【麺 to the future|宗近製麺】

福井そば界を担う気鋭な2人の対談! 在来種×石臼挽きに対する想いと誇りとは。|宗近製麺

2020/03/31

“麺のプロ”宗近鉄也さんがお送りする麺好きのための連載「麺 to the future」

近いようで遠い間柄、製粉所と製麺所。「製粉所さんの話って、聞いてみたいなぁ」という宗近さんの何気ない一言で対談が決まりました。お相手は株式会社カガセイフン(福井市)六代目社長 加賀健太郎さんで、聞けば宗近さんと同学年! 福井県産そばへの誇りと想い、家族経営の苦労、課題、業界全体のことまで、話は大いに盛り上がりました。

宗近鉄也(むねちか・てつや)
株式会社 宗近 専務(四代目)
1980年、越前市(旧武生市)生まれ
高校卒業後、大学進学を機に上京。大学卒業後は某企業で数多のクレーム対応に従事、約6年間勤務。その後、奈良県の製麺所に就職、約4年間勤務。32歳で実家である『株式会社 宗近』に就職、35歳で専務に就任。現在に至る。



-お二人の出会いはいつ頃で、お互いの印象はどのようなものでしたか?

宗近さん(以下、宗近) 5~6年前、粉の挽き方や原料のことをもっと知りたくて、『カガセイフン』さんに伺いました。当時、社長だった加賀さんのお父様に説明をしていただいた時、初めてお会いしたかと思います。数年後、日本酒のイベントでお見掛けして、挨拶したかな。ちなみにその時は仕事ではなく、クラブイベントでしたが…(笑)※DJに関する詳しい話はVol.1参照

加賀さん(以下、加賀) そうでした。その後、私の知人の相談事(そばのお土産)にのっていただきました。それが3年くらい前です。

宗近 加賀さんとじっくりお話するのは今回が初めてですが、以前から、製粉業界全体を良くしていこうと努力されている方だなぁと感心していました。

加賀 『宗近』さんは製麺の他に製粉も手掛け、イベントにも出店しているスゴイ人、スゴイ会社だと。だから知人の相談事も、「宗近さんなら何とかしてくれる!」と思い、お声かけさせていただきました。


-粉と麺。形は違えど、お二人ともにそばへの想い、情熱は強いですね。

加賀 昔からそば食文化が根付く福井では、“在来種、石臼挽き”は当たり前ですが、他県ではありえないこと。かなりの付加価値! 弊社の福井県産石臼挽きそば粉には自信を持っています。

宗近 お客様から石臼挽きとロール(機械)挽きの製麺の違いを聞かれます。弊社でも全て石臼挽きのそば粉を使用していて、実際、お客様にもご満足頂いています。逆にロール挽きは熟知していないです(笑)

-石臼挽きとロール挽き、決定的な違いとは?

加賀 “熱”です。ロール挽きの場合、製粉時と茹でる時、2回も熱が入る。熱によってそば独特の香りが飛んでしまいます。その点、石臼は熱を持たせないようじっくり時間をかけて挽きますので、ロールでは実現できないような香りと味わいの粉が出来上がるんです。

-石臼挽きは、決して効率が良いとは言えません。品質重視とはいえ、経営的な面で厳しさはないのでしょうか。

宗近 そこ、聞きたいとこ!

加賀 確かに石臼は効率が悪い(笑)。ちなみに弊社は家族経営で、役員以外は3名。効率が悪いから社員を多くできないこともありますが、一方で石臼挽きをチェック、管理するのが主業務ですから、少数精鋭での経営が可能なのです。だから石臼も大事な社員(職人)で、現在33の石臼が頑張っています。石臼のメンテナンス(目立て)も自社で行なっています。

宗近 弊社でも8台の石臼が稼働中ですが、目立ては社長(父親)担当です。私も目立てができるようにならないと…頑張ります! 弊社も家族経営で、役員以外は10名くらい。家族経営というと、365日頑張って働いているのに苦労が耐えず、利益も上がらない。仕事へのモチベーションも上がらないし、人生幸せじゃない…数年前はまさにそんな感じでした。

加賀 利益が上がらないからお金が残らない、お金が残らないと本当に辛い…。好きなはずの仕事が全然、楽しくないんです。なので数年前に価格を見直して、値上げをしました。

宗近 弊社も2年前に、全商品の10%値上げを敢行しました。

-両社ともに覚悟の値上げですが、顧客離れなどの不安はなかった?

加賀 実は、値上げの背景には、値上げをしない(不安でできない)県内そば店のこともあるんです。現状、おろしそば1杯は500~550円くらい。値上げしたくてもお客さんに悪いからと、そば粉の値下げをお願いされるわけです。そば粉が一番大切なところなんですけどね。県産では高いからと県外産にすると当然、味は薄くなる…悪循環ですよね。品質の高い福井県産そば粉を使っているからこそ、600円くらいでも良いと思うんですけどね。

宗近 弊社も良い製品をお届けしたいから、良い材料を使いたい。そのための値上げで、顧客離れの懸念もありましたが、蓋を開けてみれば売上数はそれほど変わらなかった。その背景には、応援して下さる方々がいて、弊社の味、美味しさを分かってくださる方が多いんだと改めて実感、嬉しかったですね。

加賀 離れていくのは、弊社の仕事を評価してくれないお客様だと諦めました。でも不思議なことに、離れていった以上に新規のお客様からの発注もありました。新規の方は、弊社の品質やこだわりを分かり、評価してくださるということ。宗近さん同様、悪くなることはありませんでしたし、付加価値を分かっていただけるお客様だけになったことで利益がしっかり残るようになりました。

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そば界気鋭な2人が挑戦したいこととは!?

#グルメ#連載

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