【パルタージュ】

京都、福井での個展と夫への感謝。①

2019/05/28

『展覧会初日、台風の京都—上京区のゲストハウス前』

 初めて出場するパリマラソンがいよいよ目前に迫ってきた。目標としているタイムは4時間だ。マラソンが開催されるのと同じ4月14日、娘は柔道のフランス全国大会に出場し、決勝戦に臨むことになっている。これが終わると、6月には京都で2回目の開催、その後福井の二つの会場で夫との二人展が控えていて、関係先への案内や作品リストなどの準備に取り掛かっている。
 娘が小学校に入るまでは、夫も展覧会のために来日して、(夫が)大都会での発表を希望していることもあり、東京の銀座や金沢で個展をしたこともあった。
 とはいえ会期中に滞在する場所の手配や作品の配送、移動などにかかる経費や負担は少なくないため娘が学校に入学してからは、私が単身で日本に滞在するようになっていた。
 こうした煩わしさと慣れた故郷の居心地の良さから、ここ数年は福井で個展を開くことが多くなっていたが、ある意味、夫の思いを無視してきたともいえる。妻としてはやはり夫を尊重すべきではないかと思い直し、福井から一番近い大都市の京都で昨年9月に続いて今年も展覧会を行なうことにした。
 京都では4年前、現地に住む絵描きの友人に何軒かギャラリーを紹介してもらったことがあり、その時の記憶をたどりながら福井での個展を終えた2年前に、ヨーロッパ風の額を扱う店や、ギャラリーが何軒も集中している通りにもう一度足を運び、準備をスタートさせた。その頃の京都はちょうど紅葉の時期で、『京都国立博物館』では特別展覧会「国宝」が開催されていた。

画家/五百崎 智子
1971年、福井市生まれ。福井大学美術科、大学院で油絵を学ぶ。今回は歌川広重の「大橋あたけの夕立」にインスピレーションを得て構成。昨年9月の京都での初めての展覧会は初日に大型の台風に見舞われた。滞在したゲストハウスのオーナー夫人が話好きで毎晩のように話を聞いていたことも懐かしい思い出に。

#コラム#アート#連載

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