タグを指定
2020/04/14
90年代のトレンドをアップデートした、ダッドスニーカーやビッグロゴをあしらったファッションアイテムのブームで、若い世代を中心に人気を集めるスポーツブランド『FILA』。FILA JAPANが 2020SSの「HERITAGE」ラインからリリースした、 カプセルコレクション「FILA×RYOSUKE MISAWA」。東京を拠点に活躍する、福井県出身の写真家・三澤亮介さんに、コラボレーションの裏側、写真との出会いについてなど、さまざまなことを伺った。
――FILAとのコラボレーションは、どのような経緯で実現したのでしょうか?
FILAの担当者の方とは、とあるイベントで知り合ったのですが、、最初はコラボレーションではなく、何かルックなどのビジュアルをぜひ一緒に作らせて下さい。という話を僕からしました。
と言うのも、その時は、2018年に一度、「西武渋谷店」とミックス・フリーマガジン「HIDDEN CHAMPION」が主催する写真展にてニューヨークとロサンゼルスで撮影した写真を展示したことはあったものの、今ほど写真家としての自分自身の表現や、コンセプトを考た“写真でのアート活動”という視点での作家活動までは考えてはいませんでした。なので、どちらかといえば、クリエイターとしての意識が強く、既存の服をモデルさんが着て、ヘアメイクやスタイリングされた世界で、そのビジュアルを自分が撮りたい!という気持ちでいました。
すると後日、僕の写真を見た担当者から一度ミーティングしようと言われまして。ルックを撮らせてもらえるのかと意気揚々とよろこんで打ち合わせに向かったところ、「実は君の普通に撮っている写真(風景や私写真)が好きだから、写真家としてFILAとコラボレーションしてみない?写真を使ったアイテム作ろうよ」と言っていただきました。
――三澤さんが考えていたこと以上の提案をされたんですね。ルックのつもりが、コラボレーションとは…。凄いお話ですね。
予想していなかった話だったので、最初の反応としては「え?僕ですか?」というのが正直なところでした。笑
それまで写真を好きで撮ってきたものの、わりと流れみたいな部分が大きく、自分の伝えたいことや表現手法について、作家として真剣に考えるタイミングをついつい後回しにしてきました。仕事での写真ばかりで、忙しく過ごしていたので、いざ“写真家”として、テーマ選定から自分で行ない、表現する行為には困惑しましたし、写真を提出するまでの間は、自分の中のそれまでにはない感覚と思考をフル稼働して、葛藤する時間になりました。
――FILAは世界各国で、さまざまコラボレーションアイテムをリリースしていますが、それらアイテムからアイデアが浮かんだり、影響を受けたりはしませんでしたか?
これは全くないですね。各国でコラボレーションアイテムが作られている中で、 FILA JAPANのコラボは著名な歌手やモデル以外(イラストレーターなどのアーティストとのコラボ)、日本独自のリサーチとセレクトだと認識しています。なので、僕のような新人作家にも声がかかったのだと思います。
次のページ→ テーマは「東京の光」。世界中の人と、2020年の空気感や景色を共有したかった
日々URALAからのお知らせをLINEで受け取れます!