
2019年7月、福井市中央公園で開催された福井初の都市型フェス『ONE PARK FESTIVAL』。同フェスの音楽顧問を務めた“社長”(福井出身)がアジテーターを務めるSOIL&“PIMP”SESSIONSが1年半ぶりにオリジナルアルバム『MAN STEALS THE STARS』を昨年12月にリリース。
先日、CHOPでリリース記念ライブを行なった彼らを代表し、今作について、そして昨年末に開催をアナウンスした『ONE PARK FESTIVAL 2020』に向ける想いを、バンドのスポークスマンである社長に話を聞いた。
前作を作り終わったときから、次はインストかなという意識はあったと思います
――『MAN STEALS THE STARS』は、“未来からやってきた詩人の架空の物語”がコンセプトなんですよね。きっかけなんですか?
タブゾンビが作ってきたデモを聴いたときに、ピアノの丈青が「ブレードランナーみたいだね」と言った一言がきっかけとなり、タブゾンビがイメージしていた“近未来・宇宙・タイムトラベル・パラレルワールド”といったキーワードを意識してアルバム制作が進みました。後にその曲に、詩人の山崎円城さんをポエトリーリーディングでフィーチャーすることになったのですが、円城さんが書いてくださった詩の一節に「MAN STEALS THE STARS」という言葉があり、これしかない!とアルバムタイトルとさせていただきました。
――前作『DAPPER』では多くのボーカリストやラッパーをフィーチャリングに迎えていましたが、今作はポエトリーリーディングの山崎円城さん、ドラマーの石若駿さん、ギタリストの長岡亮介さんをフィーチャリングに迎えていますね。いわゆる“歌モノ”ではない作品にしたのはなぜですか?
特に理由はありませんが、前作を作り終わったときから「次はインストかな」という意識はあったと思います。こちらが本来の姿ですから。その中で、ボーカリストではなく、プレイヤーをフィーチャーしたら面白いんじゃないかな、というアイディアも実現しました。
――ポエトリーリーディングの山崎円城さん、ドラマーの石若駿さん、ギタリストの長岡亮介さんに客演を依頼した理由を教えてください。
山崎円城さんは学生の頃からの憧れの存在でした。彼のバンド「F.I.B Journal」からはたくさんの影響を受けましたし、石若君は今最も求められているドラマーです。現代ジャズにおいては、ビートと音色が新しさを印象付ける、大切な要素です。FUYU君と共に、新しいビートの風を吹かせてくれました。
長岡君は長い付き合いの友人で、20年前にタブゾンビと一緒にバンドをやっていたんですよ。
――想像ですが、フィーチャリングを迎えることで、制作期間が長くなるのじゃないか?と思うんですが、実際、今作はどれほどの時間を費やしたのでしょうか?
今作は早かったですね。夏ごろから作曲はスタートしていましたが、実際のメインのレコーディングは1週間くらい。その後の作業も含めて、トータル3〜4カ月くらいだったかと。 今回ゲストにお招きしたような、実力のあるプレイヤーは仕事も早いんですよ 。
――前作『DAPPER』をリリースした際、インタビューで「近年の海外ジャズシーンのレベルの高さに、センスももちろん重要だけど、僕も含め、めちゃめちゃ練習しなきゃなと思った」と答えていたことに驚きました。今作もその想いは強いですか?
そうですね、今作はあまりその意識はありません。練習が必要かどうかは、メンバーそれぞれ違いますしね。相変わらず、ハイレベルな海外のジャズシーンからは刺激をうけています。
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瞬間的に爆発するより、精神と肉体がじっくりと高揚していくような音を作っていきたい
――SOIL&“PIMP”SESSIONS=DEATH JAZZですが、今作も前作に続き、結成当初からのキャッチフレーズ「DEATH JAZZ」とは真逆と言っていいのかわかりませんが、反対にいるなと…。
精神的には何も変わってないんですけどね。
ただ、今までのような瞬間的に爆発するような音よりも、リスナーの心と体に響いて、精神と肉体がじっくりと高揚していくような、そしてその感動が長く持続するような、そんな音を作っていきたいと思っています。
――ポエトリーリーディングの山崎円城さんをゲストに迎えた作品からスタートする今作。曲名がアルバムと同じ「MAN STEALS THE STARS」ということで、曲順へのこだわりも感じました。
おっしゃる通り、曲順はこだわりました。1曲目、真ん中の7曲目、そしてエンディングの13曲目にポエトリーがはいっているんですが、それぞれのポエトリーの最後のフレーズがリンクしているんです。それを意識して聴いてみて下さい。
――アルバムを聴いていて、今作は「“ドラム”=ビートに重点を置いているのかも」ふと思ったのですが、これは正解でしょうか?
正解です。リズムは重要です。
――といいつつも、個人的には8曲目の「Lyra’s Attack」がお気に入りです。SOILにエレキギターって…。めちゃめちゃカッコいいです!制作の裏側が聞きたいのですが。
個人的には初めてギターをレコーディングしたので、新鮮な体験ができました。後半のアジテーションは、思い出深いものとなりました。ああいう叫びはあまり得意ではなかったんですが、タブゾンビが的確にディレクションしてくれたおかげで1テイク目でOKになりました。
――先日のアルバムリリースを記念した、CHOPでのライブお疲れ様でした。次にSOILのライブが見られるのは、年末に2020年の開催をアナウンスした『ONE PARK FESTIVAL 2020』になるのでしょうか? ちょっと気分が早いかもしれませんが、今年はどんなフェスを考えていますか?
今年も素晴らしいアーティストの皆様にご出演いただきます。また地元のスタッフが素晴らしい動きをしてくれています。今年も間違いなく楽しいフェスになります!
2019.12.4 release
「MAN STEALS THE STARS」
Getting Better / Victor Entertainment
VIZL-1672 [初回限定盤(CD+DVD)] 3800円 (+税)
VICL-65274 [通常盤(CD)] 2900円(+税)
SOIL&“PIMP”SESSIONS
タブゾンビ(Tp)/ 丈青(Pf)/ 秋田ゴールドマン(Ba)/
みどりん(Dr)/ 社長(Agitator)
2001年、東京のクラブイベントで知り合ったミュージシャンが集まり結成。ライブを中心とした活動を身上とし、確かな演奏力とクールな雰囲気をただよわせながらも、ラフでエンターテイメント、バースト寸前の爆音ジャズを展開。2005年には英BBC RADIO1主催の“WORLDWIDE AWARDS 2005”で「John Peel Play More Jazz Award」を受賞。以降、海外での作品リリースや世界最大級のフェスティバル“グラストンベリー”、モントルージャズフェスティバル、ノースシージャズフェスティバルなど、数々のビッグフェスに出演、これまでに31カ国で公演を行うなど、ワールドワイドに活動を続けている。2019年12月に約1年半ぶりとなるオリジナルアルバム『MAN STEALS THE STARS』をリリース。
SOIL&“PIMP”SESSIONS Official Web Site
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