月刊ウララ2月号『What’s Hot?』より。今、気になる場所・ヒトの一部をお見せします！

2020/02/11

たった10秒で日本を、世界を変える。

福田裕子
理学療法士
1969年今立町（現・越前市）生まれ。武生高校、京都大学医療技術短期大学部を卒業。理学療法士として経験を積み、 2019年12月に『一生歩ける体をつくる10秒ポーズ健康法』を上梓。

小さい頃、叔母に連れられ障害者施設に行った。マンガの登場人物の姿に憧れた。その登場人物の職業を目指す友人がいた。両親から「手に職をつけろ」と言われた。彼女が理学療法士への道を進むきっかけは小さい頃から決められたように思う。

「リハビリで助けられる」。その仕事には希望があった。しかし自信を持って臨んだリハビリで患者は治らない。「改善しない事実は相当ショックでした」。さらに体調も崩し、帰福を余儀なくされる。自らも治療をうけながら理学療法士として復帰したその頃、介護保険制度が改変されていく。必要な時代に必要とされるスキル。彼女の存在価値は高まっていく。予防介護が叫ばれ始めたとき、より多くの人を救いたい思いがフリーランスの道を選ばせた。　

それぞれの人に合う介護予防の運動を実施しているうち、別々の人に同じような動きが出てきたのだ。どんな状態でも立ち上がることができる秘訣がある。８年をかけてでき上がった書籍は、販売わずか５日で再販が決定したほど、時代に待ち望まれた書籍だった。　

世界が注目する長寿国に突入した日本。国民一人ひとりが立ち上がり、歩き出す国を作る。“10秒ポーズ”はそのためのツールになる予感がする。

世界にないものを。
ものづくり福井の決意。

WAVELET RESPECT
炭素繊維は2枚貼り合わせただけで、平板での耐荷重1tという強度を誇りながら、総重量は6.7kg。実際に座ると、座る人の体重に合わせてしなりを見せ、優しく体を包む。背板を外せば車にも掲載可能。水にも塩にも火にも強いので、海辺に持参もできる。価格は220万円を予定

マルイチセーリング株式会社
【電話】0778-43-0101
【HP】あり

炭素繊維。文字通り、炭素でできた繊維。鉄より軽く、鉄より丈夫。さらに環境にも優しい、未来の地球の切り札的存在。現在、航空宇宙業界などでも使用されているそれは、繊維産業の発達した福井でも生産されている。が、対企業向け製品の域を出ない。一般向け商品にするなど誰も考えつかなかった。「せっかく福井で作られているのだから、もっと身近なものを作りたい。福井にしかできないものを、世界に誇れるものを」。創業70年の会社『マルイチセーリング』は椅子作りから始まった。世界初の炭素繊維チェアはまさに原点へのオマージュ。　

しかし、辿り着くまでに5年の月日を要した。一度は挫折し、計画も頓挫しかけた。それを救ったのはデザインだった。川崎和男氏に小林幸一会長はこう言った。「生きている間の最後の作品にしよう」。そのくらいの覚悟を持ってお互い取り組もうという決意。根底にあるのは福井への愛そのもの。世界にないものを１５００年以上続く福井の“ものづくりDNA”は生み出すことができる。そうやって切磋琢磨して生まれたチェアは、美術品と見まがうばかりの美しさ。加えて炭素繊維の性質を十二分に生かした機能。“１００年後も飽きない”椅子は、２０２０年ドバイ万博で世界デビューを果たす。

ゆるいつながりのツール、
“どこでもサウナ”。

テントサウナ
活動や今後のイベント情報などはSNSにて。
【SNS】 Instagram

“裸の付き合い”という言葉がある。「本音を言い合える仲」という意味だが、文面通りに風呂に入ることで親睦を深めることができる、という調査も表れているという。ただ、条件がある。風呂がある場所でしか、かつ同性同士でしか成立しない、ということだ。もしあらゆるところで、さらに異性同士というのが成立するとしたら？　そんな新しいツールが今、生まれている。　

テントサウナ。これも文面通り“テントでサウナを楽しむツール”のことである。テントの中にストーブを焚く。至極シンプル。だからどこでも設置可能、水着を着て入るので老若男女を問わない。つまり、いつでも同じテントの中で過ごすことでコミュニケーションができる、ということだ。幸い福井にはすぐ近くに自然がある。山でも海でも川でも、テントを立てればそこがコミュニケーションの場になる。

「TENT SAUNA CARAVAN」として活動している一人、前田浩貴さんは「テントサウナもどちらかといえばゆるいコミュニケーションのツールです。サウナには肩書きを脱いで入れという言葉があり、いろんな人とフラットに付き合える場になると思います」。福井人気質に合いそうなテントサウナ、一度お試しあれ。