
世界最古の恋愛小説「源氏物語」の作者・紫式部や、“子どもの幸せと平和”を生涯のテーマに創作活動を続けた画家/絵本作家・いわさきちひろさん。1980年代に短歌ブームを巻き起こした「サラダ記念日」の作者・俵万智さんのゆかりの地、福井県越前市武生。
今回の主人公である、絵本作家/児童文学者のかこさとしさんも、幼少期をこの街で過ごした、武生とゆかりのある作家のおひとりです。8歳まで過ごした武生での日々がすべての源にあると、インタビューで語っているかこさん。その体験が初版から50年近くたった今でも愛され続ける「からすのパンやさん」や「だるまちゃん」シリーズなど、多くの名作を生み出したのでしょう。
コロナ禍で県外への旅行が敬遠されるこの頃、地元や周辺地域へ旅する「マイクロツーリズム」が今、密かにブームです。これを機会にかこさんが幼少期に見た風景やゆかりのスポットをのんびり散策。より、旅行気分を味わいたい人は、車ではなく、JRや福井鉄道を利用するのがおススメですよ。
\ かこさとしさんを知ろう! /
写真提供/加古総合研究所
1926年、福井県武生市(現・越前市)生まれ。小学2年生までを武生で過ごす。東京大学工学部卒業後、昭和電工に入社。研究所勤務のかたわら、セツルメント運動(労働者居住区で学生らが、お金ではなく保育や学習など、生活向上と自立のための支援をする社会事業のこと)や、人形劇、紙芝居などの児童会活動に参加。1959年、33歳で『だむのおじさんたち』(福音館書店)で絵本作家デビュー。「からすのパンやさん」や「だるまちゃん」シリーズなど、2018年、92歳でこの世を去るまで、500冊以上に及ぶ絵本や数多くの児童書を発表。
だるまちゃんとかみなりちゃん/福音館書店 900円+税
からすのパンやさん/偕成社 1000円+税
どろぼうがっこう/偕成社 1000円+税
パピプペポーおんがくかい/偕成社 1100円+税
散策には市民バス&
レンタサイクルが便利!
\市民バス“のろっさ”/
越前市では市民バス、「のろっさ」を運行!市街地を縦貫する便利なルートもあるのでぜひ利用してください。運が良ければ「からすのパンやさん」をラッピングしたバスに乗れるかも!
市民バス「のろっさ」
【料金】1回100円(小学生以下は無料)、一日乗り放題200円(車内販売)
【お問い合わせ】0778-22-3704(越前市役所 総合交通政策課)
【HP】あり ※時刻表、運行日などについてはHPをご確認ください。
\レンタサイクルもあります!/
自転車でさわやかな風を感じながら、かこさとしさんのふるさとを散策したい人にはレンタサイクルがぴったり!JR武生駅前センチュリープラザ1階にある観光・匠の技案内所では自転車の貸し出しを行なっています。
観光・匠の技案内所
【住所】福井県越前市府中1-2-3
【利用時間】9:00~17:00
※返却は17:00まで。天候や道路状況により貸出ができない場合があります
【利用料金】4時間 500円、8時間 1000円
【お問い合わせ】0778-24-0655(観光・匠の技案内所)
【HP】あり
■次ページ→かこさとしさんのふるさとを散策① 総社大神宮~だるまちゃん広場
① 越前国総社 総社大神宮
JR武生駅からまっすぐ西へ、正面の神社が総社大神宮です。この神社は1200年以上前に越前の国の国府が定められた折に創建。国中の八百万(やおよろず)の神々を祀り、国司が折々に参拝しました。国司の父に同行し、武生に1年間滞在したと言われる、紫式部も訪れたはず。
街の人から「おそんじゃさん」と呼ばれ、親しまれている総社大神宮では、春には「おはいごさん」、夏には「茅の輪くぐり」、秋には「総社まつり」などの祭礼が行なわれ、多くの参拝客が訪れます。
寺社がひしめき合う武生の街。総社大神宮の北の鳥居の前には国分寺(元来の場所はいまだ謎)があり、石畳の道が良い雰囲気。最近では、古い建物を再利用したおしゃれなレストランやカフェなどがオープンし、人気のエリアになっています。
越前国総社 総社大神宮
【住所】福井県越前市京町1-4-35
【電話】0778-22-1127
【時間】9:00~17:00(境内拝観自由)
【駐車場】20台
【HP】あり
【SNS】Facebook
続いては、こちらを訪問!
②引接寺(いんじょうじ)
石畳の道を西へまっすぐ。つきあたりが朝倉氏ゆかりの引接寺です。戦国時代の文安5年(1448年)、天台真盛宗の開祖、真盛(しんせい)上人により天台真盛宗別格本山が創建されました。山門の彫刻が素晴らしく、鯉の滝登りの小脇彫や欄干の羅漢などが彫られています。また、境内には池泉回遊式庭園があり、これは明治天皇を迎えるために造られたとか。
山門の脇から境内に入ると、右手に童話に出てくるような小さな洋風の建物が見えます。とてもかわいいこの建物は、丈生幼稚園(じょうせいようちえん)。幼き日のかこさんも毎日通っていました。ちなみにこの幼稚園、明治時代に建てられた旧県警察部庁舎を移築したもので、国の登録有形文化財に指定されています。このように見どころたっぷりの引接寺ですが、かこさんの菩提寺でもあります。大きな鐘楼の東側の下にはかこさんが眠るブック型のお墓もあり、ファンの方が多く訪れているそうです。
引接寺(いんじょうじ)
【住所】福井県越前市京町3-3-5
【電話】0778-22-0442
かわいい幼稚園だったな~。
次の目的地はここ!
③だるまちゃん広場
引接寺を出て南へ。石畳に沿って歩を進めます。次の目的地となる武生中央公園までは徒歩10分。
2017年8月にリニューアルオープンした武生中央公園には越前市文化センターや多目的グラウンド、パピプペポー広場、コウノトリ公園など、さまざまな施設がありますが、一番の人気エリアがだるまちゃん広場です!広場の監修はかこさとしさんご本人!かこさんの作品に登場するさまざまなキャラクターが、広場のいたるところに!年間100万人以上が訪れる大人気スポットです!
仕掛けいっぱいのだるまちゃん広場。からすのパンやさんルートやだるまちゃんルート、地球生命の歴史ルート、越前市ゆかりの人物を紹介する碑があり、中でも子どもたちに大人気なのが大型複合遊具のからすのパンやさんのかざぐるま塔です!かざぐるま塔の中にはたくさんのからすが羽ばたき、4mの幅があるワイドスライダーでは、大勢の子どもたちが一緒にスライダーを楽しむことができます。 武生中央公園にはスターバックスコーヒー武生中央公園店もあり、だるまちゃん広場に面して作られた店内からは、公園を臨むことができるので、一息つきたいときにおススメですよ。
\こんなマンホールを発見!/
だるまちゃん広場
【住所】福井県越前市高瀬2-7
【電話】0778-42-7530(武生中央公園管理事務所)
【駐車場】740台
【HP】あり
【SNS】Facebook Instagram
【お知らせ】
「2020たけふ菊人形」開催!
第69回目を迎えるたけふ菊人形。今年のテーマは「Fantastic Park」~魔法の世界~。「アラジンと魔法のランプ」、「美女と野獣」と菊人形がコラボレーションします!新型コロナウイルス感染症の対策等についての詳しい情報は、HPをチェックしてください。
2020たけふ菊人形
【会場】武生中央公園(福井県越前市高瀬2-7)
【日程】2020/10/09(金)~ 2020/11/08(日)
【時間】9:00~17:00
【料金】入場無料
【休日】期間中無休
【お問い合わせ】0778-21-0175(たけふ菊人形まつり実行委員会事務局)
【HP】あり
【SNS】Facebook Twitter Instagram
■次ページ→かこさとしさんのふるさとを散策② ふるさと絵本館「砳」(らく)~紫式部公園
武生中央公園を抜けて、南へ500m。次なる目的地はかこさとしさんファンならぜひとも足を運びたい、かこさとし ふるさと絵本館「砳」(らく)です。ここにはたくさんの絵本があります。
どんな絵本が
あるのかな~???
④かこさとし ふるさと絵本館「砳」(らく)
2013年にオープン開館したふるさと絵本館「砳」(らく)。こちらは大人も子どもも楽しめる絵本館です。1階にはかこさとしさんの絵本はもちろん、国内外の人気の絵本や紙芝居が約5000冊揃うえほんのへやや、昔のおもちゃで遊べたり、からすのパンやさんやだるまちゃん、マトリョーシカちゃんに変身できるあそびのへやがあります。
※本の貸し出しは行なっていません
かこさんが監修を務めたこちらの絵本館。2階にはかこ作品の貴重な原画や複製原画や、越前市で過ごしたころの資料か展示されているもとのえをみるへやがあります。こんなにたくさもの貴重な資料を目にできるのは全国でもここだけで、季節によって飾られる絵も変わるので、楽しみですね。
かこさとし ふるさと絵本館「砳」(らく)
【住所】福井県越前市高瀬1-14-7
【電話】0778-21-2019
【時間】10:00~18:00
【入館料】無料
【休日】火曜
【駐車場】20台
【HP】あり
※おもちゃ遊び、変身コーナーは現在お休み中です
かこさんのサインがある
街のレストランへ
武生には晩年のかこさとしさんが訪れたレストラン夢屋があります。ふるさと絵本館「砳」(らく)から徒歩10分の位置にあり、武生中央公園と紫式部公園を結ぶふるさとを偲ぶ散歩道をてくてく歩きながら向かうのがおススメです。約1200mの遊歩道には約160本の松が植えられ、道の途中には街中からこの場所に移された金灯籠もあり、落ち着いた雰囲気が漂います。
遊歩道には「源氏物語」の帖名と、「源氏香図」の陶板が第一帖の桐壺から順に埋め込まれてます
金灯籠は紫式部公園手前の交差点にあります。金灯籠の交差点を左に曲がるとレストラン夢屋があります
⑤レストラン夢屋
雑木林に囲まれた落ち着いた雰囲気も人気
金灯籠の交差点を左に曲がり、閑静な住宅街にひっそりと佇むレストラン夢屋。スペインの古いワイン工場をイメージしたこちらのお店では、オーナーシェフこだわりの「牛タンシチュー」や「牛ヒレのエスカロップ」が味わえます。
今年、オープン30周年を迎える夢屋ですが、県内はもちろん、県外からも多くの食通が来店する隠れた名店のひとつ。店内に3本ある大きな柱には、作曲家の武満 徹さん、詩人の谷川俊太郎さん、世界的ピアニストの小曽根 真さんなど、著名人のサインが数多く書きこまれています。
そんな数あるサインの中でもひときわ目を引くのが、「からすのパンやさん」のキャラクターとともに書きこまれたかこさとしさんのサインです。
生前、食事に訪れ際に、上質な和牛ステーキやデザートがセットになった「セレブセット」を注文。「高齢にもかかわらずステーキをぺろりと平らげ、ふるさとの食べ物は、とてもおいしいとおしゃっていました」と、オーナーの小原さん。
どこでかぎつけたのか、最近ではかこさんのサインがあることを知ったファンの方々の来店も多く、写真を撮影したり、柱をなでて帰っていくそうです。
レストラン夢屋
【住所】福井県越前市東千福町7-15
【電話】0778-21-0631
【時間】11:00~14:00、17:00~21:00
【休日】木曜
【席数】40席
【駐車場】10台
※来店の際は席の予約が必要です。また、小さなお子様の入店はお断りをしています
せっかくなので
紫式部公園へ!
⑥紫式部公園
「源氏物語」の作者・紫式部が生涯でただ一度、都を離れて暮らした場所が武生です。平安時代、越前国司となった父・藤原為時とともに訪れ、1年余りを過ごしたと言われています。その時代に思いを馳せ、作られたのが紫式部公園で、作庭は昭和の庭園研究家・森蘊さんによるものです。池をめぐらし、寝殿造の釣殿をしつらえた雅な世界は、一見の価値ありの実に美しいスポットです。
公園の近くにはふるさとギャラリー叔羅があり、こちらでは市民の方々による絵画や書道、写真などのアート作品を展示。どんな作品が飾られているのか、のぞいてみるのもいいですね。
ふるさとギャラリー叔羅
【住所】福井県越前市東千福町17-17
【電話】0778-23-5811
【休日】月曜、年末年始
【HP】あり
紫式部公園
【住所】福井県越前市東千福町20
【電話】0778-22-3012(越前市都市計画課)
【HP】あり
自然いっぱい、歴史いっぱいの福井県越前市。かこさとしさんゆかりのスポットをのんびり散策しながら、武生の魅力に触れてください。
写真協力/越前市観光協会
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