
“麺のプロ”宗近鉄也さんがお送りする麺好きのための連載「麺 to the future」。前回のテーマは「“麺のプロ”誕生秘話」でしたが、第2回目の今回は、この時期ならでは「年越しそば」です。
家庭で美味しく食べるコツから、世間の年越しそば事情までたっぷりとお伝えします。
記事の最後にはとっておきの情報もありますのでぜひ最後までお読みください!
宗近鉄也(むねちか・てつや)
株式会社 宗近 専務(四代目)
1980年、越前市(旧武生市)生まれ
高校卒業後、大学進学を機に上京。大学卒業後は某企業で数多のクレーム対応に従事、約6年間勤務。その後、奈良県の製麺所に就職、約4年間勤務。32歳で実家である『株式会社 宗近』に就職、35歳で専務に就任。現在に至る。
-早速ですが大晦日といえば年越しそば。一年の最後(笑)、美味しく食べるコツはありますか?
ズバリ、茹で方です。
茹で方で失敗して、美味しさ半減ということはよくありますよね。麺を提供している側としては、皆さんが上手く茹でているのか、かなり気になります。
-失敗している方は多いような気がします。どうすれば失敗しませんか?
私たちは麺の特徴や形状(麺の断面や水分量など)を確認して、麺の茹で上がり具合を肌感覚で調整しています。「表示では〇分だけど、あと〇秒ほど長く茹でた方が美味しいかも」みたいな感覚です。
この感覚を皆さんにお伝えできれば、もっと麺を美味しく食べてもらえるのになぁ…。「家庭で美味しく麺を茹でる方法」は、私の永遠の課題なのかもしれません。
-そばにはゆで麺と生麺がありますよね。当然、茹で方が違いますが…。
ゆで麺は、一度茹で上げてあるので、お湯にサッとくぐらせ温めるだけでOK。柔らかくて食べやすく、調理も簡単で、昔から一定の人気があります。
一方、生麺はお湯で茹で上げ、しっかりと水で締めると美味しく食べられます。ゆで麺よりも手間はかかりますが、断然に美味しいです。
-今すぐにでも出来る、茹でる簡単なコツは?
ご自宅にある一番大きな鍋で、たっぷりのお湯で茹でること! たったこれだけ?と思われるかもしれませんが、「沸騰していない」「お湯が少ない」場合、美味しく茹で上がりません。
逆にお湯がたっぷりあっても、「一度に大量の麺を茹でる」場合は失敗の可能性大。お湯の温度が急激に下がり生煮えの状態になり、美味しく茹で上がりません。生麺重量に対し10倍以上のお湯を使い、なるべく少ない食数ずつ茹でてください。
-茹でている最中、茹でた後、それぞれで気を付けるべきポイントは?
生麺をお湯に入れたら、優しくソッと麺をほぐすこと。乱暴に混ぜすぎると、麺が切れてしまいます。茹で上がり後は、キンキンの氷水で麺を締めること(真冬は水が冷たいので不要)。しっかり締めることで、「喉越し」「コシ」が格段に良くなります。
「茹でる前のたっぷりのお湯」
「茹でた後の氷水」。
最初と最後が肝心です!
それと、麺の形状にも、美味しく食べるヒントが隠されていますよ。
-ぜひぜひ教えてください。
麺の断面によっておススメの食べ方があります。
正方形に近く、細打ちの麺なら「ざるそば」。濃い目のつゆにつけてシンプルに食べるので、喉越しが良い正方形の細打ちの麺です。
平たく、太打ちの麺なら「おろしそば」などのぶっかけそば。つゆ以外の具材が麺と絡み合うので、麺が具材の存在感に負けてしまわないためにも、太い方が相性が良いです。
実は、福井のスーパーで見られる生そばは「平たい太打ちの麺」。おろしそば文化が根付いている福井県民のための麺といったところですね!
温かいそばで召し上がる場合、太麺・細麺どちらでも美味しいですが、個人的にはスルッと口に入りやすい細麺の方がおススメです。
ちなみに、全く同じ原料・配合の麺でも、0.1mm単位の切り方の違いで、茹で時間も変わりますし、食感も味わい方も全然違います。これも麺の楽しみ方のひとつかもしれません。今年は麺の断面にも注目して、年越しそばを選んでみてはいかが!
次ページ→意外! 世間の年越しそば事情&製麺所の年越しエピソード。
-ところで、年越しそばについてアンケートを取っているとか?
皆さんが、いつ食べていて、どんな食べ方をしているのか、お供は何か…麺のプロとしては気になるところ。数年前からショッピングセンターやイベント出店時など、たくさんの方にアンケートを取っています。
<いつ食べる?(2017年調べ)>
1位/夕食として(61人)
2位/22時頃、夜食として(21人)
3位/食べない(6人)
4位/24時過ぎ(5人)
番外編/いつも食べているので逆に食べない
<どんな風にして食べる?(2017年調べ)>
1位/温そば(45人)
2位/おろしそば(36人)
3位/おろし&温そば(5人)
4位/カップ麺(3人)
番外編/ラーメン
-おろしそばが2位とは意外。カップ麺も気になります。
そうですね、定番の海老天とかトッピングしたら、温そばになりますよね。やっぱ寒いですし(笑)
カップ麺、今年はNHKの「まんぷく」で人気爆発でしたね。私も子どもの頃からよく食べてましたよ。
-製麺所の子どもがカップ麺を食べている…想像できません(笑)
私が高校生くらいまで、社内では「自分たちで作った麺以外は食べるな」みたいな、すごく古風で固い考え方がありました。まさに井の中の蛙! だからカップヌードルとか出前一丁とかを食べたくても簡単には食べられず、日曜日、親が留守の間に買いに行き、こっそり食べるくらいでした。禁断の味ほど美味しいものはないですよね。
<お供は?>
1位/おせち(9人)
2位/焼肉・すき焼き、寿司、オードブル(各3人)
5位/漬物(2人)
番外編/鍋
-おせちとは気が早い、フライングですね。ちなみにご自身が子どもの頃の大晦日の様子は?
年越しそばで両親は慌ただしく、大量の麺に囲まれている光景がずっと目に焼き付いています。そして中学~高校は、麺の袋詰めやスーパーでの販売のお手伝い。スーパーでの売り込み(声出し)は部活で慣れていたので得意でしたし、楽しかったです。売り込みの途中で気になる他校の女の子がいて、声をかけて仲良くなったという淡い思い出も(笑)
-ところで、今年の年越しそば。どうですか?
年越しに向けて、生そばは12月23日(月)~27日(金)、ゆで麺は27日(金)~29日(日)が、それぞれ製造のピーク。現在、ホームページでも年越しそばの注文を受け付け中、年内お届けの最終受付は、12月23日(月)17時までです!
最近では、製麺所に買いに来てくださる地域の方がたくさんいらっしゃいます。ホームページに掲載されている商品は全て直売可能! 直接話をしてみたい、聞いてみたいことがあれば、お気軽にお問い合わせください。
では、美味しいおそばで、良いお年を!
宗近製麺(むねちか)
【住所】福井県越前市北町45-63-1
【電話】0120-22-3139
【時間】10:00~17:00(日曜、祝日除く)
【HP】あり
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