい屋さんを営んでおり、昭和55年に餅屋に転業。県内でもいち早くエージレスパックを導入し、作りたてのおいしさを届けている。国産材料を吟味し、寒の水で作り上げた丸餅やとぼ餅(豆、こんぶ、えんどう)、よもぎあん入り餅(冷凍)、赤飯などを販売している。


木下餅店
【住所】福井県越前市武生柳町1-1
【電話】0778-22-2079
【時間】8:00~17:00
【休日】不定休



月刊ウララ11月号(582円+税)の巻頭は「ふくいのお餅。」大特集。伝えたいおいしい食文化を掘り下げた一冊です。書店、コンビニ、通信販売で好評発売中。もっと読みたい方は、ぜひご覧ください。


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#エンタメ#グルメ#月刊ウララ

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