福井で開催中の「ミニチュアライフ展」。 田中達也さんに見どころをインタビュー!

2021/03/16

田中達也さんの「ミニチュアライフ展」

現在、『福井市美術館』で開催されている、田中達也さんの「ミニチュアライフ展」。開始から2週間で、来場者が2万人を突破したようですが、皆さんすでに、行かれましたか?

どこにでもあるような日用品を、あっと驚くような視点で他のモノ・シチュエーションに見立てるミニチュアの世界。

展覧会を開催する際は、その土地ごとにテーマを設けた作品を制作している田中さん。今回の展覧会でも、福井だけのオリジナル作品が登場していますが、このインタビューでは、その作品についての制作エピソードや、福井での展示の楽しみ方についてお話を伺いました。月刊URALA3月号に掲載されている内容とも併せてお楽しみ下さい。

-早速ですが、今回、福井だけのオリジナル作品、どのようなものを制作されたのでしょうか。

田中さん(以下敬称略):カニを用いて恐竜、クビナガリュウを表現しました。正確には、その化石ですね。タイトルは、《博物館ではお静カニ》です。

カニを用いて恐竜、クビナガリュウを表現
タイトルは、《博物館ではお静カニ》
《博物館ではお静カニ》Crabsaurus
/©Tatsuya Tanaka

-カニと恐竜、福井が詰まった作品ですね。 どうして、このようなモチーフにされたのですか。

田中:やはり福井の印象として強かったのがカニと恐竜でした。なので、何かこの2つを組み合わせたものを作れたらなと。他には、名所・東尋坊をなにかで見立てられないかとも思っていました。

田中達也さん

-「東尋坊」の作品も観てみたかったですね。月刊URALAで取材させて頂いた時(1月下旬)は、まだ完成していませんでしたが、間に合いましたね。

田中:はい、ギリギリでした(笑)。ちょうど展示が始まる2週間前に完成しました。毎日SNSなどに投稿する作品は日々のアイデアからストックしているもので制作しますが、展覧会のオリジナル作品は会場が決まって、そこから考えていくので、ギリギリになることが多いです。

-そうなんですね。
やはり苦労された点も多かったですか。

田中:そうですね。まずカニの構造を知ろうと思い、実際に、正月に福井から越前ガニを取り寄せて、甲羅や脚がどういう形をしているのか探りました。脚や殻を割らないように慎重に身を取り出し、そこから型をとって、カニの食品サンプルを作りました。もちろん、そのカニは美味しくいただきましたよ(笑)

-実際に取り寄せていたとは驚きです!
では、そこから恐竜を表現していく作業に。

田中:ここからが難しかったですね。当初、恐竜を「ティラノサウルス」などをイメージして、カニの脚を組み立てて胴や腕を模そうと考えていたのですが、それだと甲羅やハサミを活かしきれず…。そこで思いついたのが、カニの長い腕とハサミで首と顔を表現できる「クビナガリュウ」でした。

カニの長い腕とハサミで首と顔を表現できる「クビナガリュウ」

ただ、クビナガリュウに見立てたからこそ「生前は鍋の中の湖に生息していたが、地球の気候変動とともに水の温度が上昇して、気付かぬうちに茹で上がって絶滅してしまった」という作品のストーリーができあがりました。

カニの表面の少しざらっとした感じも化石っぽく、よい仕上がりになったと思います。

カニの長い腕とハサミで首と顔を表現できる「クビナガリュウ」

-なかなか伺えない制作エピソード、ありがとうございます。それから、写真についてですが、このアングルを設定した理由はありますか?

田中:やはりハサミのインパクトが大きいと思ったので、そこが活きるアングルを。僕の写真は、一眼レフカメラの広角レンズで撮っていますが、スマートフォンでもこうやって同じように迫力ある雰囲気で撮影できますよ。もちろん、これはあくまでも僕の視点なので、いろいろな見方で楽しんでいただけたらと思います。

カニの長い腕とハサミで首と顔を表現できる「クビナガリュウ」と田中達也さん

-視点というお話が出ましたが、作品を鑑賞する上で押さえておくべきツボなどはありますか。

次ページ → そこに注目!? 田中さん流「ミニチュアライフ展」の楽しみ方。

#アート#イベント#エンタメ

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