【かずのすけの美容塾】
2021/05/13
Q:自宅でもセルフでキレイに♪ 美容家電って実際どうなの?
美容家電についての質問もこれまで沢山頂いているのですが、率直に言うと僕は美容家電全般を基本的に推奨していないスタンスです。そんな中でも実際に使用しているアイテムもありますので、どういったものはお勧めできるのか、逆にお勧めできないものはどんなものか、というお話をしていきたいと思います。
まず僕が現在でも愛用しているのがパナソニックの「ナノケアスチーマー」です。スチーマーは色々と応用がきくのでメーカー問わず何かしら持っておくと良いです。特に洗顔前に使用することで、発汗させたり毛穴を開かせてお肌に負担なく洗浄効果を上げたりといった効果があります。普段湯船に浸かる習慣が少ない方にもとてもお勧めです。ただし、スチーマーは長時間当てすぎたり保湿目的に無闇に使用したりすると、「膨潤」と言って肌の角層に必要以上の水分を吸収して肌バリアの低下をもたらす場合があります。ただの水のミストは保湿効果はあまり高くないため、保湿のために頻繁に使用するというよりも、毛穴の汚れが溜まったときなどにスペシャルケアとして取り入れるのがお勧めです。その他にはスキンケア用に使用している美容家電はありません。
なぜ僕が全般的に美容家電を推奨していないのかというと、そもそも美容家電の殆どは美容に対して大きな効果を持っていないはずだからです。これは、医薬品医療機器等法(薬機法)という法律により、大きな効果を持ちうる機械は「医療機器」という分類になり、医師の管理の元美容クリニック等でしか扱えないのです。たとえば、お肌を引き締めるレーザーなども、十分な効果をもたらすものは医療機器なので市販されません。脱毛や美白効果なども同様に、十分な効果のものはクリニックのみで利用されます。特にレーザーなどはその出力や波長の設定について専門的な知識なく使用するとお肌に甚大なダメージを与えてしまったり、かえって使用することが肌に悪影響となるケースがあります。そのため、市販の美容家電は、効果がほぼ感じられない程度の出力に設定されているのが一般的です。特に肌を無闇に摩擦するものや、刺激になりうるものは使用しないのが無難です。もしそういった効果の施術を受けたい場合は、美容クリニックでプロに施術してもらう方が手っ取り早く効果を得られます。
ただし、まだまだ美容家電の研究は発展途上ですし、今でも効果的なものが市場に潜んでいる可能性は否めません。専門家としては法律上一般的な美容家電に十分な効果があると言えない側面も強いのですが、今後より研究が勧めば美容家電の効果の範囲が拡がっていく可能性も十分にあるでしょう。今後の展開が期待されます。
かずのすけ
美容化学者。横浜国立大学大学院修了。化学で美容を解説するブログが人気で月間500万PV、Twitterフォロワー12万人超。著書は『オトナ女子のための美肌図鑑』(ワニブックス)、最新刊『美肌成分事典』(主婦の友社)ほか9冊。坂井市丸岡町出身。本名:西 一総(かずさ)
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