【かずのすけの美容塾】
2020/03/10
Q:シミ発生後でも可能な対処法はありますか?
基本的に、「化粧品」や「医薬部外品(薬用化粧品)」では出来たシミを消すことはできないとされています。例えば皆さんが聞き慣れている「美白化粧品」とは医薬部外品で、シミを消したり肌を白くしたりする効果の化粧品ではなく「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」といった、あくまで『予防』に留まる効果になっています。
元々シミは、刺激や紫外線などから肌を守るために作られる「メラニン」という色素が皮膚内部に定着してしまったものです。シミには成因などによって様々な種類があり、例えば怪我などの炎症を起こした後にできる「炎症後色素沈着」や、長期的な紫外線の曝露によって時間をかけてできる「老人性色素斑」、微弱炎症の蓄積やホルモン系が作用しているとされる「肝斑」などが知られています。炎症後色素沈着は傷が深くなければ数ヶ月程度の時間経過で自然と消えていく一方で、老人性色素斑は出来た後はレーザーなどで治療しない限り消えることは殆どありません。このように同じシミでも種類があるため、同じケア・治療法ですべて対策できるわけではないのです。
ただし、もしシミが出来てしまった場合、それが「炎症後色素沈着」の場合は化粧品でもある程度のケアが可能です。これはニキビや、皮膚炎や掻き傷の後にできるシミが該当します。元々何もしなくても徐々に消えていくシミなので、特別なケアをする必要もないのですが、①日焼け止めで紫外線が当たらないようにする ②トラネキサム酸などの抗炎症成分で炎症を早めに鎮める ③美白化粧品でそれ以上のメラニンの生成を防ぐ などのケアをすることでシミが濃くなるのを防いで、シミが消えるまでの時間をより短くすることができます。
一方で20代後半ごろから気になってくる「老人性色素斑」は、出来てしまってからは化粧品でのケアはほとんど効果がないとされています。紫外線の長期曝露により発生するため、できる前に日焼け止めでしっかり紫外線対策をしたり美白化粧品でケアしたりすることで発生を予防することはできますが、シミ自体を消すことはできません。この場合は潔く美容皮膚科等でレーザー治療などを行うのが最も効果的です。
ちなみに、化粧品ではハイドロキノンや活性型ビタミンCなど、強力な美白効果を持つ成分もあります。一応これらの成分を高濃度で使用したりすることでもシミの改善を期待することもできますが、いずれもとても刺激の強い成分なのでかえって肌荒れしてシミが濃くなるというケースもあるので、手放しでオススメできる方法ではありません。
かずのすけ
美容化学者。横浜国立大学大学院修了。化学で美容を解説するブログが人気で月間500万PV、Twitterフォロワー6万人超。著書は『オトナ女子のための美肌図鑑』(ワニブックス)、最新刊『美肌成分事典』(主婦の友社)ほか9冊。坂井市丸岡町出身。本名:西 一総(かずさ)
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