月刊ウララ3月号特集『ふくいのお鮨 12軒。』から地魚お鮨をご紹介

2020/03/10

 カウンターのある鮨屋は敷居が高いと思っていた。でも近頃の鮨屋事情はそうでもないらしい。「最近、20代ぐらいの若い世代のお客さんが増えていますよ」。いくつもの鮨屋から、そんな声が聞こえてきた。
 鮨屋自体も世代交代が進んでいて、昔気質の職人のイメージとは打って変わり、手際よく鮨ネタを握りながら、話のネタまで仕込んでいる社交的な職人が増えている。
 鮮度だけでなく、熟成によって旨味を引き出した鮨ネタにこだわるなど、温故知新的な鮨屋もあちらこちらに。
 のれんをくぐり、いざカウンターへ。職人技の一部始終を眺め、目の前に運ばれてきた鮨を口に運ぶ瞬間ほど、贅沢な時間はそうない。さあ、まちの鮨屋へ繰り出そう。

港町で地魚お鮨。

港町三国で地魚尽くしのお鮨を発見。種類豊富なネタと鮨職人の粋な計らいに目から鱗の新境地が待っている。


三国港の“最旬”を五感で味わう。

福寿し

 えちぜん鉄道三国駅のすぐ近くに店を構える『福寿し』は、その立地から観光客も多く訪れる。三国出身の書道家から贈られた作品が飾られたカウンター。2代目店主・島田英彦さんがツケ場に立つと店内は明るく、親しみやすい雰囲気に変わる。
「カウンターでは手八丁口八丁」と冗談めかすが、鮨と会話でお客を喜ばせるのが修業時代から目指す島田さんの職人像。一見客に地魚の説明をしながら常連客にも話を振るうちに、気がつけばお客同士で会話が弾む。「鮨を介して人と人がつながる楽しさも醍醐味だから、気軽にカウンターに座れる店でありたい」と島田さんは語る。

右がアジで左がイワシ。どちらも脂が乗って身は艶々。
地元でしかお目にかかれないガサエビの甘みは、左側の甘エビとはまた違った味わい。
地物のカニと〆鯖。〆鯖は好みに応じて炙りや昆布のせにしてもらえる。
ヤリイカは繊細な甘みと歯ごたえのよさが魅力。ブリの幼魚のフクラギは、旨味も脂もあるのにさっぱりとした味わい

 鮨はもちろん、話のネタにももってこいなのが、一番人気の「北前にぎり」。甘エビとガサエビ、アジとイワシ、地物の白身魚など、食べ比べることでよりネタの持ち味を深く感じられる組み合わせで提供するスタイル。地物のネタの多彩さや味わいを知ってほしいという想いが伝わってくる。
 島田さんの鮨は銀座仕込みの江戸前で、店の味を作るひと手間を惜しまないのが信条だ。「鮨はひと手間で味が変わるから、何事も基本が大事なんです」。それは開店から60年以上、毎日シャリを作る女将の辰子さんも同じ。早稲のハナエチゼンをやや硬めに炊き上げ、合わせ酢は酸味が立ちすぎない程度に爽やかに。その極意は「基本の分量と作り方を守り、毎日同じように繰り返すこと」と語る。港町ならではの鮨に舌鼓を打つ幸せに浸りたい。

北前にぎり 2640円
三国港で揚がる地の魚介10種を一貫ずつ提供。似ていても味は別物のネタを食べ比べながら大将との会話を楽しむ

「身構えずに足を運びたくなる、敷居の低い店でありたい」と語る島田さん。カウンターの鮨店には珍しく一貫の値段を表示したり、セットメニューを用意したり、客目線で安心の店づくりを心掛ける

福寿し
【住所】福井県坂井市三国町北本町2-1-45
【電話】0776-81-3168
【時間】12:00〜14:00、17:00〜22:00
【休日】火曜(祝日は営業)
【料金】予算(1人)昼2000円〜3000円、夜5000円前後
【席数】カウンター13席、小上がり11席
【駐車場】10台
【HP】あり

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#エンタメ#グルメ#月刊ウララ

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