【炎上エンジョイ!】

民主主義|ウーマンラッシュアワー村本大輔の炎上エンジョイ!

2020/04/27

村本大輔

僕は赤信号は自分の判断で渡るものだと思ってる。

信号の色に自分のペースを握られたくない。だから赤信号でも車が来てなかったら渡る。でもそれは日本ではダメだ、中国でもダメだ。アフリカ出身の芸人がうちの国は信号がない、だから自分で考えて渡ると言っていた。

いままで野良猫と人間、どっちの方が車にはねられた数が多いんだろう。野良猫は色より自分の判断だ。横断歩道が青で渡っても車が赤を無視して走ってきて事故をすることもある。

コロナで自宅自粛。日本が、世界が、いまは赤信号点滅だ。渡るな、不要不急以外は。と合図してる。でも、俺たちが見てる世界はこの世界のベストセブンだ。ヨーロッパやアメリカ、中国などだ。友達から連絡があって、僕らの安いファストファッションなどは発展途上国で作らせてる。彼らに服を受注し彼らは安い賃金で文句を言えず働かされる。いま発展途上国も工場などが生産中止、彼らは仕事がない、国が貧しいから補償もない。彼らは日雇いのポケットの中の金だけで生活してる人たちもいる。我々、金持ち国が金のないときは向こうに払う余裕がない。だから受注した分も向こうですでに作られてるのに支払いもできてない。彼らは雇われてる立場で文句が言えない。世界は平等じゃないなんてわかってたけど、オレたちのしわ寄せがいつだって彼らに向かってる。その責任はおれたちは取らない。間接的、いやある意味直接的な加害者なのに。

民主主義を自分で選ぶことだとすれば、民主主義とはなんだろうか。おれの友達にヨルダンでシリアなどの難民に勉強教えてる女性がいる、彼女はいつかおれに言った、「ある日、クラスが荒れていて、クラスの学級委員を選ぼう」と提案した。すると上から「選べるということを教えるな」と言われた。理由は彼らがシリアなどの国に戻ったとき、選べると言うことを知ってるとテロリストになる。この国を選んで変えれると、そう言った行動に出てしまう。独裁ってのはずるい言い方だ。向いてるか不向きか、に近い。日本は中国を批判するが似てるところも多い。なんなら似せていってる気もする。

いま大阪でコロナの影響を防ぐため、パチンコ店に行政から閉めるように要請している。閉めないところは名指しで公表すると、知事が言っていた。中国の街では横断歩道を赤信号無視したらその人の顔を写真に撮り名前まで出るらしい。「吊し上げてやめさせる」痛みを与えて教える、ってのは同じだ。ヨルダンでは決まってない時間に外出すると罰金らしい。日本ではそれを強制できない、おれのヨルダンの友達は民主主義と独裁の違いなのかなと言っていた。

僕は選んで外に出る。それは民主主義だ、自分で選ぶ選択だ。しかし、おれはバカかもしれない、バカだとしたら強制のほうがいい。だから僕は考える。信号を知らない野良猫と信号に決めてもらう私たち。どっちが事故に遭う確率が少ないのか。

以上おれのみた世界。

村本大輔(むらもとだいすけ)
福井県おおい町出身。2008年位結成したお笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」のボケ担当。賛否両論のコラム「炎上エンジョイ」は、日々URALAにて継続することが決定! ツイッター


日々URALAからのお知らせをLINEで受け取れます!




#コラム#連載

  • ツイートするツイートする
  • シェアするシェアする
  • 送信する送信する