月刊ウララ9月号特集 最高のローカルを往く『北陸温泉宿の旅』から厳選宿をご紹介

2020/09/09

また訪れたくなる風情と非日常感。

辰口温泉
まつさき
◉石川県能美市・辰口温泉

新館の最上階にある展望露天風呂「木犀」。ほかに岩風呂の「玉竜」と家族風呂の「雷鳥」があり、いずれも庭園を望むことができる。晴れた日には白山連峰も見られ、絶好のビュースポットに

金沢からほど近くに佇む、自然に囲まれた恵みの湯。

夏は池に咲く睡蓮、冬は雪化粧の中に渡り鳥。広大な松泉湖の上に架かる渡り廊下を進むうちに、非日常へと誘われていく。加賀温泉郷や能登の温泉とは違う趣で、金沢の奥座敷として愛されてきた辰口温泉にあるこの老舗旅館は、天保7年の創業以来多くの人を癒し、明治時代には文豪の泉鏡花にも愛された由緒ある宿だ。

部屋は全て数寄屋造りの凛とした佇まい。目前に松泉湖が展開する「瑞雲」、安土桃山庭園を眺められる「松寿庵」と、どの部屋からも庭園を楽しめ、木々の緑陰が旅の疲れを忘れさせてくれる。特筆すべきは新館「鳳凰」。全ての部屋に源泉露天風呂と内風呂が付き、専用の月見庭園もあるので、一献傾けながら月見酒というのも粋なもの。

こんこんと湧き出る源泉は、肌にやさしい弱アルカリ性。安土桃山庭園に面した大浴場には加温しない源泉かけ流しの檜風呂があり、少しぬるめなので疲労回復や酔い覚ましに最適という。檜風呂以外の湯は適温に加温されているので、ゆったりと満喫を。料理は金沢の旬味を盛り込んだ懐石料理。料理長自らが早朝の市場に足を運び、吟味した新鮮な食材が品良く供される。滞在するほどに心惹かれるおもてなしを感じられる一軒だ。

松泉湖に浮かぶ松島に建つ茶室「無量庵」。この庵を含む大きな松泉湖庭園は5000坪を有し、季節の野鳥が訪れて四季を告げてくれる
白山連峰を展望する貸切露天風呂「雷鳥」。
新館「鳳凰」の部屋で気兼ねなく寛ぎを。
新館・本館それぞれに厨房があり、二人の料理長が腕をふるう懐石料理がいただける。
新館「鳳凰」の露天風呂は、夕に夜にゆるりと楽しみたい。
夏には松泉湖を蓮の花が彩る。冬には白鷺が雪の上に佇む姿も


◉温泉 Information
源泉名:新辰口温泉 11号源泉
泉質:含硫黄-ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉(弱アルカリ性低張性温泉)
泉温:36.5℃
湯量:210ℓ/分

◉宿Information
【住所】石川県能美市辰口町3-1
【電話】0761-51-3111
【料金】2万3,760円~(1泊2食付、1室2名利用の場合の1名あたりの料金)
【時間】チェックイン/13:00~、チェックアウト/11:00
【HP】あり

◉ACCESS
電車:JR金沢駅から北陸本線に乗り換え約10分、松任駅下車。無料送迎バスに乗り約15分(要事前電話予約)
車:北陸自動車道美川ICで降り、県道105号線を経由して県道22号線を南進約20分

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#エンタメ#月刊ウララ

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