【かずのすけの美容塾】
2020/02/10
Q:「かずのすけさんが推す、セラミドの魅力とは?」
今回のご質問は「セラミド」の魅力についてですね。まず、これまでもよく「かずのすけさんのイチオシの美容成分はなんですか?」というご質問を頂くことがあったのですが、そういった際にも僕は必ず「セラミドです」と答えるようにしています。それくらい僕にとってセラミドは欠かせない成分です。
まず、セラミドとは簡単に言えば「お肌のバリア機能」を司っている物質です。我々の皮膚の一番表層の「角層」にはラメラ構造という独特の構造があり、これは水分と油分の層がミルフィーユ状に重なることで肌内部の水分の蒸発を防ぎ、外部から微生物や危険な物質が侵入してくることを拒んでいます。そしてこの層を形作る重要な成分が「細胞間脂質」と呼ばれるもので、セラミドはこの細胞間脂質の主成分なのです。セラミドが不足すると細胞間脂質による肌バリアが欠損してしまい、外部の刺激を受けやすくなり、水分が蒸発し肌の乾燥が進んでしまいます。いわゆる「敏感肌」や「乾燥肌」はセラミドの不足がその一因となっていると考えられており、またアトピー体質の人は生まれつきセラミドの産生量が少なかったり、加齢によってセラミドの産生量が低下したりすることも分かってきています。つまりセラミドが豊富であるほどお肌は強くなり、肌が荒れにくくなるのです。このことから、セラミドは特に敏感肌や乾燥肌、アトピー、エイジングケアなどに効果的な成分と注目されています。
つまり、セラミドはその生理的効果よって肌をキレイにしてくれる成分ではなく、「お肌の防御力」を上げることで肌の健康を保つ成分です。そういうとお肌の細胞に働きかけるなどのアグレッシブな美容成分と比較すると魅力的でないと思うかもしれませんが、そういった成分の多くはお肌の奥底(例えば真皮や基底層)にまで浸透しなければ効果がないものがほとんどです。化粧品では実質そこまでの浸透は難しく、効果もほとんど得られない場合が多い一方で、セラミドは元より皮膚表層の「角層」に含まれる成分のため、肌の奥底までの浸透は必要なく化粧品による塗布でも十分な効果を発揮できます。
さらに、上記のような肌の細胞に働きかける成分の多くは刺激があったり、アレルギーが起こったりするなどのデメリットを持つものが大半です。セラミドにはそのような肌に負担になる要素がほぼ無く、敏感肌やアトピーなど強い効果の成分が使えない人でも利用可能という利点があります。
以上が僕がセラミドを特に推している理由になりますね! 本当はもっと深い話が沢山ありますが、セラミドの魅力が少しでも伝わったら幸いです!
かずのすけ
美容化学者。横浜国立大学大学院修了。化学で美容を解説するブログが人気で月間500万PV、Twitterフォロワー6万人超。著書は『オトナ女子のための美肌図鑑』(ワニブックス)、最新刊『美肌成分事典』(主婦の友社)ほか9冊。坂井市丸岡町出身。本名:西 一総(かずさ)
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