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2019/11/29
とにかく読みやすい、分かりやすい古典の「裏本」。
“古典”と聞くだけで「退屈~」「つまんな~い」と、パブロフの犬のような反応をしてしまったそこのあなた。
そして古典アレルギーをまだ体内に宿していない子どもたち。
そんな方々に、ぜひおススメしたい一冊。
それが、この秋発売された『古典の裏』だ。
枕草子、源氏物語、平家物語、徒然草、、、。誰もが一度は聞いたことのある(というかテスト前にで七転八倒し、逆恨みの感情すら覚えた)作品のウラ話を、分かりやすい文章と、さらに分かりやすい4コママンガで解説している。
「源氏物語の中で、いちばんあざといのは誰?」
「かぐや姫が地球に来た理由は、彼女が〇〇だったから」
「兼好法師が徒然草を書いた本当の理由は〇〇から」
「平安時代、女性の顔を直接見ることは〇〇と同じ」
「清少納言が枕草子を書いたのは〇〇だから」
ほら。興味湧いたたでしょ?
衝撃的でしょ?
こんなの授業で習ってないでしょ?
ちなみに、清少納言が枕草子を書いたのは「そこに紙があったら」なんだとか。
「古典の裏」は、実はとっても面白い歴史的なベストセラー作品たちを、10倍楽しく読める一冊に仕上がっている。
しかも作者の松村瞳さんはナント福井出身。
これは話を伺わないわけにはいかない!
――この本を出版されたきっかけは?
松村:2017年に、オンラインの文章塾「文LABO」を立ち上げ、ブログをアップしていました。ブログでは古典の現代語訳なども載せていたのですが、同じようなサイトがたくさんあるし、普通に現代語訳を掲載するだけでは大手さんに勝てない。そこで、古典をできるだけわかりやすく、面白く、役に立たない知識を入れながら「裏」の受け取り方を発信することにしたんです。それが出版社の方の目に留まり、書籍化のお話をいただきました。最初に出版社さんからのメールを見たとき、新手の詐欺だと思っちゃいました(笑)
――出版後の反響は?
お母さん方世代の方に読んでいただいて、「自分が高校生の頃にこの本に出会っていたら、もっと楽しく授業を受けられたのに」と言っていただきました。「読んでいて楽しい」という反応が本当に嬉しかったです。私は塾の講師もしてきたのですが、古典の授業となると気持ちよさそうに寝ている生徒の姿が必ず居る。なんというかそれが…とてもムカついたんですね(笑)。どうやったら私の授業に喰いついてくれるか? と考えていたところ、思い出したのが自分の高校時代のこと。古典の先生がとても面白い方で、裏の話を盛り込みながら授業をしてくれる先生でした。お話の設定、例えば色や重さ、温度、視界を説明してくれ、その「物語のイメージが湧くような」授業は、私が今ブログや書籍で行っている内容の大きなヒントになっています。
――原点は自分の高校時代だったのですね?
この本の一番の肝はQ&A。それらの案を出すのに半年以上かかりました。ボツになったアイディアもたくさんあります。どうすれば古典の内容を逸脱せず、喰いつきが良い内容になるか? 高校時代に恩師から受けた授業、塾教師で直接生徒とやり取りしたコト、ブログ上でのコミュニケーションなど、それまでの経験をすべて活かしてQ&Aが生み出されたと感じています。
――これまでの経験が凝縮された一冊なんですね。
書籍を執筆するのは初めての経験でしたが、出版社のみなさん、素敵な4コママンガをつけてくださったイラストレーターのすぎやまえみこさん、他にもたくさんお方の力を借りて出版することができました。
――最後に福井のファンに一言。
紫式部の項目で、福井のコト書いておけばよかった(笑)。福井には私の授業を受けてくれた生徒たちがたくさん活躍しています。今でも会うことがあるのですが、「先生の授業で聞いた古典の物語や文章の指導が、就職で一番活きた」と言ってくれます。福井の方々とは今でも縁が深く、繋がっている方がたくさんいます。ぜひ多くの方に読んでいただけたら嬉しいです。
古典の裏
松村 瞳(文Labo)(著/文 他) / すぎやま えみこ(イラスト)
【定価】1300円(税別)
松村瞳(文Labo)
同志社女子大学卒。学生の頃から家庭教師として国語指導を担当。2017年より「文LABO」を主催。自己推薦文・小論文・エントリーシート・読書感想文・スピーチ原稿など、「書く」を専門に指導に当たる
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