自粛期間を経て、ようやくぼちぼち対面での会議も増えてきました。とはいっても、世代や事業の領域的にまだまだほとんどの会議やイベントや飲み会(飲まないし食べないけど)をオンラインで開催しています。
「オフラインで会う」「オフラインのイベントに参加する」ことがよりハードルが上がったというか、結構「オンラインでもいいよね、これ。」っていう会議や集まりをオンラインで実施するハードルがものすごく下がったような印象です。
先日オフラインの会議に参加したのですが、自粛以前と比較すると何か、そのオフラインで行われている会議自体が「特別な会議」であるという認識が全員の中に共通してあるような感じがしたんですよね。あと、何気ない雑談でもクリエイティブな案が生まれたり、相手の意外な一面について知ることができたり。オフラインで対面することの良さを改めて感じました。
「出会いこそ、学びの根源である」みたいなことを押し出している教育事業を行っている身としては、やはり「オンラインでも学びの効果ってあるの?」ということがとても気になっているんですよね。オフラインでの対話と、オンラインでの対話の違いは、どのように学習者の学びに影響してくるのだろうかと。
自粛期間中、企業研修などのシーズンでもあり多くの企業や学校が、新人研修やオリエンテーション等のオンラインでの開催に戸惑ったのではないかと思います。特に、「本当に伝わっているのだろうか?」とか、「学習効果が薄くなってないか不安」みたいな、そういった声を多く聞きました。
我々の教育プログラムも、本来は「高校生が、学校や学年の枠をこえた同世代や、地域の社会人や大学生等と、オフラインで直接会って対話することで座学では得られない気づきや学びを得る。」というような内容で、オンラインでの開催を決定した際には学習効果等、学習者に与える影響について多少気掛かりでした。
一方、しゃべる側の課題もいくつかあります。オンラインでイベントや研修を開催したことがある人はわかると思いますが、「リアクションが見えにくいため講師役がしゃべりにくい」という問題がありますよね。しかも日常生活で鏡が目の前にない限り自分の顔を見ながらしゃべる機会は少ないですが、ビデオ会議ツールでは特に設定してない限り自分の顔も映っています。これが慣れていないと、まあしゃべりにくいんですよ。鏡を見ながら長時間しゃべるとおかしな感覚になるみたいな遊びが小学生の時にちょこっと流行っていましたが、そんな感覚です。
このようにいろいろ勝手が違う点があるのでオフラインがそのままオンラインになったとは言えません。
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オンラインでもオフラインに引けを取らないいいイベントや研修を開催できないだろうか。いや、オフラインと対立して考えるのではなく、オンラインの特性を理解し最大限に活用してオンラインであることに価値のあるイベントや研修を開催できないだろうか。と思いまして、先月いろいろなオンラインイベントや会議に参加してきました。
スピーカーの話を飽きなく聞けて、そしてしゃべる側の課題もいい感じにカバーできてそうだなと感じたのがスタートアップ系の某イベントでした。参加者は200人くらいです。
オンラインイベントでは特に、スピーカーが一方的に話す状況が30分とか1時間とか続くと、参加者側は結構苦痛ですよね。かといって、参加者全員が好き放題しゃべると収拾がつかなくなります。
このイベントでは、一方的に話す時間が登壇者のピッチ(事業の簡単なプレゼン)の10分程度しかなく、あとはファシリテーターがスピーカーの数名に話を振りながら進行していました。ファシリテーターは参加者から出てくる質問を適宜拾いながら、たまに参加者のミュートを解除して話を振ったりもして、結構オフラインイベントさながらの雰囲気をつくれていたのかなと思います。
トークセッション形式のイベントだと、オンラインでもオフライン同様にいいコンテンツがつくれそうです。
話を盛り上げるコツとしては、やはりオーバーリアクションが肝心。このイベントのファシリテーターも、オーバーすぎるリアクションをしていました。多くの参加者がミュートしてビデオも全員分のリアクションが見れない状況で、参加者全員のリアクションを一人で代行するくらいの気持ちで行うと進行がスムーズで、聞いている参加者も飽きなく聞けます。
書いていて思ったのですが、これ、ラジオのトーク番組に近い感覚ですよね。
イベントのいいところは、講師の話を聞けるだけではありません。参加者同士の新しい出会いという体験もなくてはならないものですよね。
オンラインイベントでは、人数が多ければ多いほど参加者同士の交流の場を用意することがとても難しくなっていきます。
とある教育系のプログラムではトークセッションとワークショップを組み合わせることでイベント内で交流の場を用意していました。
オフラインでは同じ会場にいても、グループごとに分かれて話すことが容易です。しかし、オンラインではメインの部屋では発言者が偏ってしまいますし、同時に一人しか話すことができません。ですので、どうしても一方的なイベントになりがちです。
幸い、ビデオ会議ツールではメインの部屋だけでなくいくつかのグループごとに分けることができる機能があります。それを活用して複数のグループをつくり、グループごとに議論して最後に全体でグループで議論したことを共有するという流れで参加者同士が交流する機会をつくっていました。運営する側からすると人数が増えれば増えるほど結構大変なんですが、参加者の満足度に対する効果は高い取り組みです。
我々の会社でもいくつか、オンラインイベントを開催してきたのですがその際に気を付けていることはやはり、「いかに双方向にするか」「参加者同士の交流をどのようにデザインするか」です。オンラインの強みはどこにいても参加できるということ。せっかく県や国をこえて出会うことができるので、その機会を十分に活かせるように運営側は企画をしていきたいですよね。
こういうふうにいろいろオンラインイベントや研修について考えてみると、「イベントである必要があるか?」「リアルタイムで全員が参加しなければいけない理由は?」「動画配信じゃだめなの?」と、そもそもイベントの意義について深く考えさせられます。「なんとなくイベントでいいや」「去年も開催したから今年も」と、これまで深く考えずにイベントを開催してきたのかもしれないと省察します。
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小原涼(こはらりょう)
2000年9月19日生まれ。株式会社RUProduction 代表取締役社長兼CEO。デザイナー。北陸高校二年生の時にファッションに特化したインフルエンサーマーケティング事業とデザイン事業を行なう『株式会社RUProduction』を設立。
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