【インタビュー】最新作が金沢で公開。是枝監督が、映画の『真実』を笑顔で語る。

2020/01/17

世界が絶賛した是枝裕和監督の最新作! 第76回ヴェネチア国際映画祭コンペディション部門オープニング作品『真実〈特別編集版〉』が1月11日(土)から金沢の『シネモンド』にて公開。

シアター前に置かれたポスターに書かれた是枝監督のサイン

12日(日)の上映後には是枝監督のトークショーが開催されました。金沢へ来るのは2009年、『空気人形』の時以来。今作の魅力や撮影秘話を語りました。


――『真実』を撮るキッカケとなったのは?

遡ること15年位前。「キャリアの晩年を迎える女優が出番を待つ……」、という楽屋だけで展開する話を書いていました。今日みたいな雨の日に東京のパルコ劇場で。でも、書いてるうちに着地点が分からなくなって。結局、話途中で寝かせていましたが……。でも、これを制作会社から「やろうよ」と話を持ちかけられて、社交辞令的にハイと返したのですが。でも、リライトすると「フランスでやれるかも」と思って、親子3世代の話となりました。

―― 上映は〈特別編集版〉でしたが通常版とはどこが違いますか。

作品自体は変わりません。〈特別編集版〉は、あまり話とは関わらないシーンも監督目線で入れました。自分の好きなシーンが盛り込まれた、いわゆる〈愛蔵版〉ですね。だから通常版の方が内容の分かりやすい、シャープなものに仕上がっていると思います。※特別編集版は通常の作品より10分ほど長い。

―― 監督初の日仏共同制作作品ですが、海外ロケに苦労はありましたか。

まず、言葉(日本語)が通じないのですけど……、でも楽しかったです。通訳の方がまた天才的でして。こちらの気持ちをすべて組みとって通訳してくれる。彼女なくしてこの映画はできませんでした。

劇中では多くを語らず、言葉にしないシーンが多いです。表情の変え方やしぐさの演技で表現しています。でも、目の動かし方ひとつとっても日本人とフランス人は全然違いますね。


―― 撮影も期間もかなり長かっただったようですが。

出だしから考えると本当に長かったですね。撮影も1年前からロケハンをしました。そうしないと、その時期のパリ雰囲気もわからないので。住宅街の家探しからはじまり、色々いい家を見つけましたが、主演のカトリック・ドヌーヴが「ここはパリじゃない」と言い出したり。自分の家から遠かったのがいけないみたいで(笑)。

―― フランスと日本の映画製作の違いについては。

文化、芸術に手厚いフランスではスタッフや俳優は労働時間に制約があり、決まった時間にきっちり帰ります。フランスには芸術に携さわる人の生活保障があるのが、日本とは大きく違う。食事も一日4食(笑)。なので制作環境も変わってきます。日本では一日一食なんて当たり前ですけどね。

―― 福井県に関することも聞きたいです。 福井県では『メトロ劇場』で18日(土)より公開となります。福井県では「東尋坊」や恐竜が有名ですが、何か福井を題材にした映画を撮りたいと構想したことは?

昔、「東尋坊を題材にした映画を撮りませんか?」と話を持ちかけられたことがありました。自殺者を止めることで有名になった方を題材にしたドキュメンタリーです。


数百名の自殺を止め、「命の番人」とも称された方がいらっしゃいましたね。貴重なお話をありがとうございます。ぜひ、福井でのロケをお待ちしております! 最後に、これから観る方へのメッセージを。

そうですね。観終わった後に、いつもより遠回りして帰ってほしいです。せっかくの映画を楽しんだ後なので余韻に浸りながら。

福井県では1月18日(土)~31日(金)まで『メトロ劇場』で公開予定。ぜひ、劇場でご鑑賞ください。

【ストーリー】
国民的大女優ファビエンヌが自伝「真実」を出版。海外で活躍する脚本家の娘リュミュールをはじめ、出版祝いに集まった家族の気がかりはただ一つ。「いったい彼女は何を綴ったのか?」綴られた〈嘘〉と綴られなかった〈真実〉が、次第に母と娘の間に隠された、愛憎渦巻く心の影を露にしていく――。幾重にも重なるテーマを貫禄たっぷりに、時に軽やかに奏でるドヌーヴの圧倒的存在感! 名優たちの見事な会話劇も冴え渡る。イーサン・ホークら男性陣にもスポットを当てた特別編集版。


シネモンド
【住所】石川県金沢市香林坊2-1-1 香林坊東急スクエア 4F
【電話】 076-220-5007
【料金】一般1800円
【HP】あり
【SNS】 facebook Twitter

真実〈特別編集版〉
1/24(金)まで上映



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#インタビュー#おでかけ#エンタメ

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